あらゆる方法で保険料を下げる努力を
平成24年神奈川県後期高齢者医療広域連合議会第2回定例会が30日、横浜市中区で開かれ、古谷やすひこ議員が一般質問、平成23年度特別会計決算の認定および陳情の不採択に対する反対討論を行いました。
一質問では、「後期高齢者医療制度は、そもそもすべての高齢者から死ぬまで保険料を取り続け、その保険料も際限なく上がり続ける仕組み」と批判し、「あらゆる方法を使って保険料を下げる努力をしていかなければならない」と主張。そのために、保険料を決める過程で75歳以上の高齢者の生活実態をつかむ努力をしてきたのかと問いました。
また、神奈川県の広域連合としてこの夏に初めて短期保険証を約2000人に発行したことについて、短期証発行に踏み切った理由と、資格証明書の発行につながるのではないかと質問しました。
阿部孝夫広域連合長(川崎市長)は、高齢者の実態は公募によるモニター制度で把握している、短期証発行は滞納相談の機会を増やすためのもので、普通の保険証となんら変わらなく医療機関にかかるため支障はない、法で高齢者に対して資格証明書は発行しないことになっているなどと答弁しました。
特別会計決算の認定に反対する討論で、古谷議員は神奈川県の高い保険料と減免制度の実態について指摘。神奈川県の2011年度の1人当たりの平均保険料は全国で2番目に高い月額7547円ですが、年収200万円未満の被保険者が9割近くを占めています。ところが、昨年の保険料減免の申請者は362件(うち災害による減免が333件)で、きわめて少ない現状です。
古谷議員は、こうした点を指摘し、「高い保険料を改善せずに放置してきた」と批判。「事実上、減免制度が機能停止している」と述べました。
さらに、神奈川県の低い健康診査の受診率を横浜市がさらに大幅に引き下げていることをあげ、受診率を引き上げるために「抜本的な施策に足を踏み出すべき」と主張しました。
神奈川県社会保障推進協議会から出された「保険料負担の軽減、一部負担金減免制度の改善および医療受給権の確保等を求める陳情書」については、県内の75歳以上の高齢者78万6004人のうち55.77%の43万83902人が「所得なし」で、保険料滞納者も年々増加しており、住民の福祉増進を目的とする地方自治体の役割をはたすために、採択すべきだと主張しました。
本議会に上程された補正予算および財政調整基金条例の制定については全員賛成、平成23年度一般会計および特別会計決算については古谷議員を除く全員の賛成で可決、陳情については古谷議員を除く全員の反対で不採択となりました。
なお、神奈川県後期高齢者医療広域連合議会は、県内市町村議会から選出された20人の議員から成っています。日本共産党の議員としては、今年3月までは川崎市議会から井口まみ議員が選出されていましたが、改選により現在古谷議員ひとりとなっています。
質問および討論の全文はこちらをご覧下さい。