実際には、質問と市長答弁がそれぞれ一括して行われましたが、わかりやすいように、対応する質疑と答弁を交互に記載しました。
国・県の制度の拡充に合わせて
市の小児医療費助成制度も拡充を
河治議員:私は日本共産党を代表し、2008年度予算案及び諸議案に関連して、市長及び交通局長に質問してまいります。
最初に、小児医療費助成制度の拡充についてです。
少子化がすすむなか、子育てへのさまざまな支援が求められています。小児医療費助成は社会の大きな流れであり、本市の本年度の就学前までの拡充を評価します。健康保険法の小児医療費の自己負担は、これまで2歳児まで2割でしたが、法改正で本年4月から就学前まで拡充されます。県の小児医療費助成制度でも通院医療では、現行3歳未満までの無料が、今年の10月から就学前まで拡充される予定です。そこで健康保険法の改正や県の小児医療制度の拡充がどのような背景で行われたのか、またその拡充をどのように受け止めておられるか、伺います。
新年度予算案の小児医療助成事業は、法改正で対前年度比10億6400万円の歳出減、県の制度拡充で約1億7500万円の歳入増、合計で約12億4000万円が新たに捻出できるものと見込まれます。県の制度拡充による歳入増は、通年度ベースだと約7億円となり、国とあわせると約18億円にもなります。
2007年度の小児医療助成事業では、扶助費総額65億4200万円、対象人数16万2000人、一人当たり約4万500円です。小学生は就学前と比べると、体力も向上し、病気への抵抗力も強まるため、一人当たりの医療費は就学前より下回ることは確実です。小学校で1学年の人数は約2万3000人と聞いており、仮に小学生の医療費を就学前の半分とすると1学年約4億6000万円、3学年分で約14億円になります。健康保険法の改正や県の制度拡充のこの時期をチャンスと位置づけ、通年度ベースで新たに捻出が見込める18億円を振り当てれば、小学3年生まで拡充することが十分可能です。この機会に通院小児医療の無料化をまず小学3年生まで拡充すべきと考えますが、見解を伺います。
本市の小児医療助成制度は所得制限があり、約15%、3万3000人が対象外です。対象外の人から、所得制限の撤廃を求める声が出されており、「所得制限ボーダーラインをわずか超えただけなのに、不公平感がある」とか、「税金を多く収めているのに同じサービスを受けられないのはおかしい」などなどの声が、広聴相談課「市民の声」にも寄せられています。この際、国や県の措置に応じて、所得制限を緩和・撤廃すべきと考えますが、見解を伺います。
中田市長:お答え申し上げます。
まず小児医療費助成制度についてのご質問をいただきました。
健康保険法改正や県の医療費助成制度についてでありますけれども、次世代育成支援の観点から国は本年4月の健康保険法改正によって、3歳から小学校就学前までの幼児の保険診療の自己負担割合を3割から2割に引き下げるということにいたしました。また県は、本年10月から補助の対象年齢を2歳から就学前までに引き上げる制度改正を予定しております。本市としましても、同様の趣旨からこれまで小児医療費助成制度の拡充に努めてきたところでございます。
対象年齢の拡大については、就学前までの拡大を昨年4月から実施をしております。さらなる拡大については今後財政状況などを見ながら、検討をいたしてまいりたいと思います。
所得制限についてでありますけれども、これも財政状況を見ながら、検討をいたしてまいりたいと思います。
予想以上に利用者の多い市営バス暫定運行路線の継続と増便を
河治議員:次に、市営バス路線暫定運行についてです。
身近な交通手段としての公営交通の意義と役割は、地球温暖化対策など環境面のみならず、高齢化が進むなか、一層重要になっています。
一方、近年の交通局内の不祥事は市民の信頼を失する事件でした。交通局は今こそ市民に安心・安全なサービスを提供し、信頼を取り戻す責任が問われていると思います。そこで、新年度予算編成における市営バス事業に対する基本的な考え方を、交通局長に伺います。
市営バスの任意補助金の打ち切りに伴うバス路線の大規模再編計画は、バス路線を身近な交通手段としていた利用者や地域の大きな怒りとなり、バス路線の存続を求める運動へと広がりました。その声を受けて廃止予定の路線のうち、補助金を交付し3年ごとに見直すとした生活維持路線や、2年間に限って激変緩和措置をとる暫定路線が編成されました。
新年度の暫定運行の予算案は対前年度比で4500万円の減額です。その理由は乗車人数が当初見込みを大きく上回り、料金収入が予想を超えたとのことです。暫定路線が交通局の思っていた以上に大事な路線だということの表れです。暫定運行から1年が経過したいま、利用者から「朝夕の通勤・通学や、夕方の買い物に利用出来ない」とか「増便してほしい」など、さまざまな意見が寄せられたと聞いています。こうした意見をどのように受け止めておられるのか、交通局長に伺います。
