2026年6月24日
横浜市長 山中 竹春様
日本共産党横浜市会議員団 団長 古谷やすひこ
人類滅亡までの残り時間を示す「終末時計」が「残り85秒」を指しています。地球温暖化はもはや猶予のない「気候危機」の段階に達しています。
気象庁と文部科学省の報告書『日本の気候変動2025』の最悪シナリオ予測によれば、今世紀末の日本は20世紀初頭に比べ国内気温が5.1度上昇し、熱帯夜は現在の2倍以上に激増、さらに「100年に1度」レベルの豪雨災害が5.3倍に頻発するなど、市民の生存基盤を揺るがす深刻な事態が予測されています。
国際社会は、気温上昇を産業革命前と比べ「1.5度以内」に抑える目標を掲げています。これを達成するため、IPCCやCOP28では「2035年までに世界全体のCO2を2019年比で60%削減する」ことを求めています。
しかし、世界5番目の排出大国である日本が2025年2月に提出した目標は、2019年比で53%削減にとどまり、国際的な要求水準を下回っています。
さらに、日本のエネルギー政策には、G7(主要7カ国)の中で唯一、具体的な火力発電からの撤退期限を示していません。また、第7次計画において、それまで掲げていた再生可能エネルギーの「最優先の原則」という表現が消失しました。
一方で、原発の「最大限活用」や新増設が明記されるなど、世界の潮流やCO2排出大国としての責任に逆行する姿勢は極めて重大です。
日本共産党は、国のエネルギー政策を原発・石炭火力依存から、省エネと再生可能エネルギーへ抜本的に転換することを提唱しています。具体的には、2035年度までに温室効果ガスを2013年度比で75~80%削減(2019年比71~77%削減)する目標へアップデートし、徹底した省エネでエネルギー消費量を全体で6割減らしつつ、電力の80%を再エネで賄う社会像を掲げています。
気候危機を止めるためには、国内屈指のエネルギー大消費地である横浜市が、脱炭素の取り組みを強力に牽引すると同時に、市民一人ひとりが主体的に参加できる仕組みづくりが不可欠です。
さらに今夏は、エルニーニョ現象の影響等により全国的な酷暑が予測されており、熱中症から市民の命と健康を守ることは一刻を争う自治体の責務だと考えます。
横浜市が「2050年ゼロカーボン」の看板に見合う先進的な役割を果たし、足元の危機から市民生活を守るため、以下の対策を緊急に講じるよう申し入れます。
一、地球温暖化対策・気候危機の打開に向けた取組
温室効果ガス削減目標の抜本的引き上げ
「横浜市地球温暖化対策実行計画」における現在の削減目標(2030年度に2013年度比50%削減)を、IPCCの科学的知見やCOP28の合意に照らし、実効性のある水準へと前倒しで引き上げること。
省エネおよび再生可能エネルギー普及率の数値目標設定
総エネルギー消費量の削減(省エネ)目標、および市域全体の電力に占める再生可能エネルギー普及率の明確な中長期の「数値目標」を設け、進捗を厳格に管理すること。
太陽光発電および蓄電池の導入支援助成の大幅拡充
住宅・事業所への太陽光発電設備および蓄電池の設置率を飛躍的に向上させるため、導入支援助成金予算を大幅に増額し、市民・事業者の初期負担を実質ゼロに近づける制度設計を行うこと。
地域経済を活性化する自治体独自の省エネ・リフォーム支援
市内中小企業等の省エネ投資への独自補助、および既存住宅の断熱化・省エネ化リフォームへの助成制度を確立し、CO2削減と地域経済の循環を同時に達成すること。
新改築時における建築物の断熱・再エネ義務化・標準化
都市全体の居住環境向上と脱炭素化を進めるため、新築・改築時におけるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)およびZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)水準の断熱・再エネ性能の確保を誘導・義務化すること。
学校・公共施設のZEH・ZEB化の率先垂範
子どもたちの学ぶ環境を守り、災害時の避難所機能を強化するため、全ての学校を含む公共施設への太陽光パネル設置と断熱改修を急速に進め、消費エネルギーを自給できる「ZEH・ZEB化」を計画的に実現すること。
公共事業におけるライフサイクル・アセスメント(LCA)の導入と情報公開
市が発注する公共事業において、資材調達、建築、運用、メンテナンスから解体に至る全過程のCO2排出量を算出・評価し、その結果を広く市民に公開すること。
都市開発事業におけるCO2排出量削減視点の導入
現在進行中および計画中の都市開発・大型開発事業について、気候危機対策の観点からCO2排出量を抑制・削減できるよう、計画の抜本的な検証・見直しを行うこと。
「アーバンフォレスト(都市の森林化)」の推進
都市の高温化を防ぎ、緑豊かな大都市を実現するため、樹冠被覆率(枝葉が地面を覆う割合)の向上を目指す「アーバンフォレスト」の思想を都市計画の根幹に据え、街路樹や公園緑地を抜本的に拡充すること。
二、酷暑から市民の命と健康を守る緊急取組
水道料金基本料金の免除・熱中症の防止
東京都等の先進事例に倣い、水道料金の「基本料金」を無料とすること。
中小事業者・福祉医療機関等への電気代緊急助成
労働環境の熱中症対策が義務付けられている市内の中小企業・小規模事業者、ならびに患者や利用者の命を預かる医療機関、介護事業所、保育所等が、電気代高騰を理由に冷房利用を抑制することのないよう、緊急の電気料金助成を行うこと。
低所得世帯へのエアコン購入・設置費用の全額補助
エアコン未設置の低所得世帯(生活保護受給世帯、住民税非課税世帯等)に対し、熱中症による死亡リスクを未然に防ぐため、本市独自の「エアコン購入・設置費補助制度」を創設すること。
福祉的「夏季エアコン電気代助成」の実施
高齢者や困窮世帯が電気代を気にして冷房の使用をためらう「我慢の熱中症」を防ぐため、特に危険な夏季(7月〜9月)における電気料金の福祉的助成支給を行うこと。
クールシェアスポット(クーリングシェルター)の拡充と視認性の向上
市民が移動中にいつでも涼めるよう、公共施設や民間協力施設による「クールシェアスポット」を大幅に拡大すること。あわせて、施設外壁や道路から一目でわかる共通サイン(看板・ピクトグラム等)を掲出し、広く市民に周知徹底すること。
以上




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