市長の疑惑報告がない中での中期計画の議決は早計
白井議員:まず、市第1号議案 横浜市中期計画の策定についてです。今後4年間の市民生活の向上を目指すとする方針で、人権の尊重を市政の基調と据えるとされています。提案者の市長におかれては、人権侵害に当たるパワハラ疑惑について第三者による調査報告がされておらず、疑惑が晴れていない段階においては、今後4年間にわたる方針の議決を求めるのは早計であると考えますが、どのようにお考えでしょうか。
山中市長:白井議員のご質問にお答えいたします。市第1号議案についてご質問をいただきました。中期計画の提案についてですが、計画は市民生活の安心・安全・横浜の持続的な成長・発展に向けて、今後4年間の市政の方向性をまとめたものです。中期計画に基づいた政策・施策を、スピード感を持って進めていくため、本定例会においてご提案をいたしました。
防犯条令に「市民の努力」を書き込むことは自己責任につながる
白井議員:次に、市第2号議案は、横浜市防犯のまちづくり推進条例の制定です。
報道によれば、先日発生した栃木県での強盗殺人事件は、闇バイトや指示役など匿名・流動型犯罪グループの関与とみられるなど、自宅侵入は多様な手口で凶悪化しています。ひったくり、痴漢、盗撮など屋外での犯罪、特殊詐欺などの市民不安が大きくなっています。犯罪情勢や、地域の希薄化など社会の変化をとらえ、デジタル技術を活用して施策を推進していくという、新たな条例が制定されることは、必要なことであり、屋外照明や防犯カメラ設置を求める市民に寄り添った防犯対策が進むと思います。
しかし、条例案の第5条に市民の役割として「市民は、自らが犯罪被害を受けることを防止するよう務める」との記述内容には、さらに自助努力が求められているようで、少し違和感があります。
それは、市民が自助努力で自宅をオートロックや、バールでも割れない窓ガラスで備えるとしても、昨今の凶悪な自宅侵入を防ぐには限界があります。一方で、今、地域では、交番の数が減り、不在の交番になるなど、治安を守る公的役割が後退している現状があります。本来、強めるべきは公的な治安対策ではないでしょうか。市民が自助努力で頑張っても、不安がぬぐえないというのが現状ではないでしょうか。
このような状況で『市民の努力』を書き込むことは、公助の限界を認め、被害者に非があるかのような誤解を招くのではないかと考えます。
条例に市民の役割を定めることは、犯罪に遭うのは自己責任と受け取られかねないと考えますが、見解を伺います。
山中市長:市第2号議案についてご質問をいただきました。市民の役割を定めることについてですが、条例第5条の役割は、市民の自己責任を規定するものではなく、あくまで防犯のまちづくりに向けて、市民の皆様一人一人が防犯への関心を高めていただき、日常生活の中でできる防犯活動を行っていただきたいとの考えをお示ししたものです。横浜市としても、市民や地域の皆様の防犯活動を積極的に支援することで防犯のまちづくりを推進していきます。
禁煙エリア拡大と喫煙所の整備は矛盾でないか
白井議員:市第6号議案は、横浜市空き缶等及び吸い殻等の散乱の防止等に関する条例の一部改正です。
この議案は、受動喫煙防止の観点からも対策を推進するとして、道路・河川・駅前広場などに禁煙エリアを拡大し、合わせて、喫煙禁止の実効性を確保するために、分煙環境の整備の推進を市の責務に位置付けて、公衆喫煙所を整備するとしています。拡大する禁煙エリアには過料はありません。今回、現行条例の頭に「横浜市屋外の公共の場所における喫煙の防止等」を加えるといった、条例名の変更が行われます。
路上喫煙を全面禁止し受動喫煙の防止を推進することは、市民要望にかなうものとして評価できます。しかしその一方で、公の責務として広く公衆喫煙所を整備していくことについては「公共の場所からタバコをなくしていくという本来の趣旨から離れ、公費を投じて喫煙を推奨するインフラを維持・固定化することつながる恐れもあります。
禁煙エリアを拡大することと、喫煙を推奨することとなる公衆喫煙所を整備することは、矛盾があると考えますが、どうでしょうか。
山中市長:市第6号議案についてご質問をいただきました。禁煙エリアの拡大と喫煙所の整備は矛盾があるとのことですが、今回の条例改正は喫煙行為そのもの禁止するためではなく、喫煙者、非喫煙者双方が安心して快適な地域生活を送ることができる環境を整えるためのものです。そのため屋外の公共の場所では、喫煙しないというルールを新たに設けるとともに、分煙環境整備を市の責務に位置づけまして、喫煙所の整備も含め取り組みを進めてまいります。
子ども、青年たちが利用するスケートボード場を有料化するな
白井議員:市第7号議案は、横浜市公園条例の一部改正です。
本議案は、戸塚区で段階的にオープンしている舞岡八幡山しぜん公園に指定管理者制度を導入し、有料施設としてスケートボード場と市民菜園を設置し、スケボー場は1日上限400円、1日貸し切り上限3円万とするものです。現在、市内の公園にはスケボー場は4か所しかなく、本市の規模からすると、あまりにも整備が遅れています。やっと5か所目となる今回のスケボー場は、これまでの無料施設と違って有料となります。この料金は受益者にランニングコストの5割を負担してもらう考えで設定したと聞いています。公園の設置目的の趣旨からすると、公園というのは、本来、市民のものであり、だれもが無料で利用できる場であるはずです。スケボーをやるのは、多くは若者や子どもであり、お金のあるなしで利用を制限すべきではありません。