暫定路線の運行は、計画では新年度で廃止です。廃止されたらまた大きな問題になるのは確実です。この路線が廃止になれば、利用者の交通手段は自家用車や乗り合いタクシーなどに切り替えられ、本市の環境対策にも逆行するものです。また利用者にとって乗り換えによる負担も増えます。公共交通の拡充が一層重要になっているいま、交通局は暫定路線への補助金が打ち切られた後も運行を継続し、さらに通常の路線に戻して運行ダイヤを充実させるべきと考えますが、見解を伺います。
池田交通局長:市営バス路線暫定運行について、ご質問をいただきました。
最初に公営交通としての市営バス路線に対する基本的な考え方についてですが、市営バス路線は、市民生活に欠かすことができない交通手段の一つと考えております。改善型公営企業としてバス路線について必要な改善を進めますとともに、最大限の経営努力を行いまして、市民の足を確保していく必要があると考えております。
暫定運行路線の利用者の増便等の意見の受けとめ方と実行についての考え方ですが、暫定運行路線の措置は、先生ご承知のとおり、58路線再編の2年間の激変緩和策として実施をされているものでございます。ご利用の方々には大変ご不便をおかけしており、その要望、意見につきましては、真摯に受けとめる必要があると考えております。しかしながら市営バス事業の経営面から運行時間帯の拡充等は大変厳しいものがあると考えているところでございます。
暫定運行路線の補助金が打ち切られた後についてですが、今後個々の暫定路線の採算性などを見極めることも必要であると考えておりますが、激変緩和策として2年間に限り講じた措置である趣旨を踏まえまして、今後対応する必要があると考えているところでございます。
以上で答弁を終わらせていただきます。
米兵の女生徒暴行事件での失言を反省せよ
河治議員:最後は、基地問題についてです。
沖縄でまた米兵が女生徒に暴行するという痛ましい事件が起き、その後不法侵入や飲酒運転など度重なる事件に不安と怒りが、沖縄県をはじめ全国に広がっています。
ところが市長は、2月16日のテレビ番組でこの沖縄の事件に対し、「教育もちゃんと徹底しないと」「それが本当の再発防止になる」とのコメントでした。被害者が出て住民の怒りが広がるなかにおいて、また、本市が国への要望書に「他の大都市には例を見ない大規模な米軍施設の存在がまちづくりや市民生活に大きな制約を与えてきた」と主張している市長が、基地があることの弊害を一言も述べることなく、子ども達や市民の教育問題に矮小化した市長のコメントを、私は適切さに欠けた失言と感じました。特に、「やったほうが悪いに決まっているけれども、街角で声かけられて、ついていっちゃいけないですよ」との発言は被害者にも落ち度があるというもので、結果として犯罪を免罪することにもなり、暴言です。昨日の本会議でも論議があったところですが、同じ年頃のお子さんをもつ親である市長として、同じように子どもが被害にあったとしたら、自分の子どもに「お前がついていったからだ」と言いますか。不適切な発言として反省すべきと考えますが、市長どうでしょうか。
2年前、横須賀市で無抵抗の女性が米兵に殺害されました。こうした事件は、米軍基地がある限り犯罪はなくならないことの証です。米兵の綱紀粛正や子どもたちへの教育で再発防止を求めても、それだけでは米兵の犯罪はなくならず、国民の安全は守れません。犯罪をなくすには、その元凶である米軍基地の撤去が不可欠と考えますが、改めて市長の見解を求めます。
2004年度に行われた日米合同委員会は市内米軍施設6施設を対象に返還方針が合意され、小柴貯油施設が返還されました。しかし、上瀬谷通信施設、深谷通信所、富岡倉庫地区、根岸住宅地区、池子地区飛び地の5施設は、3年が経過しているにもかかわらず、いまだ返還期日も明確にされていません。日米地位協定では「使用していない基地は返還する」ことになっています。市民から見てこれらの基地は、どう見ても使われているとは感じられません。そこで伺いますが、返還方針が合意されている基地、とりわけ深谷通信所や富岡倉庫地区は米軍が使用しているかどうか、改めて市長の認識を伺います。
私は基地対策特別委員会の委員であり、防衛省及び財務省への市内米軍施設に関する要望行動に参加しました。しかし、返還方針が合意されたにもかかわらず、そのことが具体的に進んでいるようには感じ取ることは出来ませんでした。
その一方で、池子基地に米軍住宅を作る準備が着々と進められています。こんな理不尽なことは認められません。返還の具体化を国任せにしているのであればあまりにも無責任といえるのではないでしょうか。そこで、返還方針が合意された以降、本市は政府および米国に対し、返還のためにどのような努力をしてきたのか、今後どうするのか、伺います。
