7月29日、日本共産党横浜市議団は、横浜市教職員組合と横浜市の来年度予算にむけた懇談を行い、要望を受けました。同組合からは、三木マリ子書記長ら2人が出席し、党議員団から古谷やすひこ団長、白井まさ子副団長、みわ智恵美、宇佐美さやか、大和田あきお議員が出席しました。
組合から寄せられた主な要望項目は下記の通りです。
1.働き方改革 給特法改定関係
(1)時間外在校等時間平均30時間に縮減する改善計画を作成し、公表すること。
(2)持ち帰り残業を含めた勤務実態調査を行い、公表すること。
・時間外在校等時間月30時間上限を求められると、持ち帰り残業の増加が懸念されます。改善計画の効果を明らかにするために、持ち帰り残業を含めた正確な勤務実態調査を実施し、公表する必要があります。
(3)虚偽の出退勤打刻や時短ハラスメントが増えないように防止策を講じること。
(4)主務教諭を置かず、その手当は押しなべて全員に案分すること。
・主務教諭を新設すると、トップダウンの学校運営となり、集団的な協力協同の関係が阻害されます。
・主務教諭の新設は、横浜市が進める「共創による教職の魅力づくり」の方針に逆行するものです。
・主務教諭は「置くことができる」規定です。おかなくても問題はありません。
・外国籍教員が付くことのできない新たな「主務教諭」の新設は、差別を更に助長するものです。
(5)学級担任手当を新たに設けず、押しなべて全員に案分すること。
・「学級担任手当を新設すると、手当をもらっているのだからと担任に業務が集中し、法改正の趣旨である教職員の時間外在校等時間の削減、業務量の縮減に逆行する恐れがあります。
・学級担任手当は、横浜市が進めているチーム学年経営、チーム担任制に逆行するものです。同じチームで手当をもらう者と、もらわない者が生まれると、チームの協力協同関係が阻害されます。
・給特法の附帯決議では、義務手当の一律支給を認め、複数担任制をとっている場合も学級担任手当は支給が可能としています。学級担任手当を、個別支援学級担任、特別支援学校担任、通級指担当の学級担任に支給しないのは、特別支援教育の軽視の現れです。
(6)基礎定数の大幅改善を国に要すること。市独自に加配する予算措置をすること。
・単年度の加配ではなく、基礎定数の大幅改善が必要です。
(7)義務特手当を削減しないように国に要求すること。市独自に予算化して減らさないようにすること。
・学級担任手当新設のために、義務特手当を1.5%から1%に削減すると、数員のモチベーションの低下を招き、働き方改革に逆行します。
(8)「給料の調整額」を削減しないように国に要求すること。市独自に予算化して減額しないこと。
・「給料の調整額」を減額するのは特別支援教育の専門性の否定であり、日々専門性の向上に努めている特別支援学校教員の尊厳を傷つけるものです。
2.高校授業料を恒常的に無償化すること。
(1)2026年度から行われる高校授業料無償化に必要な高校生等臨時支援金は単年度措置であるため、恒常的な無償化に必要な財源を国に要求してください。無償化に伴い増加する事務処理がある場合は事務職員を加配してください。
3.教職員未配置を解消すること。
(1)教職員未配置をなくしてください。
(2)教職員希望者が増えるように、教職員の労働条件を改善してください。
4.高校初任者の異動2枚目原則中学校の撤回すること。
・2021年度以降に市立高校に採用された教員は、2校目の異動のときに原則中学校に異動になります。市数委は中高枠での募集、組織の活性化、人材育成、異校種間交流を理由としていますが、高校で勤務することを希望する者は、横浜市の教員採用試験を受けず、県立高校の採用試験を受ける傾向があります。また、正規採用されても私学や他都市を受けなおす人も出ています。
・この制度は、教員不足に更に拍車をかけるものです。
・中学と高校では、教育課程、教科指導、生徒指導、部活動指導も違い、慣れるまでに時間がかかります。異動する本人もそれを支える教員も負担が増え、モチベーションも低下します。
・市立高校は各学校で特色の維持に努め、様々な取り組みを行っています。高校数育に精通した若年層が2校目の高校で活躍できないことは、市立高校全体の魅力づくりにブレーキをかけるものです。
5.高校の老化した施設設備を改善すること
・高校授業料無償化で施設設備の劣る公立高校は選ばれなくなる不安があります。義務教育に比べて、後回しにされがちな高校についても至急施設設備を改修してください。
6.横浜商業高校別科 入試時期を改善すること。
・理美容専門学校は秋に入学が決まるのに対し、横浜商業高校別科は一般の高校入試と同じ3月に決まります。理美容専門学校が県内に複数新設され、生徒がそちらに流れ別科の定員割れが起こっています。授業料が安く、高い技術力を誇る別科を受験しやすくするため、秋試験を導入してください。
7.特別支援学校の過密化大規模化を解消し、施設設備を改善すること。
・横浜市の知的障害特別支援学校は児童生徒数が年々増加しており、既存校では更衣室やトイレが不足しています。特に洋式トイレの不足は深刻で、トイレ指導が進みません。早急に洋式トイレを増設するようお願いします。その他、既設校が特別支援学校の設置基準に示された施設・設備や面積基準などを満たすよう条件整備を行って下さい。
