議会での質問・討論(詳細)
2013年10月11日

■「水道局」 あらき由美子議員(2013.10.11)

過大見積もりで造った宮ヶ瀬ダム建設に対してきちんと反省を

あらき議員:まず、相模川水系建設事業について伺っていきます。
2001年度、宮ヶ瀬ダムの本格稼働により、渇水の心配はなくなったといいますけれども、その点、まず説明してください。

平本施設部長:平成13年に宮ヶ瀬ダムが完成したことにより県内にあるダムの合計貯水量が2倍となり、充分な貯水量を確保をできています。これにより、宮ヶ瀬ダム完成以前には数年に一度の取水制限を講じる渇水が起きていましたが、ダム完成以降は現在まで一度もそのような渇水になっていません。

あらき議員:そこで、宮ヶ瀬ダムの建設を決定した28年前1985年度当時、横浜市の一日最大給水量は174万9000立方メートルとしていました。で、調べました。横浜の一日最大給水量は1992年160万7000立方メートルが最高で、いまお話しあった宮ヶ瀬ダムが本格稼働した2001年度の一日最大給水量は151万7000立方メートル、その時点でも24万立方メートルのかい離がありました。そして昨年度では126万8000立方メートルまで落ち込んでいます。平均給水量にすると116万5000立方メートルとなり、20年後2033年には、これ当局の最新資料なんですけれども、平均給水量では日量100万きるんじゃないかという可能性まであると言われています。本当に宮ヶ瀬ダムが必要だったのかどうか、この点、土井局長に伺います。

土井水道局長:宮ヶ瀬ダム、平成13年から稼働を開始しておりますが、先ほどもありましたように渇水の危機などもないということで、総量的には必要であるというふうに思っております。需要としては、先生ご指摘のとおり、いま節水社会などによりまして、実際に暫減傾向がございますので、その運用などにつきましては、今後実態を見極めながら、どのような今後の設備の維持管理それから更新その他も含めて、これは私どもだけではなくて、神奈川県それから川崎市、横須賀市、それと私どもと、それから広域水道企業団これの5者でしっかり話し合っていくべき課題だというふうに思います。

あらき議員:問題にしたいのは、これ、国の主導で始めてるんですよね、この宮ヶ瀬ダム関連する相模川水系建設事業って。第一期で7329億円でした。二期をやると一兆円規模だろうといわれていました。その当時からしても過大な、先ほどお話ししたように過大な水需要予測のもとに私たちは造られたと思っています。そこで、これまで宮ヶ瀬ダムが本格稼働した2001年から2012年まで、神奈川県広域企業団に入水費としてどのくらい払ったか、伺います。

竹内経営部長:神奈川県内広域水道企業団からの用水供給に対する受水費でございますけれど、平成13年度から24年度までの総額で2280億円となります。

あらき議員:受水費でこれだけですから、それ以外に建設に対しても補助金などが一般会計からも出してますよね、資本的収支として。ですから、私たちからすれば、水道料金とそれから一般会計、要するに横浜の市民税からも上乗せして払ってるっていうふうに考えるんですけども、この点、局長いかがですか。

土井水道局長:上乗せして払っているっていうことではなくて、全体として先ほどいいました関係機関、もちろん国の事業ということで国も含めて議論したかたちで、これだけの大きなプロジェクトを実現してきたと。その結果も私どもとして、先ほど効果もしっかり発揮できているというふうに考えております。

あらき議員:やっぱり、1日最大給水量をこの時右肩上がりの経済だっていうことで多分考えていたと思うんですね。で、いま数字の点でも余ってるってことを示したんですけど、横浜市の保有する水源量のうち上水道としては195万5700立方なんですね。現時点で企業団相模川系統から受水している49万9000立法のうちの一期分、22万1700立法、これなくても十分足りると思うんですけど、いかがでしょうか。

