議会での質問・討論(詳細)
2023年3月2日

2023年度予算特別委員会■政策局(あらき由美子)3月2日(木)

○藤崎委員長 質問の通告がありますので、順次これを許します。  まず、荒木由美子委員の質問を許します。
◆荒木委員 日本共産党を代表して質問いたします。  まず、横浜市中期計画2022~2025に掲げた基本戦略の推進について伺ってまいります。  基本戦略「子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ」の推進に向けて政策局が新年度、令和5年度予算で取り組む内容について伺います。
◎鈴木政策局長 各局における新規施策の立案をリードするために、子育てやまちづくりなど局横断的な分野の深堀りなど、引き続き必要な調査分析等を行ってまいります。あわせて、政策局の所管業務といたしまして、居住促進のための動画作成等のシティープロモーションの拡充や介護デジタルハッカソンの子ども・子育て分野への拡大など、基本戦略の推進に向けて取組を行ってまいります。


◆荒木委員 注目したいのは、若い世代に横浜で子育てしたい、横浜に住み続けたいと思ってもらえる施策の立案です。これを実現するために20代、30代を対象にしたニーズ調査をする必要があると思いますが、いかがでしょうか。
◎鈴木政策局長 令和4年度、今年度に主に20代、30代を対象といたしまして、転出入者の動向調査と子育て世帯のニーズ調査を実施いたしました。その結果、居住選択におきましては家賃・住宅価格を重視する傾向が、また、子育て世帯では良質な学校教育や希望する保育所等への入所のニーズが高いことを把握し、令和5年度予算に一部反映したところでございます。今後も、必要に応じまして子育て世代のニーズをしっかり把握してまいります。


◆荒木委員 昨年12月に日本財団が行った17歳から19歳までの1000人を対象に行ったアンケートで、将来子供を持ちたいという回答は59%、その回答した人に子供を持つ上での障壁を複数回答で聞いたところ、金銭的な負担が69%と最も多く、仕事との両立が54%となっていました。まさに、この世代の人たちが将来子供を持ちたいという考えを持ってもらうためにどういう施策が必要かを把握し、それに見合った施策を市として考えていくことは重要だと考えます。  そこで、市長の公約に掲げていた第二子以降の保育料の負担軽減、新たな図書館の整備等に向けても子育て支援策として必要な調査となると思いますが、進めていく考えがあるかどうか、伺います。
◎鈴木政策局長 令和5年度予算案では、小児医療費助成をはじめといたしまして、子育て世代の負担を軽減する施策の充実を図らせていただきました。今後も、御指摘の保育料や図書館に限らず、子育て世帯をはじめ多くの人に選ばれる都市となるよう、横浜市中期計画2022~2025を踏まえまして必要な施策を検討してまいります。


◆荒木委員 人口減少は全国的な課題であり、本市が人口減少の要因を把握、分析すれば本市の施策立案につながるだけではなく、国に対して課題解決に向けた取組を提言できると考えます。一例を挙げれば、日本学生支援機構の調査では、奨学金を受給している学生は1990年度には21.8%が2020年度には49.6%と2人に一人が利用し増えています。この奨学金の返済が負担になって将来子供は絶対に持ていないと考えている25歳の女性の声がテレビで紹介されていました。また、四年生の男子学生は財源がないことは承知しているが、子供は国の将来に直接関わると思うので未来に投資するために少子化対策にもっとお金を使ってほしい、漠然とした不安があるので大きなインパクトのある大学の学費無償化などがあれば前向きになれるのではないか。三学年の女子学生からは、子供を産んでも仕事を諦めなくていいような働き方の工夫が必要といった声が紹介されていました。市内には29大学あり連携を取れることから、このような学生にターゲットを絞った調査をすることも考えられます。  基礎自治体として最大の人口を抱える本市が人口減少の要因を様々な角度から調査分析し、その結果を基に国に対し提案していくことは大きな意義があると思いますが、見解を伺います。
◎鈴木政策局長 令和5年度に政策局が行う調査に加えまして、各局においても例えば出産費や放課後施策、地域交通など様々調査を実施いたしますので、その結果を踏まえまして、令和6年度以降の全市的な新規施策の立案につなげてまいります。その中で、全国で一律的に実施すべきものや他都市への波及効果が高い施策など国が積極的に取り組む施策があれば国に必要な要望、提案を行ってまいります。


