2011年9月22日
横浜市長 林 文子 様
日本共産党横浜市会議員団
団長 大貫 憲夫
3・11東日本大震災を引き金に起こった福島原発の事故は、いまだ収束を迎えるというには程遠い状況です。そんな中、横浜市の学校給食にセシウムに汚染された稲藁を摂取した牛肉が市場を経由して提供されてしまいました。その後、放射能汚染された下水汚泥焼却灰が南本牧最終処分場に埋め立てされるという発表が突然出され、その後市民や港湾・漁業関係者からの猛反対を受け、「凍結」されました。さらに、港北区で見つかった極めて高濃度の「ホットスポット」(周辺より高い値の放射線量が測定された場所)が市民からの通報で見つかり、堆積物を撤去するということまで起こりました。
その全ての問題の大本の責任は、東京電力と国にあります。しかしながら、市民の不安を取り除くべき行政が、逆に不安を増幅させているのが、今の実態です。このような不安な思いをもった市民に対して、寄り添わない市の姿勢は問題です。
そこで、市の放射能対策について、特に緊急を要する下記の事項について要望します。
記
1.土壌のホットスポット対策について
(1)市民の通報を待つことなく、子どもたちがよく利用する施設(学校・保育園・幼稚園・公園・砂場など)の放射線量測定と撤去作業を、直ちに市として行うこと。
(2)ホットスポットについての情報を市民に周知すること。
(3)放射線量測定機器を十分に揃え、市民に貸し出すこと。
2.下水汚泥焼却灰の処理について
市中の最終処分施設で埋め立て処理をするのではなく、国が責任を持って、放射性物質を含んだ焼却灰の処理をするよう、国に強く求めること。
3.学校給食の放射線量測定
土壌汚染が明らかになった以上、あらためて現行の1食材ではなく、主要な全ての食材あるいは給食1食分の放射線量を測定すること。
4.「広報よこはま 震災対策特別号放射線特集」について
低レベル放射線被曝についての安全性は、専門家の中でも見解が分かれている問題です。その見解が分かれている問題に市が答えを出すようなことは誤りです。「広報よこはま」の震災対策特別号放射線特集第2弾を直ちに発行して、放射能と市民がどう向き合うか、正しい知識と情報を伝えるようにすること。
5.東京電力・国へ請求
本市が費やした放射能対策費用の全てを、市民の税金を使うことなく、東京電力と国に対して随時請求すること。請求額はその都度公表し、この問題についての責任の所在を広く社会に知らしめること。