土井水道局長:一期分がなくてもということですか。いま一期分を神奈川県の広域水道企業団からいただいたりしてる、受水したりしてるわけですね。先ほどもいいましたが、水道は平均でみますと先ほど言いましたが、先ほど先生からご指摘ありましたけれど、年間、現在ですと、115万トン、1日ですね、が平均的でございます。ただその水を水源地の方は貯水率の問題もございます。これは今年もそうですが、今年も約60%位まで落ちたことがございますけど、天候などに大きく左右されますので、大きな貯水量っていうのは必要になっております。そういった意味からいうと、私どもとしては貯水量が以前の2倍になったということで渇水が起こりにくくなったと、それから取水や浄水の施設が複数の系統、いま広域水道企業団などを活用しまして複数の系統になりましたので、どこかが漏水等起きた場合の災害時などのバックアップ体制が強化されております。それから、水道工事をやった場合には、断水をしなきゃいけませんので、その時のバックアップなどもできるということで、お客様への安定給水に貢献しているというふうに考えております。

あらき議員:それは言い訳で、水需要不足が伸びないんですから。いまでも余っているわけですよ。だから見直しをするように方針的にも100万きるっていうふうになっているんじゃないんでしょうかね。で、私たちとしたら、過去の動向だとか先ほど中長期的な視点を持つって言ったんですけど、反省なくして前に進まないと思うんです。この点、副市長いかがでしょう。

大場副市長:いま、土井局長、申し上げたとおりでございます。

あらき議員:一番悪いのは、その大型公共事業そのものを私たち批判しているわけではなくて、本当に必要だったらわかるんです。でも、結果的にはそうなってない事実からやっぱり受け止めてきちんと今後の方針を出すってことがいま大事だと思います。この点、局長、いかがでしょうか。

土井水道局長:中長期的な経営という観点は非常に重要な観点だというふうに思っております。同時に、先ほど来もありますが、給水の安定性に確保とか、施設の適切な維持管理、それをまた将来に継承していくこと、これも非常に大事な課題ですので、それらを総合的に勘案してしっかり今日の先生の発言を参考に検討させていただきたいと思います。

緊急導水に伴う費用を一刻も早く企業団に請求せよ

次に、緊急導水に伴う広域水道企業団との費用負担について伺います。
2010年から760万立法を企業団に緊急導水したことについての説明をお願いします。

平本施設部局長:平成22年から24年にかけて、台風による土砂堆積や、東日本大震災による計画停電や口径3100ミリメートルの導水管の漏水等のため、酒匂川下流にある飯泉貯水堰からの取水を停止または減量いたしました。このため、企業団からの要請を受けて、国土交通省の了承のもと、本市の原水を相模川上流にある沼本ダムから、西長沢浄水場へ緊急導水いたしました。

あらき議員:導水していながら、これまで費用請求を行ってこなかった理由について伺います。

平本施設部局長:今回の緊急導水は、通常の神奈川県西部を流れる酒匂川の下流からの取水とは異なり、神奈川県中央部を流れる相模川上流からのことだったため、取水から給水までに使用した施設の取り扱いや費用の算定方法を新たに定める必要がありました。そこで、まず施設の利用等について、平成23年9月に県内の関係事業者で相互協力の取り決めに関する協定を締結しましたが、費用の算定方法については現在も引き続き調整であるため、費用請求を行っておりません。

あらき議員:かかった費用については一刻も早く請求すること、延滞金について考えているかどうか、この点、伺います。

土井水道局長:いまの答弁にありましたように、私どもずっと神奈川県内広域水道企業団と協議を続けているところでございます。今回の緊急導水の考え方の整理はほぼつきましたので、今後、そのお金の精算に関してしっかり協議していきたいと思います。延滞金というものが本当に生じているのかどうか、これについても私ども一緒に様々な判断これまでもやってきておりますので、各関係団体、これには企業団だけではなく川崎市も関係しますが、しっかり協議していきたいというふうに思っております。


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