◆荒木委員 また一例を紹介します。日本の少子化の大きな要因となっているのは、先ほど学生の声もあったように、世界でも突出している高学費です。経済協力開発機構OECD、28カ国が加盟している2019年統計によれば、日本の教育への公的支出は加盟国中下から2番目、平均の4.1%より低い2.8%、私は本当に恥ずべき事態だと思っています。こういう点についても、やはり今の高い教育費、奨学金など返済が苦しいという声は横浜市としても把握できると思うのです。  この点、改めて調査が必要だと思うのですけれども、局長、いかがでしょうか。
◎鈴木政策局長 御指摘の点も踏まえ、様々な生活環境に苦しむ方々もいることは承知しております。そういう意味で、各局が今回の横浜市中期計画2022~2025を踏まえて様々な調査を来年度、再来年度と実施してまいりますので、その結果も十分に踏まえながら必要な施策を検討してまいります。


◆荒木委員 伊地知副市長、やはり横浜市は大都市で基礎自治体として一番大きな自治体ですよね。特にやはり10代のときから、こうやって負担が重くて子育てができないという声は見事に出ているわけです。  だからこそ、横浜市が率先してニーズ調査をきちんとするというのは大変意義があると思うのです。この点、いかがでしょうか。
◎伊地知副市長 子育ての負担が大きい、子供を持ちたくないという世代がZ世代と言われているところに非常に増えているという状況については、様々な機会に耳にすることが多くなってきたと思っています。大学に行く人だけがということでもありませんので、若い人たちが希望を持って子育てができる環境をどうつくるかということは必要なことだろうと思っていますので、そういう意味で、先ほども政策局長がお答えしましたような様々な調査を通じて、そういう世代の人たちが新しく子供を持って育てていただくということが我々にとっても目指すべきところだと思っております。


◆荒木委員 そういう点で、市長が子育て支援策を打ち出したのは私は本当に意義があると思いますから、今回の予算編成でもその結果がどうなっていくのかも見守っていきたいと思っていますし、子育て支援策を充実させていただきたいと思います。この横浜市中期計画2022~2025の基本戦略を進めるために新設する財源確保推進課の体制も重要だと思います。  どうなっているのでしょうか。
◎齊藤政策部長 政策部に財源確保推進課長以下、現在のところ合計6名の体制を予定してございます。


◆荒木委員 6名という体制があまりに貧弱だと思うのですけれども、副市長、いかがですか。
◎伊地知副市長 実際に最終的にどういう体制になるか、どういう人がつくかにもよるかと思いますけれども、小さく育てて、成果が出てくればそれに基づいて人を増やしていくというのがやはり原則かと思っています。


◆荒木委員 体制をしっかり取らないと。やはり大都市横浜は総合計で3兆円規模の予算があるわけですよね。ここはもう少し考えていただきたいと思います。歳入を増やすためにも生産年齢人口を増やすことが重要です。  明石市の実例は参考になると思いますが、見解を伺います。
◎鈴木政策局長 横浜市と明石市では人口規模等が大きく異なります。また、住まいを選ぶ際には交通利便性や住宅価格など様々な要素が関係しておりますので、明石市の取組を単純に当てはめることはできないと考えております。しかしながら、他都市の取組の中には本市にとって参考になるものもあると思いますので、今後もそういった把握に努めまして、施策検討の際に活用してまいりたいと思います。


◆荒木委員 歳入を増やす努力をこれからしなければいけないというわけですから、明石市では子育て支援策を充実させることで、数年で生産年齢人口が増えて税収が増えるという結果が出てきました。やはり本市もそれは参考になると思いますから、少なくとも他都市への流入を止めることも併せて考えていただいて、この点は参考にすべき例だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎鈴木政策局長 子育て施策の充実にかなりウエートを高めて取り組んでいる都市で一定の成果があるということは承知しております。一方で、本市は総合力で都市の魅力をこれまで高めてきておりますし、その方向性は今後も必要だと思っておりますので、改めて、参考になるところはしっかり学ばせていただき、今後の施策展開に生かしてまいりたいと思います。


