議会での質問・討論(詳細)
2023年3月2日

2023年度予算特別委員会■水道局(岩崎ひろし)3月2日(木)

○山本副委員長 質問の通告がありますので、順次これを許します。  まず、岩崎ひろし委員の質問を許します。
◆岩崎委員 どうぞよろしくお願いします。  委員長、スライド使用のお願いです。
○山本副委員長 はい。
◆岩崎委員 早速伺います。将来の横浜の水道システムについて伺っていきます。  スライドを見てください。(資料を表示)現在、神奈川県内水道システムについて様々な議論がされています。この議論について2つの問題を指摘したいと思います。一つは、水道事業の基幹施設の将来の在り方が市民の目の届かないところで決められようとしていることです。もう一つは、本市最大の小雀浄水場が廃止されようとしていることです。スライドを御覧ください。  まず、この神奈川県水道ビジョン改定の検討体制ということについて簡潔な説明、そして、局長も参加している5事業者水道事業連携推進会議の設置目的と法的位置づけについて伺います。
◎山岡水道局長 今お示しいただいておりますスライドの図は、神奈川県水道ビジョンの改定に当たり検討体制を示したものであり、都道府県水道ビジョンの作成に関する国からの通知を受け、令和3年に神奈川県が設置したものとなります。右側の神奈川県水道ビジョン検討会は、有識者や公募県民から意見を聴取し、ビジョンの改定に反映するものでございます。左側の神奈川県水道事業広域連携調整会議は、県内の水道事業者が市町村の区域を超えた多様な広域連携について総合的に調整し、合意形成を図るものとなっています。本市を含む県東部では、中央にお示しの5事業者水道事業連携推進会議で検討を行っています。  この神奈川県水道事業広域連携調整会議の設置目的と法的位置づけでございますが、5事業者水道事業連携推進会議は、将来にわたり安全で良質な水道水を安定して供給し、ライフラインとして市民の皆様に信頼される水道事業の実現に向けた連携協力について協議することを目的としています。平成22年に本市を含め神奈川県や川崎市、横須賀市、神奈川県内広域水道企業団の5事業者の合意に基づき設置したものであり、法的な位置づけはございません。


◆岩崎委員 5事業者水道事業連携推進会議は長ったらしいので、これからは会議と言います。法的位置づけがないということが分かりました。つまり、法的権限がないわけですから、会議の性格は意見交換会的なものと確認できました。この間、会議では小雀を含む3つの浄水場を廃止する方向で議論がされています。企業団議会がありますが、この議事録を見ることができました。私がこの会議の内容を議事録を見ることで少し知ることができたわけですが、これは我が党の井口真美川崎市議が企業団議会に今年度選出されたことによるものです。この議事録には、3つの浄水場の廃止の方向というのは5事業者水道事業連携推進会議で確認されていると記されています。つまり、決まったことにされているわけです。さらに問題なのは、この会議の中身を知ることができません。議事録が非公開だからです。これでは検証できません。市民の目が届かないところでと言ったのはこのことです。ですから、この会議の議事録をちゃんと公開しないと市民のチェックが入りません。このことを指摘しておきます。  小雀浄水場は横浜市水道局が所有するかけがえのない大事な施設です。企業団には各事業体を指導する権限はありません。勝手に廃止を決められては困ります。一方、当局は、水道・交通委員会で小雀浄水場の将来の方向性は検討している段階と報告しています。全く食い違っています。  そこで、伺います。県レベルの勝手な議論に本市が追随しているのではないですか、伺います。
◎山岡水道局長 本市は将来の水道システムについて主体的に検討しており、単独で実施可能なものについてはしっかりと取り組んでおります。その上で、広域連携したほうが効果的な課題については連携して進める考えとしております。5事業者水道事業連携推進会議では、他の事業体でも抱えている同様な課題について協力して解決できるよう議論を進めているところでございます。


◆岩崎委員 スライドを見てください。これは、先日の常任委員会で出た資料の中にある図です。小雀浄水場について、この資料の中では廃止も視野にと書いてあります。また、令和3年2月16日付の同じ常任委員会の資料では廃止に向けてと書かれています。  本市は小雀浄水場について廃止または廃止を視野にとすることをいつ、どこで決めましたか、伺います。
◎山岡水道局長 平成18年に策定いたしました横浜水道長期ビジョン・10か年プランでは、水需要の減少を見込み、小雀浄水場を将来的に縮小していく方向を示しています。その後、平成28年に改定した横浜水道長期ビジョンでは浄水場の統廃合を行うこととしておりまして、現行の横浜水道中期経営計画において小雀浄水場の縮小廃止の検討を進める方向性をお示ししております。


