日本共産党横浜市議団(5人)は19日、新教育長に就任した下田康晴氏に、教育長就任にあたり「いじめ」「不登校」「教員の未配置」等の重大問題の早期解決を進めるよう求める申し入れを行いました。下田教育長ら4人が対応しました。
申し入れ書では、中学校のいじめ自死問題については、市教育委員会が自ら決めた「いじめ防止推進基本方針」に自らが従わなかったという問題が明らかになり、いじめの事実を故意に見えなくした事態はあまりに深刻だと指摘。徹底した再調査を行い、関係者に厳正な処分を行うよう求めました。また、市内の不登校の児童生徒が8170人に上るが、いじめを原因とした不登校は1人だけとなっていることは現場の実態とあまりに乖離していると指摘。事実を正確につかめる調査を行うよう要望しました。
教員の未配置問題の解消については、年度はじめに「欠員状態」からスタートする状況を改めることが解決の糸口になると主張し、はじめから必要数を採用することを求めました。
他にも、教育委員会の機能・機構を改革し、現場を支えられる存在になること、子どもたち誰もが安心して学べる教育環境の整備と、包括的性教育の推進、開かれた教科書採択にすること、教育の独立性を貫く姿勢を堅持することなど求めました。中学校給食については、半数以上の学校で実施可能になっている学校調理方式を軸にしたものに見直しを行うことを要望しました。
下田教育長は、申し入れの内容に違和感はなく、細かい点で全て一致とはならないものもあるが、当然、やっていかなければならないことだと思っている。横浜市は、市立の小中学校合わせて26万人の児童生徒がいて、500の学校がある。この巨大な組織でどうガバナンスをとっていくのかは難しさがある。しかし、教育委員会の職員も学校の先生も「子どものために」と情熱を持って働いている。その1人ひとりの力が出せるよう支援するのが大きな役割だと思っている。市会の皆さんとも力を合わせていきたいと述べました。
古谷やすひこ団長は、教育現場がとてつもなく大変な状況にある。それをどう解決するか。私達としても一緒に考え力をあわせていきたいと強調。児童生徒の悩みに寄りそうSSWの配置は素晴らしいが、予約が一杯で対応が3か月先の状況も。こういう求められているところに予算と人員を配置できるよう提案をしていきたいと述べました。
申し入れの全文はこちらです。