◆荒木委員 明石市の実例はホームページ等でも見られると思います。明石市としては、市民サービス向上のために予算をシフトしたと。民生費、市民の生活関連を大幅に増やし343億円から591億円、一方で、土木費、公共事業などをほぼ半減させたということで捻出しています。ですから、やはりそこをどう考えていくかは、まさにこれからの予算の組み方だと思うのです。そこで、税収増に向けては企業誘致も必要なのですけれども、この間、本会議でも申し上げたとおり、内部留保をため込める大企業に多額の助成をする意味を私たちはないと考えています。その財源こそ子育て支援のために優先するほうが効果が大きいと考えます。  副市長の見解を伺います。
◎伊地知副市長 子育て世代への直接支援をはじめとして、経済活性化やまちづくりなど総合的に取り組むことが市民生活の質とか都市の活力の向上に好循環を生み出して、税収増にもつながると考えています。先日のリクルートの調査の首都圏の住みたい街ランキングというものもありましたけれども、その中で重視されていたのは働く、遊ぶ、買物をする、特に魅力的な働く場とか企業があることみたいなことも言われています。やはりまちを選んでいただくには、施策だけではなくてそのまちの持っている魅力というのを高めていくことも必要だと思っていますので、総合的なところというのはどうしても外せないかと思っています。


◆荒木委員 この企業立地促進でどうなったかというのは経済局の政策なのですけれども、経済局から出された資料を見ても、では、経済波及効果はどうだったのかという資料があるのです。誘致した企業からの発注額及び発注率、これも何度か議会でもお示ししていますが、過去5年間のデータをいただきました。市内企業への発注額で見ると7.3%、直近、令和3年度、準市内企業を足しても10%前後です。ということは、経済波及効果から見ると、これは全然寄与していないなと、少ないなと思います。逆に、雇用は確かに増えているという例もありました。だけれども、それだけ横浜市が助成して、ほとんどの発注は市外に9割も行っているということからすると、果たして効果があったのかどうかというのはやはりきちんと検証すべきだと思います。  副市長、いかがですか。
◎伊地知副市長 企業誘致の効果というのは、今委員おっしゃったような市内企業にどのくらい発注しているかということも当然一つの指標だと思いますし、先ほど委員が触れられた雇用の問題もありますし、企業が立地するに当たってどのくらいの投資をしたのかという、固定資産税としてどういうお金が入ってくるのかということも必要だと思います。それらのことを総合的に考えて、我々も企業立地促進条例の対象にするためには、例えば、税収を回収するのに何年かかりますかとか、そういうことをチェックしながら進めておりますので、委員のおっしゃっている部分もきちんと考えながら今後も進めてまいりたいと考えております。


◆荒木委員 企業側からすればお土産があるのはありがたいと思います。現金で助成してもらえる。だけれども、それを捻出するために、一方で、本来、中小企業予算を増やさなければいけないのを削ったり、あるいは子育て支援策、もっとやるべきことがあるのにまだそっちに行かないとか、今回申し上げたとおり国民健康保険料負担軽減させなければいけないのに、むしろ、そこから一般財源を削るとかということはあってはならないと思いますから、ぜひそういう点でも今の企業立地促進条例が果たしてふさわしいのかどうか。それから、もう一点言わせていただければ、外資系の企業には本当に出す必要があるのか、ここもチェックは必要だと思います。助成をする以上、やはりその費用対効果だけではなくて横浜市にどれだけ貢献しているかということをきちんと見るべきだと思います。そういう点では見直しの時期に来ていると思いますから、ここは厳しくここではお伝えしておきます。  次に、男女共同参画の推進についてです。  横浜市男女共同参画センター3館の運営目的について伺います。
◎松山男女共同参画担当理事 横浜市では、横浜市男女共同参画推進条例において男女共同参画センターを施策推進の拠点施設として位置づけております。センターでは、性別に関わりなく全ての人が人権を尊重しつつ責任を分かち合い、その個性と能力を十分に発揮し、あらゆる分野に対等に参画できる男女共同参画社会を目指して施策を実施するとともに市民等の取組を支援しています。


