議会での質問・討論(詳細)
2023年2月24日

2023年度予算特別委員会 ■文化観光局(岩崎ひろし)2月24日(金)

◆岩崎委員 よろしくお願いします。  委員長、まず、スライドの使用許可をお願いします。
○行田副委員長 どうぞ。
◆岩崎委員 それでは、順次伺っていきますが、まず、横浜市の文化政策について伺います。  局の再編により、文化観光局としての最後の審査になります。改めて局設置の時点を振り返って、本市の文化政策について伺います。  文化観光局の責務は、文化の振興と観光の2つをつなぎ合わせることと定義されています。そこで、私は、2018年から2023年までの6年分、事業概要の中にある予算編成の考え方を読んでみました。そうすると、この文化の振興の視点がほぼ読み取れません。目先の、今も紹介がありましたけれども、人を呼び込むためのきらきらした企画、こういうところには非常に重きが置かれているのだけれども、それはそれで結構なのですけれども、文化の振興というこの点が後景に置かれているように読みました。そこで、今度はにぎわいスポーツ文化局となるわけですから、これを機に横浜らしい文化の振興、これが図られるように期待して、順次伺います。  まず1つは、文化の振興、つまり横浜ならではの文化施策を局としてはどう考えておられるのか、この点をお答えください。
◎神部文化観光局長 横浜には、開港以前からの歴史や戦前から続く市民の皆様の文化活動の蓄積などがあって、それらが横浜の多様な文化を形成してきたと認識しております。文化観光局では、こうしたこれまでの蓄積を踏まえまして、局発足以来、市民の皆様の文化活動の支援と環境整備、文化芸術創造都市によるまちづくり、こうしたものを柱に施策を推進してきておりまして、こうした施策が横浜ならではの文化施策であると考えております。


◆岩崎委員 では次に、横浜の歴史、これをどう捉えるかについて伺います。  2018年予算特別委員会で私は、横浜らしさといろいろ書いているのだけれども横浜らしさとは何かと聞きました。これに答えて、横浜の開港以来の施設、まち並みが横浜らしさそのものですと、こういう答えがありました。しかし、この答えは、横浜の歴史の一断面しか見ていないと思います。横浜の歴史はもっと広く深いものだと捉える必要があると思います。開港以来という狭いところではないと思うのです。横浜の歴史は、縄文、弥生という古代を含めて、各時代区分を経て現在につながっているわけです。実際、市内には、遺跡、史跡など豊富な歴史資産があります。歴史を広く深く捉えて、この横浜らしさ、軽く扱わないで、しっかりその点を踏まえて定義していく必要があるのではないかということで、さきに紹介した2018年のときの答弁、答弁ではなくて一定の定義だと思うのです。これをしっかり考えて定義づけてほしいなと思うのですが、横浜の歴史を踏まえた、その横浜らしさだとか、横浜ならではの文化政策、これについての認識を伺います。
◎神部文化観光局長 横浜には、美しい港や開港以来の歴史を感じさせるまち並みに加えまして、先ほどちょっと御答弁でもありましたけれども、例えば鎌倉殿にゆかりの史跡や地域に引き継がれる伝統文化、開港以前の歴史を伝える貴重な文化財など市全域に優れた資源があると考えております。また、市民の皆様のまちへの愛着の強さ、それから新しい文化を受け入れる気風というのも横浜の特性かなと考えております。歴史のあるものをしっかりと守って活用しながら、文化芸術の創造性を生かした新しい価値を生み出して国内外へ発信していく都市力、こうしたものが歴史を踏まえた横浜らしさであり、横浜らしさを生かした文化政策だと考えております。


◆岩崎委員 ありがとうございます。ただ、今お答えいただいて、そういうことで引き続き頑張ってほしいのですけれども、実は2018年の質疑したときもおおよそ同じような答弁をいただきました。それで、私、振り返ったのですよ。そうすると、やはり言葉自体がもうなくなってしまっているわけです。文化の振興という非常に大事な要素がもう入っていないわけです。これは非常にまずいと思うのです。答弁だけにしないで、実際にそれが局の活動としてきちんと記録されるように、予算概要なんかでもその視点をきちんと、短くてもいいから入れるというふうにしていかなければ、ここで質疑してもあまり意味がなくなってしまうわけです。この点、ちゃんとそういう点で一つ一つ答弁した内容は次につながっていくように、これも一つ文化ですから、この点ちゃんとやるのかどうか、きちんと答えておいてください。
◎神部文化観光局長 文化観光局におきましては、今回の令和5年度の予算編成の中でも4つ柱を立てておりますけれども、そのうちの一つが市民の皆様の文化芸術活動の支援と環境整備、それから文化芸術創造都市におけるまちのにぎわい創出ということで位置づけております。各施策におきまして、例えば先ほどの鎌倉殿を生かした郊外部の観光振興、そういったことにも取り組んできておりますし、旧長浜検疫所を生かした野口英世ゆかりの施設も当局所管の施設でございます。しっかりと施策に考え方が反映できるように努めてまいります。