川崎市では、アーバンスポーツが身近でできるようにと、カワサキ文化公園という施設がオープンしています。バスケットボール3オン3、スケートボード、BMX、ダンスなどでき、プロ選手に接することもできます。施設内で開催されるスクールの利用は有料と聞いていますが、基本無料で利用できます。屋根付き広場、スケボーエリア、エアコン付きコンテナ、ダンス用のプレハブなど施設面でも工夫されていることを見てきました。オリンピック選手、プロ選手のすそ野を広げようとする考え方で、子ども・若者へアーバンスポーツができる環境を整備しているそうです。市外から転入してくる人もいると聞きました。
若者のアーバンスポーツでは他都市に後れをとっている横浜です。今回整備されるスケボー場で子ども・若者から料金を取る、来る人を制限するような有料施設では、他都市にますます遅れをとってしまいます。市内にやっと5か所目となるスケボー場であり、まだまだ公的に整備する必要性があるのですから、子ども・若者に料金を求めるべきではありません。見解を伺います。
山中市長:市第7号議案についてご質問をいただきました。スケートボード施設の利用に際し、受益者負担を求めるべきではないとのことですが、市民利用施設については内容に応じて管理コストの一部などを利用する皆様にご負担いただいております。当該スケートボード場は、初心者から上級者まで利用できる高水準の施設であり、利用者の安全を確保し適切な運営を行うことと、多くの方々が利用しやすい料金となることの両面を考慮して、上限額を設定いたしました。
物価高騰で市民の暮らしが厳しい中、市営バス料金値上げはすべきでない
白井議員:交第1号議案 横浜市乗合自動車乗車料条例の一部改正は、市営バスの運賃を現行の220円から240円に、上限運賃を270円に値上げするものです。
交通局として、運転手の確保に向けて、給与アップ、家賃補助など持続可能なバス事業とする手立てをとるためには、予算が必要となることは理解しますが、民間バスが運賃を値上げしている今だからこそ、公共交通として、値上げせずに市民の足を守ることが公の役割ではないでしょうか。
大阪府高槻市では物価高騰下における、利用者負担への価格転嫁軽減臨時交付金として、運賃据え置きのための1億1,600万円の市営バスへの補助支援をしています。昨年12月議会で事業局からの報告では「このタイミングでの運賃値上げは、適切でないと判断し、一般会計から2年間支援を受けることとする」と値上げを見送りました。
本市として、物価高騰で市民のくらしが厳しい中、バス運賃は値上げしない。そのために、一般会計からの補助支援を検討すべきと考えます。見解を伺います。
山中市長:交第1号議案についてご質問をいただきました。一般会計からの補助についてですが、公共交通の一翼を担うバス事業は、民営・公営を問わず料金収入で事業の費用を賄う独立財産による自主自立の経営が原則であります。物価高騰など厳しい経営環境が続く中、経営を持続するためには引き続き事業の効率化を進めるとともに、受益と負担の適正化を図る必要があると考えています。
横浜市に必要な公園は子どもから高齢者まで憩い、遊べる場
白井議員:最後は、市第14号議案 特定公園施設の取得についてです。
関内駅のそばにある大通り公園の一部の再整備・運営事業を「パークPFI」制度で行うもので、議案は、公募した民間事業者が整備する広場などの公共部分を13億円で取得し、事業者に30年間維持管理させるものです。
パークPFI制度は、公募により選定された事業者が公園内に飲食店・売店などの施設を設置し、その収益を活用して公園の整備や維持管理を行う制度です。
もともと緑や公共空間が少ない横浜の都市部で、公園は大切な公共空間であるため、本来、飲食店などの建物面積はできるだけ小さくすべきですが、カフェ等の収益で民間事業者に公園の整備や維持管理を任せる仕組みのため、より多くの収益を上げられるよう飲食店の面積を含めた利益確保を優先せざるを得ない性質になるのがPark-PFIです。
横浜市に必要なのは、子どもから高齢者まで憩い、遊べる場としての広々とした緑の公園であり、レストランをわざわざ整備する必要性は見出せません。しかも当該地域の周辺は飲食店が立ち並ぶ市内屈指の繁華街です。民業圧迫の懸念もあります
そもそも公園とは、お金のあるなしに関係なく、誰もが利用できる市民の憩い場所です。そのような大切な場を守り拡充していくことが公の役割なのではないでしょうか。
利益を優先する特定事業者に公共の場を提供するべきではないと考えます。見解を伺います。
山中市長:市第14号議案についてご質問をいただきました利益を優先する特定事業者に公共の場を提供すべきではないとのことですが、大通公園に民間事業者の資金とノウハウを生かしたカフェや売店などが新たに設置されることで、公園の魅力を高め、にぎわいを創出することができます。また事業者の収益を活用して、無料の休憩所やデッキテラス、遊具なども整備し、子どもから大人まで誰もが楽しく思い思いに過ごせる公園として生まれ変わる予定です。
以上白井議員のご質問にご答弁を申し上げました。




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