保育所の数は増やしたが、質を犠牲にしてきたのではないか
横浜市議会では23日一般質問が行われ、古谷やすひこ議員が日本共産党を代表して、林市政での横浜市の保育所待機児童対策の弊害について、質問しました。
横浜市は待機児童「ゼロ」に向けて急ピッチで施設整備を進めて来ました。その結果、駅の高架下やビルの高層階などにも開設、株式会社立の保育園が全国最多の142園で、市内の認可保育園の実に4分の1にものぼっています。
林市政のもとで開園した保育園144園のうち81園が株式会社立で、そのうち46園が園庭の面積緩和の要件の適用を受けています。園庭のない保育園では近くに公園があることなどが条件となっています。古谷議員は、「子どもたちにとって、毎日近くの公園まで公道を歩いて行くということがどういうことなのか、想像していただきたい」と訴えました。
株式会社の目的は、利益を出して株主配当をすることです。保育園で利益をあげようとしたら、削られるのは人件費です。古谷議員が調査した所、政府の外郭団体「独立行政法人福祉医療機構」の2009年の調べでは保育園の人件費率の平均は71.9%ですが、市内のある株式会社立の保育園での保育士の年収は平均200万円弱、人件費率は約40%と、人件費の水準がいかに低いのかが明らかになりました。
古谷議員は、「保育士さんの条件があまりにも違いすぎれば、そのしわ寄せは必ず子どもたちにいく」として、認可保育園の保育士の給与や待遇の実態調査を至急実施するよう求めました。
その他、市からの運営補助金が様々なルートを経て株主配当に回っている可能性を指摘し、公金が子どものためにのみ使われるような仕組みを作るとともに、監査体制を強化するよう求めました。
林市長は、2015年4月移行導入予定の子ども子育て支援制度に向けて今年度に実施する経営実態調査の中で、人件費について調査することを考えていると答えましたが、その他については明確な答弁は行いませんでした。
◎古谷議員の質問と市長答弁全文はこちらをごらんください。