◆岩崎委員 ぜひ期待しますので、よろしくお願いします。  では次に、三溪園と三溪園保勝会について伺います。  スライドを見てください。(資料を表示)これはどなたも御存じの三溪園の全景を見たような写真です。これは案内図です。これは説明は要らないと思います。私は、三溪園というのは、歴史的建築物のコレクション庭園と私なりに理解をしています。建てられた時代も、それから建てられた場所も異なる歴史的建築物が1か所に集積するという、これは全国に例を見ない、大変珍しい観光スポットなのです。実は私は宮大工の棟梁の息子で、子供の頃から親父の手伝いで宮大工をやっていました。神社仏閣の修繕や改修、この仕事をやってきたわけです。そんなこともあって、趣味と勉強を兼ねて全国に30基国宝の塔があるのですが、これを何回も巡っています。そんなこともあって、三溪園というのは特別の視点で見ています。ですから、何度も訪れています。非常に貴重な場所でありますので、これからも横浜市としてしっかり保存していってほしいし、よりよいものにしていってもらいたいなと思っています。  そこで伺いますが、この貴重な文化財である三溪園、これです。私なりにコレクションと言いましたけれども、もう少し専門的に、その特質、価値、こういうものを答えてください。
◎神部文化観光局長 三溪園は国の名勝にも指定された日本庭園でありまして、委員御指摘のとおり、京都や鎌倉などから移築された重要文化財の古建築などを有することが特徴でありまして、横浜の貴重な和の文化観光資源であると考えております。また、コロナ前には来園者の1割以上を外国人の方が占めておりまして、外国人観光客からも人気が高い観光施設でございます。引き続き、文化財としてしっかりと維持管理をしながら観光施設としての魅力を一層向上させる必要があると認識をしております。


◆岩崎委員 三溪園は、戦火に見舞われたこともあり、戦後しばらくはお化け屋敷と皆さんから言われるほど荒れ果て、存亡の危機にありました。そうしたときに、市に寄贈の申出があり、先人の知恵と工夫で三溪園保勝会設立など様々な取組があって復興しました。そして今日を迎えています。  そこで、三溪園保勝会の設立の経緯とその意義について伺います。
◎神部文化観光局長 戦災によって大きな被害を受けた三溪園を原家から譲り受け、大規模修繕やその財源確保を行い、観光資源として活用していくためには外郭団体による管理運営が効率的、弾力的であるということで昭和28年に設立に至っております。また、当時の理事会ですが、理事長を市長、理事に正副議長、横浜商工会議所会頭などが務めていただいておりまして、オール横浜で三溪園を保存活用するんだということで財団法人三溪園保勝会を組織したところでございます。


◆岩崎委員 ありがとうございます。国の重要文化財が10棟、それから市の指定有形文化財が3棟など、これらの維持管理、保存に関わる三溪園保勝会の事業計画と予算措置、これはどのようになっているか。保勝会に任せているという状態なわけですよね。そういう点でしっかりバックアップする体制が保障されているのかどうか、ここをちょっとお答えください。
◎神部文化観光局長 重要文化財につきましては、文化庁の認定もいただきまして三溪園保勝会は計画を立てておりまして、国、県の補助もいただきながら三溪園の計画に合わせて、市としてしっかりと予算措置を行っているところでございます。また、市指定有形文化財につきましても、保勝会の負担が過大にならないように、保勝会の作成する事業計画に合わせましてしっかりと予算を確保しております。今後も保勝会による持続可能な三溪園の維持保全をしっかりと市として支えてまいります。


◆岩崎委員 三溪園の維持管理、保全活用については、本来、国や本市が直接責任を持つべきだと思うのですが、市が直接責任を負う方法でなく保勝会に委ねている理由及び今後の在り方を伺います。
◎神部文化観光局長 保勝会は、先ほど御答弁申し上げましたとおり、昭和28年、オール横浜で保存活用していくということで財団法人が設立されたところでございます。保勝会につきましては、財団が成立して70年を迎えておりますが、この間園内の古建築を適切に維持管理するとともに様々な企業や団体と連携いたしまして積極的な活用を図ってきております。社会経済情勢の変化や多様化する市民ニーズにも財団としてしっかりと対応してまいりました。本市施策とも連携を図りながら、今後も引き続き、保勝会による維持管理や活用について市としてしっかりと支援をしてまいります。


◆岩崎委員 最後に、これは大久保副市長に聞きます。三溪園をはじめ市内に数多くある歴史的資産、これを適切に維持管理、保全活用する上で、現在の市の所管部局は、教育委員会、都市整備局、文化観光局など分散的になっていると私は思っています。市は歴史的資産の維持管理、保全活用に向けて総合的、包括的な体制をはっきりさせるべきだと思いますが、お考えを伺います。
◎大久保副市長 歴史的資産の維持管理、保存活用につきましては、文化財の保護という点では教育委員会事務局が中心的な役割を担いまして、またその活用ですとか活性化、そうしたことについては関係局が連携して取り組んでいるところでございます。例えば文化観光局の所管施設である旧第一銀行横浜支店、すぐ近くにございますが旧関東財務局のTHE BAYS、こうしたものについても都市整備局、そして教育委員会事務局と文化観光局が連携してというよりも一緒に歴史的な資産として保存しながら活用してまいりました。今後も歴史的資産の総合的な保存活用に向けましては、施設の所管局をはじめといたしまして、関係局がより一層連携して取り組んでいく必要があると考えております。


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