12月20日(金)、日本共産党横浜市会議員団(5人)は港北区にある横浜市立北綱島特別支援学校に伺いました。
同校は、重度の肢体不自由児が通う小・中・高の学校で、肢体不自由の子どもたちにきめ細かい教育を保障できる大切な学び舎です。現在の在籍数は84人で6割が医療的ケアが必要な生徒です。
年々、同校へのニーズ高まる一方で狭隘化が進む学校現場を視察。坂本征之校長、教育委員会特別支援教育担当の金井国明課長ら2人が対応してくださいました。
坂本校長先生と懇談
キャパオーバーによる受け入れ困難の課題はある。来年の入学予定は小一児童が6人、近年の中では少ない方だ。限りある中で、スペース作りをやりくりしている。優先順位はとにかく子どもたち。この校長室も三度も部屋の場所チェンジをしていますと話す坂本校長さん。心配なことは、子どもたちの卒業後のこと。早めの進路相談、受け入れの候補先に先生と生徒が一緒に体験訪問することもある。一緒に考えることが大事。また、現役生徒でも下校後は放課後デイサービスに向かうことも多い。成長と共に一人でも大丈夫になるとはいかないので、むしろ大人になるにつれて受け入れ先の選択肢が減る現状に難しさを感じている。働きに出たくとも、子ども一人には出来ないという両親の声は切実だ。
校長室に張られている、子どもたちの声。圧倒的に、「給食が楽しみ!美味しい!」との感想が多く微笑ましく読ませてもらいました。咀嚼が困難な子も食べられる工夫・改良を続けているとのこと。
「先生も友達もやさしい、楽しいハッピー」と子どもたちの素直な気持ちが響きます。このメッセージを読むと、モチベーションがあがるんです(笑)と坂本校長さんもにっこり。
校内を見学
施設一番上の屋上は解放感があり、ちょっとした植栽や、水遊びも出来るスペースになっています。晴れた日には富士山がくっきりと見えます。見学中には、歩行訓練中の生徒さんもいらっしゃいました。
クリスマスが近いこともあって、学校内の手作り装飾や先生のサンタコスプレが見られました。
広いホールでは、車いすの渋滞にならないように順番に入っていきます。車いすなしの子も、様子を見守っていました。
車いすや装具の使い心地を調整している間にも、子どもたちの成長は早いので体型が変わることもあって、経験則も求められます。
教室と教室の間にあるトイレは、広さは変えられないけれど、使いやすいようにと一昨年に改良されました。
赤いカーテンの奥から「校長先生の声がする」「いるわけないじゃん!」と笑い声が聞こえてきました。
メイン照明を消して、ダウンライトの中でのんびりする“リラックスタイム”中のクラスさんとのこと。
図書室では、お母さんと先生が付き添いで絵本を読んでいる生徒さんがいらっしゃいました。
屋上での歩行訓練、図書室での絵本読書。
子ども達のペースで過ごせる空間づくりは、本当に大切だと感じます。
プールまでのちょっとした階段横にもエレベーターが新設されました。
目が離せないのは通常時もですが、プール遊びはやはり沢山の配慮が必要になります。
子どもたちが、大喜びするのでコロナ以降、減っていた回数を増やしてあげたいとのこと。
毎日の登下校も安全を守る大変な務め。中型のおむかえバスが5台ローテーションで入って来ます。停車出来るのは3台まで。介護度によって車内の作りは変わっています。
重度の生徒用のための支援車両は、隣の小学校の校庭を利用。下校時間をずらして、スムーズな移動を確保しています。
視察を終えて
校内からは、多くの学びを得られる※PT、OT、STとの連携が望まれています。年に数回ではなく、常時いてくれたら…学校にとって、どんなに心強いことでしょう。党市議団は、現場のお困りごとを引き続き聞き取り、予算のスポットがあたるように努めます!
※PT、OT、STは、リハビリテーションの専門職である理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の略称です。いずれも国家資格を有しており、医療や福祉の現場で活躍しています。
関連資料:学校要覧「えがお」令和6年度版