◆岩崎委員 確認なのですけれども、つまり、県のほうで議論されているように廃止ということが確認されていると言っているわけですけれども、そのようなことないですよね。まだ確認されていないということでいいですね。確認。
◎山岡水道局長 あくまでも廃止の方向性で検討しているという段階でございまして、この廃止に当たっては様々、いろいろなメリット、デメリットを整理しながら検討していきたいと考えております。


◆岩崎委員 立場をしっかり踏まえて、今後のことをやっていただきたいと思います。スライドを見てください。今厳しく言いましたけれども、ここからは褒めます。予算概要のコラムです。昨年度のコラムは神奈川県内の水道システム、今年度は横浜の水道システムと表題自体がなっています。次に、スライドです。直近の常任委員会資料です。小雀浄水場は、これまでの廃止から、赤線が引っ張ってありますが、1案、単独で更新、2案、廃止し企業団の浄水場や送水管等を整備、このように大幅に書き変わりました。これまでに比べ、5事業者水道事業連携推進会議の視点から横浜の視点に切り替わっています。本市が主体的に議論しようとしていることを評価し歓迎します。  このように書きぶりを変更した理由を伺います。
◎山岡水道局長 予算概要において、令和4年度は「神奈川県内の水道システム再構築に向けた検討」というタイトルで、県内の連携の取組を紹介する内容でした。令和5年度は「将来の横浜の水道システム」とし、横浜市内全体の取組を分かりやすい表現に工夫をしたものでございます。また、常任委員会資料で、小雀浄水場を単独更新する場合と廃止して企業団で施設整備する場合を記載したのは、比較検討する方法を分かりやすくしたもので、方向性を変更するものではございません。


◆岩崎委員 変更するものではないとおっしゃいましたけれども、内容は実際変わっているわけです。だから、これは答弁としてそう言わざるを得ないのでしょうから、独自の自主的な検討というのを、主体的な検討というのをしっかり進めていただきたいと思います。  副市長、突然ですけれども、これまで水道局長をやっていただいていたので、今の局長の答えられた市がしっかり自主的に、主体的に検討を進めていくというこの姿勢をきちんと確認しておいてほしいのですけれども、どうでしょうか。
◎大久保副市長 市が主体的に検討するという姿勢は、最初からその姿勢でございます。誤解をされたのであれば説明が足りなかったのかもしれませんけれども、あくまでも横浜市の市民にとってどういう姿が望ましいのかということは、もちろん横浜市の主体性で考えていくべき問題だと思っております。ただし、御承知のとおり、水需要が大幅に減少している中で、水道の施設、インフラは老朽化がどんどん進んでおります。この老朽化したインフラを再構築していく、あるいは手を入れていくためには莫大な予算が必要になってきます。これは横浜市に、神奈川県に限らず全国的にこうした問題がございます。そうした中で、より広域の連携を深めながら安定的な給水を続けていくためにどうしていくかということは、今、全国どこの自治体も同様に課題として抱え、検討を進めているところでございまして、神奈川県におきましても、横浜市、それから川崎市、横須賀市、神奈川県、この4者が連携してしっかりと考え方をまとめていこうということで今検討を進めております。ちなみに、企業団も神奈川県のものではなくて、横浜市はその企業団の構成員でございますので、その自治体、4者が連携して、どういう形がより望ましいかということを全体最適の視点で考えていこう。ただ、そのときに、もちろん横浜市民にとってのメリット、デメリットというものをしっかりと検証していこう、そういう考え方で進めております。


◆岩崎委員 今、局長、そして副市長から確認いただいた、そのこと自体、私は非常に大事なことだと思いますので、引き続き頑張ってやっていただきたいと思います。ただ、私が問題にしたいのは、県レベルのよく分からない会議体がかなり勝手に議論しているわけです。そして、企業団議会で確認されていると言っているように、もう廃止ということで決めてかかっているわけです。だから、こういう食い違いを見逃さないでほしいのです。それは違うのだと、横浜市は横浜市でやるのだということをちゃんと主張しないといけないと思うのです。(「そうだ」と呼ぶ者あり)だから、そこをぜひ今の確認でしっかりやっていただくことをお願いしておきたいと思います。  続いて、小雀浄水場の在り方について伺います。  このスライドは、小雀浄水場の全景を写したものです。(資料を表示)まず、災害対応です。浄水場など基幹施設はリスク分散の観点が重要です。今ある施設は大切に使用し、小雀を含め施設は維持するのが基本だと思います。  見解を伺います。
◎鈴木担当理事兼水道技術管理者 災害対応の考え方の一つとして施設の分散配置もありますが、災害時に給水が止まらないように、施設の耐震化やバックアップを確保する視点も重要と考えています。浄水場などの配置や規模については、将来の水需要の動向やコスト、災害への対応力、さらには環境への負荷など様々な視点から総合的に判断していくべきものと考えています。


