「ワークサポートよこはま」の相談者を就職に結びつけよ
白井議員:日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いします。
まず、雇用・就労支援についてですが、今年1月の有効求人倍率は1.04倍で、14か月連続改善と厚労省から発表がありましたけれども、市内の雇用情勢に対する認識はどうでしょうか。そしてまた、横浜市が就労支援を行っていることについて、国や県とは違った横浜市の役割はどのようなものでしょうか、伺います。
牧野経済局長:内閣府が発表した2月の月例経済報告では、雇用情勢について着実に改善しているとあります。また、神奈川労働局発表の1月分労働市場速報では、雇用情勢について、一部に弱さが残るものの持ち直しに向けた動きが広がっているというふうにあります。市内の雇用情勢も同様に改善の動きの中にあるというふうに考えます。
こうした情勢であっても、さまざまな事情により就職活動に難航している方がいらっしゃいますので、その支援は市としての取り組んでいくべき大事な役割であるというふうに考えております。
白井議員:これまで6年間近く「ジョブマッチングよこはま」という事業を続けてきたわけですけれども、2013年3月で終了しました。これまでの事業の目的と2012年度の実績を伺いたいんですが、登録求職者数、そして登録求人企業数、就職者数、そのうち登録企業への求職者数で、伺います。また、その事業をやめた理由を伺います。
牧野経済局長:19年度に始めた当初の目的は、横浜で働きたい人を市内企業と結びつけることでした。24年度の実績は、登録企業は268社で、就職者数が262人でしたが、うち登録企業への就職者数は29人というふうになっております。そうした中で、円滑なコミュニケーションができないなどにより就職に難航している方が多い状況が続いていました。こうした傾向を踏まえ、事業の見直しを図る中で、「ジョブマッチングよこはま」をやめることとし、25年度は個別相談を充実させた「ワークサポートよこはま」を開設いたしました。
白井議員:そして、2013年4月から「ワークサポートよこはま」という事業を始めているんですが、事業の目的と実績、そして相談者はどんなニーズを持っているのか、伺います。
林市民経済労働部長:目的は就職活動に難航している求職者に対し、丁寧な個別コンサルティングにより就職活動をサポートすることでございます。25年度の実績でございますが、1月末時点で261人の方が登録し、そのうち自立的に就職活動ができている方が126人、停滞していた就職活動が改善に向かっている方が20人、円滑なコミュニケーションができないなど就職活動が停滞している方が60人となっています。個別相談を重ねることで自立的に就職活動ができている方からは、インターンシップなど就労に向けた具体的な支援を求める声が聞かれています。
白井議員:これまでの事業を比較してみたいんですけれども、「ジョブマッチングよこはま」では2012年の新規の登録者を、これまで報告いただいていたものからみてみます、と520人という数字、12年度の新規の数ですね。そして、決定したのが262人という説明だったんですけれども、そして「ワークサポート」の事業では261人の登録ということで、これから2月3月みても300人いくかいかないかの数字だと思うんですけれども、この比較した場合に減っているんですけれども、利用者が。そこはどういうふうに、なぜ減っているのか、どうつかんでいるんでしょうか。
牧野経済局長:「ジョブマッチングよこはま」の就職決定者262人というのは、対象がいろんな意味でそれなりに自分で自立して就職活動ができる方がかなり多く含まれている中での決定の数でございまして、今回の「ワークサポート」につきましては、なかなかそういう自分で就職活動にまで至っていない人を丁寧に支援しているということでございますので、なかなかその内訳としても自立的に就職活動が出来る方が72名でございますけども、停滞している人ですとか、さらになかなか難しい人、停滞している人が60名だとか、それよりも厳しい人が22名だとか、そういうような方を丁寧に個別相談などのコンサルティングなどによってやっているということでございます。
白井議員:決定というところでみると、その数字で今お話いただいたんですけれども、アクセスの数でみると、そこも減っていると思うんですが、その点についてはどうでしょうか。
牧野経済局長:林部長の方からお答えさせていただきます。
林市民経済労働部長:先生おっしゃったアクセスというのは、お見えになっている数ということでよろしいでしょうか。繰り返しになるかもしれませんけども、「ジョブマッチング」は就職が前提でお見えになっている方なんですね。それで、「ワークサポート」はなかなか就職が難しい方、ご自分で理解されてないかもしれませんけども、なかなかハローワークなどにいってもちょっとコミュニケーションが不得手だとか、それからご自分で就職の面接することなどにいろいろ障害もっているような方がいらっしゃいますので、そういう意味で、就職困難な方ですよっていうことでご案内もし、また募集もしているものですから、そういった意味でもともと来られる方のそれぞれの背景が違うというふうに、われわれとしては理解しております。