池子の森は首都圏に残された貴重な緑の宝庫です。緑を伐採し米軍住宅を建設することは、本市が進めようとしている環境対策に逆行するものです。また、頻発する米兵による残虐な事件・事故など考えると、米軍住宅の建設は市民の安全と相容れないものです。米軍住宅建設に反対し、本市の市是としてきた早期無条件全面返還の立場にたつべきだと考えます。市長の見解を求めて、質問を終わります。ありがとうございました。
中田市長:次に、市内米軍施設についてのご質問をいただきました。
私の発言についてということでありますけれども、今日の赤旗もみましたけれども、私一番不幸なことはですね、こういう不幸な事態が起きているときにこういうのを政争の具にしたり、個人攻撃したりすることが一番不幸な日本の文化だなあと思いますね。
再発防止のために私は一貫して言っているんですね。最初から最後まで再発防止、次の被害者が出ないようにする、そのことのために何が必要かというなかで、これを言っているわけであります。
たとえば、窃盗犯罪が起きた時にですね、取るヤツより取られたヤツの方が悪い、そんな言い方は今回一つもしてないですよ、私は。そういうことをあげつらってですね、こういう不幸な事件をネタにやるというのはね、本当に恥ずかしいことだと私は思いますよ。
河治さんがお子さんにどう言うんですか。再発防止、もちろんアメリカ軍がやったことは悪い。そりゃそうでしょう。そのことをまず言い、その次に何をいいますか。パトロールを強化します。そして防犯カメラを付けるように市にも言おう。そういうことだけ言うんですか、お子さんに。
そうではないですね。そこをきちっと教育をするということが大事なんであって、それをやらなければ教育にならないでしょう。そういうことに対してきちっと河治さんのご見識というものをですね、もってもらわなければ、日本共産党も恥ずかしい、そういうふうになってしまいますよ。よく考えて物を言っていただきたいと思います。
米軍人等による事件・事故について、米軍施設の存在についてご質問をいただいたわけですが、これまでも神奈川県などと連携をしながら綱紀粛正や再発防止などについては、これはもう国や米軍に要請を重ねてきたわけであります。今後も米軍施設の早期返還と合わせて、返還までの間、市民生活の安全・安心を脅かすことのないように、これはもう引き続き国などに働きかけをしていくということになります。
深谷通信所、富岡倉庫地区についてでありますけれども、これは米軍が常駐していない施設だという認識をいたしております。すでに返還に向けた環境は整っているというふうに考えておりまして、これまでも歴代の防衛大臣に直接早急な返還を要求してまいりましたが、今後も引き続きこれをやっていきたいと思います。
日米間で返還方針が合意されている米軍施設についてでありますけれども、これまでも早期返還を米国大使館や米軍に直接働きかけるとともに、昨年11月に石破防衛大臣にお会いした時には、本市の意向を米側に伝えて、早期返還に向けた協議に努めていく、そうした旨の回答をいただいております。これは今後も様々な機会を捉えて、着実かつ速やかな返還を国などに働きかけをしてまいりたいと思います。
池子住宅地区および海軍補助施設を初めとする市内米軍施設についてでありますが、これまでも国に対して早期全面返還の促進を要請してまいりました。今後も、市会、市民のみなさまとともにその実現に向けて取り組んでまいりたいというふうに思います。
以上、答弁申し上げます。
(第二質問)
河治議員:先ほどの私の質問、市長は政争の具にしているといわれました。あまりにもこうした言葉は受け取ることはできません。私たちは事実に基づいて市長の答弁を求めたものです。再度お答えいただきたいと思います。
中田市長:お答え申し上げます。事実に基づいてとおっしゃっていますけれども、私は再発防止策を言っているんですよ。そういう意味ではそういう趣旨になってないではないですか。ていねいにお答えをいたしました。先ほど。以上でございます。
(議事進行)
中島文雄議員:先ほどの我が等の河治議員の質問に対して、いま第二質問でありましたとおり、本日の赤旗新聞を政争の具にしている、これについての質問もありました。それについて、いま市長が再発防止っていいました。先ほどのなかで、そういうことが言われたんならばいいですけども、河治議員の先ほどの発言が本当に恥ずかしい質問だった、これはこういう議場であってならない、公党に対する最大の侮辱ですよ。私もあのテレビの内容、みました。ついてっちゃったんですよね、これは市長がどういう思惑かも知らんけども、市長がどういう再発防止だとか何とかおっしゃった、こういう気持ちかもしらんけども、これはあの内容を見たら完全に市長、これは失言です。沖縄の被害者に対する気持ちに立っていません。また、この本当の原因である基地があるっていうことを本当の原因を言及しないでこういうことを発言しないって言うことは、完全に失言です。本当に不適切な発言はこういう場所で反省すべきだと改めて求めたいと思います。