市内企業発注で地域活性化を
日本共産党横浜市議団は25日、横浜建設業協会と2012年度の予算要望について懇談しました。
横浜建設業協会の工藤次郎会長は、同協会が東日本大震災の発生後、市との防災協定に基づいて市内公共施設や危険だと思われる場所の点検などを行うとともに、被災地に支援に行ったことを紹介。「義務を果たして権利を主張していく」として、「市内企業の活性化のために、中小企業振興基本条例に基づいて、(市内中小企業の振興を)すすめてほしい」と述べました。
協会の要望は、市内中小振興施策の策定および効果的な実施、大規模地震に備えた安全なまちづくりの推進、市内企業の活用による事業の推進、道路整備の促進、公共工事の入札・契約制度の改善など7項目です。
地元業者を活用した大規模地震対策を
協会の日下部和夫建築委員長は、「いつ起きてもおかしくない首都圏大規模地震に備えた対策を」として、公共施設や橋梁の耐震化をさらに進めるとともに、急傾斜地の崩壊防止対策などを地元のことがよくわかっている地元の業者に発注するようにしてほしいと述べました。
経営が続けられる入札制度に改善を
渡邉一郎環境問題委員長は、低入札が横行し、落札しても非常に厳しい状況にあることや、施工技術はあるのに入札参加条件が厳しくて市内中小事業者が参入できない事例の実態を述べ、入札・契約制度の改善を求めました。
専門家の目でアドバイスを
あらき由美子議員は、耐震性が問題になっている中区の富士見中学校の例をあげ、「市には建築の専門家がいない。専門家の目でみてどうなのか、建て替え以外の方法はないのかなど、協会の方からも市をプッシュしてほしい」と要望。
また、入札制度や発注方法が問題で生じた不具合例を具体的に教えていただき、問題解決に向けて、様々な機会を通じて議会で取り上げていきたいと述べました。
PFI反対で一致
懇談では、南区役所の移転・建て替えでPFI方式(民間資金を利用して民間に施設整備と公共サービスの提供をゆだねる手法)が検討されていることが話題になりました。工藤会長は、「PFIには反対。地元業者は参入できない。ファイナンス会社が喜ぶだけだ」と指摘。間瀬安之副会長も、「瀬谷区役所の建て替えをPFIでやったが、地元業者は一切関係しなかった」と批判しました。
大貫憲夫党市議団団長は、中小企業振興基本条例の制定が力になり、PFI方式を見直す流れがでていることを紹介し、PFI方式の反対に向けて「ぜひ一緒にやっていきたい」と応じました。