白井議員:募集の仕方がそもそも違うんだということなんですけれども、これまで「ジョブマッチングよこはま」では就職先として登録の企業を持っていたわけですから、相談の出口としての就職先があったわけですね。それで、今回「ワークサポートよこはま」というのは、その受け皿というのはない状態で相談を受けますということで、通過点になっているということなんですけれども、それで、対象者が違うんだということですけれども、そういう違いもあって減ったのではないかと思うんですが、その点についてはどうでしょうか。
林市民経済労働部長:就職者数は確かに260人前後と、それから今回今現時点で50何人なんですが、就職活動をご自分で出来るようにサポートするのが「ワークサポート」なんですね。それで、「ワークサポート」の事務所でも求人案内とかそういった、いままでなかなか就職までお伺いならなかった方が就職しようと、そういうふうに思い始める、それとまたそういうことができる、就職活動ご自分でできるようになった方には、就職情報をご提供していますので、その中でご自分で探せた方が、実際に確かに去年と今年では少ないと、違うということでご理解いただければと思います。
白井議員:本市が就職先をもっておくということも大事なのではないかと思います。それで、就労支援によって就職できたという人が増えることを期待をしますので、機能が後退しないような対策をよろしくお願いしたいと思います。
国・県・市が連携してブラック企業対策の強化を
白井議員:そして次ですが、労働相談におけるブラック企業対策についてです。
横浜市では、技能文化会館にあるしごと支援センターに労働相談窓口が設置されていまして、社会保険労務士が相談を受けていますけれども、労働相談の件数や相談内容などの状況はどうでしょうか。
林市民経済労働部長:横浜しごと支援センターでは、労働に関するさまざまな問題について相談・助言を行っています。24年度の労働相談件数は1539件で、過去3年間ほぼ横ばいで推移してございます。そのうち、解雇・退職に関するものが30%、労働時間などの労働条件に関するものが24%、賃金に関するものが16%となっております。
白井議員:寄せられるものの中には法令違反などもあると思うんですけれども、そういういわゆるブラック企業への実態が寄せられた場合には、問題解決のために、現在は、どういう対応をしているのか、伺います。
林市民経済労働部長:相談の中には退職の強要ですとか残業代の未払い、いじめやいやがらせなどもございます。相談は匿名でお受けしていますので、いわゆるブラック企業に関する相談であるかどうか、企業名がわかりませんし、匿名ですので、そういった意味では判然としませんけども、深刻な事例の場合には労働基準監督署など相当機関、紛争解決機関のご紹介ご案内をさせていただいております。
白井議員:案内をしているということで、相談者自らが労基署などへ告発することが原則ではあるとは思うんですけれども、厚労省もそのブラック企業の調査に乗り出すほど職場の労働実態は深刻になっています。能動的にこの労基署に連絡を取っていただきたいものと思いますけれども。今後、いわゆるブラック企業対策については、どう取り組んでいくのかを伺います。
牧野経済局長:いわゆるブラック企業の問題は確かに社会問題化しているということでございますので、神奈川労働局と対応について協議を行ってきました。今後の取り組みでございますけども、深刻・悪質な労働相談事例については、相談者の了解を得た上で、労働基準監督署に情報提供するなど、速やかに対応を図っていきます。また、しごと支援センターと労働基準監督署と本市で、定期的に情報報告会を開催をし、具体的な問題事例に関する情報交換を行います。
白井議員:これまで以上に連絡とりあっていただくということで、確認をしました。ブラック企業に対する社会的批判の高まり受けて、先ほども言いました厚生労働省が昨年の9月に若者の使い捨てが疑われる企業などへの重点監督、実施して、この12月に結果が公表されています。それによれば、なんらか法令違反していた企業が82%にものぼるということで、同時に実施した電話の相談では多くは賃金の不払い残業とか長時間過重労働とか、それから過労死ラインといわれる月80時間を超える時間外労働、こういうものが多かったということで、報告がありますので、実効性のある対応が求められるところです。本市としても労働相談の窓口で受けたものについては、先ほどもこれまで以上に連絡密にするということを言われましたので、ぜひその点、強化をお願いしたいと思います。以上で終わります。