2012年4月11日
横浜市教育長 山田 巧 様
日本共産党横浜市会議員団
団 長 大 貫 憲 夫
横浜市立小中学校では、2012年度からの文科省作成の放射線副読本の使用に先立ち、教育委員会が昨年秋、独自に作成した副読本の要約リーフレットやスライドを使用して、各学校で3月までに放射線等に関する教育が行われました。
日本共産党横浜市議団は昨年12月、副読本は原発安全神話を助長するものであり、リーフレットを放射線被害や福島原発事故などについて正しく記載したものに加筆・修正すること、文科省への副読本の注文(約38万部)は取り消すことなどを申し入れましたが、これらについての対策が行われないまま進められたことは、大問題です。
この間議会で明らかにしたように、要約リーフレットで授業を受けて放射線は身の回りにあってあまり心配しなくていいんだと思っている子どもがたくさんいます。保護者から、「学校で、過敏に反応するのはよくないといわれたが、子どもは何に安心してよいのかよくわからないと言っている」などと聞いており、子どもも保護者も混乱しています。これは、指導に先立って行われた教職員研修で、要約リーフレットの使用を強いたことが大きな要因 です。懸念通りの結果が出ています。
保護者や市民が願うのは、今回の原発事故で放射性物質が大量に放出され、汚染された環境の中で今後何十年も生活していくにあたって、放射線から身を守ることの意味と方法を子どもに身につけさせたいということです。
学校現場では学校給食食材の放射線測定が実施され、毎月、学校配備の測定器で、学校でのホットスポットの可能性のある場所の測定が行われており、放射性物質を体内に入れないよう、近づかないよう気をつけることなどが日常的に指導されていると聞いています。今年度の放射線教育については、昨年度、要約リーフレットを用いた指導で、あやまった理解をもたらした反省の上に立って、再検討が必要です。
副読本はすでに各学校に届いていており、市教育委員会で活用が検討されていると聞いています。文部科学省では放射線副読本を使用することについては自治体の判断にまかしています。
ついては、次のことを申し入れるものです。
記
1. 文部科学省作成の「放射線副読本」は配布せず、使用しないこと。
2. 原発事故をふまえた放射線教育を進めること。
以上