◆荒木委員 統一協会の問題です。男女共同参画センターの運営目的とは相入れない考え方を持っていて、二世の方たちがいまだにその被害で苦しんでいる実態が明らかになっています。まさに、人権の問題では大変なことをやっていた団体だというのはもう明らかになっています。本市の調査により、平成29年度から令和4年度までで男女共同参画センターにおいて13回の利用があったという報告を受けています。  今後統一協会の関連団体等が男女共同参画センターを利用するとなった場合の対応について伺います。
◎松山男女共同参画担当理事 男女共同参画センターは公の施設であるため、条件に合致していれば、どなたでもお使いいただくことができます。現在、申込みをされる際に宗教の勧誘等を目的とした利用はできないことなど、利用条件の説明や利用目的の確認を徹底しているほか、館内掲示による注意喚起も行っています。ルールに反する利用のおそれがある場合には、利用目的を改めて確認し、適正に施設が利用されるよう徹底してまいります。


◆荒木委員 そこは厳密にお願いしたいと思います。次に、新年度予算案にある社会情勢の変化に応じた男女共同参画施策を推進するためのニーズ等調査の実施の考え方及び調査の内容について伺います。
◎松山男女共同参画担当理事 コロナ禍を経て、デジタル化の進展や暮らし・働き方の多様化など社会情勢は大きく変化しています。こうした中、改めて男女共同参画に関するニーズ等を把握し施策展開に生かしていくため実施いたします。調査に当たっては、市民、NPO、大学、企業等様々な主体から施策に対する認知度、満足度、課題、ニーズなどを多世代にわたり幅広く吸い上げて、今後の政策推進につなげてまいります。


◆荒木委員 これまでに、コロナ禍における女性支援のために生理用品の配付や食料支援をはじめ就労相談や生活相談、そして避難所における性被害などをなくすための啓発や取組など、センターの職員が中心になって取り組んでいただいていることは大いに評価しています。また、その対応も本当に早くて、利用されている方たちの声というのは、なかなか女性のそういう声が届かない中で親身に対応していただいているというのでありがたいと思っています。刻々と社会情勢は変化していますけれども、日本において男女共同参画、ジェンダー平等という考え方は進んではきていますけれども、では、理解が進んでいるかというとまだまだ遅れていると思います。これは日本のジェンダー指数を見れば一目瞭然なのですけれども、このことに対する課題認識について伺います。
◎鈴木政策局長 一般的には、社会保障制度などの各種制度、男女間の賃金格差を生む労働慣行、さらには固定的な性別役割分担意識、こういった要素が日本におけるジェンダー平等の推進を阻んでいると言われております。本市におきましても共通する課題もあると認識しておりますので、引き続き、男女共同参画センターともしっかり連携して必要な施策を推進してまいります。


◆荒木委員 多様な性を認めることについても国会審議が思うように進んでいません。横浜はパートナーシップ制度をいち早くつくり、少しずつジェンダーへの取組を前に進めてきています。  ジェンダー問題の理解促進に向けて企業やNPO等多様な主体と連携して取り組んだ令和4年度実績及び令和5年度のさらなる取組について伺います。
◎松山男女共同参画担当理事 令和4年度は、幅広い世代を対象にNPO等と連携し、オンライントークやすごろくゲーム等のワークショップを7回実施し、ジェンダー平等への理解を深めました。また、今月、ライオン株式会社様と連携し男性の家事参画推進に向けたオンラインセミナーを開催いたします。令和5年度は、ワークショップの取組を拡充することで、ジェンダー平等への理解が市民により一層広がるよう推進してまいります。


◆荒木委員 基礎自治体として一番大きな横浜市が率先してジェンダー平等の施策に取り組んでいること、それから、市職員の管理職や審議会委員に女性を登用する目標を掲げています。ただ、これもまだまだ100%に到達していません。それを一日も早く実現するために、今日の政策局はまだ女性の管理職員がたくさんいらっしゃいますけれども、ほかの局になると途端に黒のスーツだらけで男性しかいないというアンバランスは私は一日も早くなくしてほしいと思いますし、やはりそこで女性の働き方改革を男性も一緒に進めていっていただきたいということを申し上げて質問を終わります。


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