◆岩崎委員 では、次は水利権です。仮に小雀浄水場を廃止すると、寒川での水利権を失います。水利権は一度失うと再び確保するのが大変難しいというか、ほぼ不可能に近いでしょう。だから、これを失うことの深刻度は大変なものだと思います。  この水利権を失う浄水場廃止は簡単に結論を出すべきではないと思いますが、見解を伺います。
◎山岡水道局長 水利権は、水源開発に多額の投資を行い確保してきた経緯がございます。したがいまして、仮に小雀浄水場を廃止した場合に未利用となる水利権については、廃止後の安定給水のために有効活用することを考えています。市民の皆様への給水を最優先に引き続き検討を進め、慎重に判断をしてまいりたいと考えております。


◆岩崎委員 次です。仮に小雀浄水場を廃止した場合、企業団を活用するようですが、企業団の飯泉取水堰から西長沢浄水場までの高低差は100メートルです。一方、寒川取水堰から小雀浄水場までの高低差は50メートルです。  小雀浄水場を廃止して水の供給を企業団に振り替えるとしても県全体で見ればコストダウンや環境負荷軽減にはならないのではないですか、これを伺います。
◎山岡水道局長 小雀浄水場を廃止し企業団を活用したとしましても、同じ相模川の上流での取水を増やすことを考えています。このため企業団の飯泉取水堰からの取水を増やすということは考えておりません。小雀浄水場の廃止については、エネルギーの観点も含め給水の安定性や施設整備のコストなどを考慮して総合的に検討してまいります。


◆岩崎委員 2月10日の常任委員会の資料では、小雀に関して、1、単独で更新という表現が下線にあるように、これに注目しました。単独更新の検討を表明したことは大事だと考えます。更新といっても、今のまま存続でなくダウンサイジングして存続もありと私は考えます。  トータルでの丁寧な議論が必要と考えます。小雀浄水場の将来の方向性について、廃止等の前提を置かず、改めて横浜市として本格的な議論が必要ではないかと思いますが、どうでしょうか。
◎山岡水道局長 小雀浄水場を含む県内水道システムの再構築については、これまでも水道・交通委員会で検討の進捗に応じて適宜御報告をしており、その中で小雀浄水場を廃止することも含めて検討する旨を説明してまいりました。今後、小雀浄水場がつくられた経緯や役割を含め、更新する場合と廃止する場合のメリット、デメリットを分かりやすく整理した上で、どちらが最適となるか総合的に判断し、市会に報告してまいります。また、本市の将来の水道システムについては、令和5年度中に方向性を取りまとめていきたいと考えております。


◆岩崎委員 しっかりやっていただきたいと思います。  最後です。料金滞納世帯への対応についてです。  我が党は、水道料金滞納世帯への対応は滞納の要因を把握し実態に合った形で行うようにと要望してきました。これまでは、解決困難な場合は区の生活支援課への案内チラシをお渡し、つまり案内のチラシを渡すだけということでした。このたび改善が図られたと聞いています。  どのような対応なのか、伺います。
◎佐藤給水サービス担当部長 料金の支払いが困難なお客様に対しては、支払いの相談の際に区の生活支援課を御案内するチラシをお渡しし、必要に応じて支援の内容を紹介しております。支援を受けるかどうかについては本人の判断になりますけれども、区役所に出向くことが困難な状況にある方については本人の御了解をいただいた上で水道局から生活支援課等に連絡を取るなど、状況に応じた対応をしております。


◆岩崎委員 この改善は評価したいと思います。ただチラシを渡すだけではなくて、本人の了解の下、直接水道局が生活支援課に連絡を取って何とかしなさいということを連絡するということですから、これは大変大きな一歩です。  時間がありませんので終わります。ありがとうございました。


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