コスト削減目的の福祉パス有料化のどこが福祉の増進か
横浜市議会では6日、市長提案議案に対する質問が行われ、日本共産党を代表して白井まさ子議員が、保育所等の設置・運営基準を定める条例、福祉パスの有料化条例、横浜市開発事業の調整等に関する条例の一部改正について、質問しました。
福祉パス(福祉特別乗車券)は、障害者に交付されている市内のバスや地下鉄に無料で乗れる乗車券です。現在は無料で交付されていますが、今議会に提出された条例案では年額1800円となっています。
白井議員は、担当常任委員会で、福祉パスの事業費が毎年1億円増えており、その解決策のひとつとして利用者負担金導入が示されたことから、「扶助費増額を抑止したい意図が明白」と指摘。今回の条例提案理由は福祉特別乗車券の交付で障害者の外出を支援し、もって障害者等の福祉の増進を図るためとされているが、交付対象を軽度知的障害者に広げるとはいえ、利用者負担金が導入され有料化されることの「どこが福祉の増進なのか、福祉の増進にどうつながるのか」と市長に迫りました。
林文子市長は、今回の見直しで軽度の知的障害者も新たに対象とすることができ、今後も安定してサービスが提供できることが福祉の充実につながると答弁。さらに、「負担金導入により真に必要な人への交付を図り、制度拡大と同時に、市費負担の抑制も図る」と答えました。
福祉パスの問題については、自民・民主・公明・みんなの党など議案質問を行った6人全員が取り上げました。
また、障害児者の生活と権利を守る神奈川県連絡協議会など5団体は、議会終了後の午後2時に横浜市役所内で記者会見を開き、「福祉パスに利用者負担を導入しないでください」という緊急声明を発表しました。
◎白井議員の質問と市長答弁はこちらをごらんください。