石油コンビナートの万全な防災対策を
日本共産党横浜市議団と横浜石油コンビナート研究会(大貫憲夫会長)は14日、根岸臨海地区の石油コンビナートを、市の消防局のご協力を得て、海上から視察しました。
3月の東日本大震災の際、京葉臨海地区で起きた液状化によってLPGタンクが倒れて爆発事故が起こりました。横浜市でも東日本大震災と同様な被害が生ずることが予想され、現有の消防力ではかなり切迫して厳しいことが、決算特別委員会における消防局長の答弁で明らかになっています。
国の報告書では、護岸から50㍍の範囲で地盤が液状化して海に向かって移動する「側方流動」が、東京湾で発生する可能性が指摘されています。横浜港でも側方流動が起きれば、石油タンクなどの施設が損傷する危険性があります。
横浜港には、根岸・京浜臨海地区あわせて751の屋外石油タンクがあり、そのうち浮屋根式のタンクが78基です。浮き屋根式タンクは、地震の揺れで屋根の上に石油が漏れ出る危険性があり、新しい耐震基準が定められています。しかし、横浜港で耐震化が必要な49基の浮屋根式石油タンクのうち、新基準に適合しているのはわずか11基で、22.4%に留まっています。
視察では、護岸近くに浮屋根式石油タンクをはじめさまざまな形のタンクや、精油所、火力発電所などが確認できました。
現在、市は、党市議団の求めに応じて、東日本大震災での被害状況アンケートを臨海部の特定事業者に対して行っています。
大貫憲夫団長は、「石油タンクの林立を目の当たりにして、とにかく防災が大事。これでは災害が発生したら、逃げるしかない。アンケート結果を参考にして、防災対策の強化を求めていきたい」と述べました。