「子どもの最善の利益」を第一に
横浜市は今年5月、4月1日現在の保育所待機児童がゼロになったと発表し、その後安倍晋三首相が「横浜方式」を賞賛して全国展開すると述べています。そこで、日本共産党横浜市議団は7日、「横浜方式」でいま何が起こっているのか、何が問題なのかを報告し、ディスカッションする場として、保育シンポジウムを開催しました。保育関係者や市民ら約60人が参加しました。
党市議団の白井まさ子議員が司会を務め、古谷やすひこ、あらき由美子両市議が、市の待機児童ゼロのからくりや対策の実態等について報告しました。
古谷議員は、入所を申し込んでも入所できなかった子ども(入所保留児)が待機児童にカウントされない実態、市が率先して高架下や園庭がないなど劣悪な環境も厭わずに保育所を増やしてきたこと、営利企業が参入しやすい条件を整えてきたこと、営利企業では運営費が保育以外に流用されている実態などを告発しました。
あらき議員は、「保育所は子どもの最善の利益を考慮」しなければならないとする児童福祉法を引用し、自らが実際に訪れて撮影した保育所の写真を示しながら、横浜市の保育所ではそうなっていない実態を報告しました。
ディスカッションでは、18人の参加者が発言しました。「保育は儲からないのになぜ株式会社が参入するのか」という男性からの質問や、週に2~3回は空き状況について問い合わせがあり「待機児童ゼロなんてうそ」という横浜保育室の園長、「社会福祉法人の保育所でも良心的な保育をやるのは経費がかかりとてもむずかしいのに、利益を生み出す営利企業がどんな保育をやるのかは明らか」など、古谷議員らの報告を裏付ける発言がありました。
また、駅前から離れた保育所にバスで子どもを送り迎えする保育ステーション事業に対して「子どもには負担になるし、保育園と家庭がつながらなくなるものであり、考えられない」、「待機児童数が多い3歳未満の子どもたちを預かっている横浜保育室への待遇改善にも力を入れてほしい」、「園長の指示でひどい保育が行われている」などの発言もありました。
今後、議員団で対応できる問題点については対応するとともに、議会で取り上げて横浜の保育が「子どもの最善の利益を考慮」したものになるよう最善を尽くすとして、シンポジウムを閉じました。
当日配布した資料類はほとんどが保育ウォッチングで配布したものと同じです。
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