2025年5月2日
下田 康晴 教育長
日本共産党横浜市会議員団
団長 古谷やすひこ
大阪・関西万博が開幕し、本市では、6つの中学校でこの4・5月に行く修学旅行のコースに入っている(6月以降は集計中)と聞いています。
開幕直前の4月6日、夢洲1区のグリーンワールド工区東トイレ付近で、電気通信設備の地下ピットのマンホールから、爆発濃度の5vol%(ボリュームパーセント)を超えるメタンガスが検知されました。この場所は昨年にメタンガス爆発事故があったエリアです。ここは、児童・生徒がバスを乗り降りする交通ターミナルや西エントランスや広場のあるエリアで、迂回することができず、必ず通らなければならないエリアです。万博会場内に83か所あるメタンガスを排出するガス抜き管の測定孔の一部が塞がれておらず、そこからも爆発濃度のメタンガスが検知されています。測定・検知し通報した守口市議は、当初会場スタッフに伝えても取り合ってもらえず、防災センターにも入れてもらえず、やむを得ず119番通報し、ようやく消防が駆けつけ対策をとりました。
これらは全て国会答弁で事実確認されています。万博協会は昨年3月の爆発事故後、対策をしてきたとされますが、いまだ不十分であることが明らかになりました。協会は6日以降、マンホールの換気対策や、モニタリングの強化を行ったとし、ガスの検出情報も発表していますが、「安全です」というだけで数値や計測した時間は示されていません。6日以降にも基準値を超えるメタンガスが検知された箇所があり、マンホールをグレーチングに替えるなど対応していると報道されていますが、対策は後追いと言わざるをえません。そもそも労働安全衛生法では、爆発濃度の3割である1.5vol%(ボリュームパーセント)で、労働者を退避させるとされています。夢洲ではメタンガスは1日2トン発生するとされ、一定して発生しているのではなく、局所的に短期間で濃度が上昇することもわかっています。またこれから気温が上がればさらに発生量が増えリスクが高まります。万博会場への火気持ち込みは完全には禁止されておらず、ライターも持ち込み可能です。キッチンカーなども営業しています。事故が起こらないとは到底言いきれません。派遣見送りを決める学校もあらわれています。本市でも、メタンガスに関する報道に触れた保護者が学校に相談したケースもありますが、まともに聞いてもらえなかった、報道も知らないようだったという声も届いています。
また他にも、熱中症を防ぐ日陰・休憩場所の不足、トイレの数の不足、会場アクセスが限られていることから緊急時の避難ルート確保の困難さ、事前で入館するパビリオンを決められないという学習効果が十分に得られないなど、課題は山積しています。
あらためて本市として児童・生徒の安全を第一に考え、以下の対応をとるよう申し入れます。
記
1.国会答弁でも明らかになっているメタンガス発生の問題について、各学校・教職員および児童・生徒・保護者に知らせること。
2.安全と言い切れない万博派遣の見送りを求めるとともに、行き先を変更した学校の支援を行うこと。
3.派遣を決行するとしても、安全を考え欠席を決めた児童・生徒には代替のプログラムを用意し、学びを保障するとともに、本人だけが辛い思いをしないようにすること。

