2011年6月3日
横浜市長 林 文子 様
日本共産党横浜市議団
団 長 大貫 憲夫
市民局の報告によれば、把握している大震災による市内への避難者数としては、全国避難者情報システムに基づく申請件数が5月27日現在585人となっています。福島県から490人、宮城県から71人、岩手県から20人、茨城県から4人となっており、福島第一原発事故による避難が多くなっています。市内での宿泊先は、たきがしら会館、野島青少年研修センター、市営ひかりが丘団地、県営住宅、UR団地等公的住宅に加え、民間賃貸住宅や親戚・知人宅となっています。
市営住宅入居中のある家族は、「津波で家が流され、原発事故による避難指示のため、一時避難所となっていた小学校や親戚宅を転々と宿泊していたところ、市営住宅の募集を知り、5か所目でたどり着いた」そうです。また、ハローワークで求職中の単身入居の方からは、「自分はどの制度に該当するのか分かりにくい」「家電などの必需品を揃えたところ手持ちの生活費が減り不安だ」と聞いています。
被災者支援について、他自治体では避難者支援の条例を制定したり、見舞金を支給するところもあります。また、横浜市民から放射線について不安の声を受け、測定を拡げた事など評価できますが、市の取り組みは、避難者支援も市民不安の解消についてもまだまだ不十分です。
そこで、次の項目について申し入れるものです。
記
1.生活支援について
市営住宅の提供と水道下水道基本料金減免に留まることなく、避難者に照準をあてた生活支援制度を新設すること。例えば、見舞金・交通無料パス・生活必需品等の支給、健康診断や市の各種施設利用の無料化、市営ひかりが丘団地における入居期間(6か月)の延長、エアコンなど冷房機器設置・網戸・カーテンの取り付け等とともに、県営住宅やUR団地等公的住宅についても、国・県に同様の支援を行うよう働きかけること。
2.就労支援について
県のふるさと雇用再生特別基金・緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用し、求職者を市が直接雇用すること。
市独自の職業紹介事業「ジョブマッチングよこはま」での被災者就労支援施策を、インターネット以外の方法でも周知を図ること。
今後、住居の提供を行う場合には、千葉県成田市が行っているように、住居と仕事をセットで提供することも検討すること。
3.電気料金の無料化
原発事故による避難者への電気料金無料化を、事故原因者である東京電力に要請するよう国に申し入れるとともに、市としても東京電力に直接申し入れること。
4.戸別に制度説明を
医療機関での窓口負担の免除、公営・公的住宅での被災3県からの避難者へ日本赤十字社よりの家電6点セット(洗濯機、冷蔵庫など)支給、電気・ガス料金の支払期限猶予など支援制度の周知については、実施者任せでなく、市として責任を持つこと。
市が行う現行・拡充・新設の支援制度について分かりやすい説明書を作り、全国避難者情報システムや小中学校などで把握している名簿宛に郵送し、各区役所から戸別訪問を行い、説明し、生活資金の相談などにも応じること。
5.災害救助法適用を
災害救助法が適用されている東京都などでは、避難している被災者への支援に関わって国費が入る条件がありますが、神奈川県には適用されていません。災害救助法の適用を県とともに、国へ働きかけること。
6.義援金の弾力活用を
市に寄せられた義援金を、当座の生活資金の提供も含め、市内避難者支援にも充てられるよう、弾力的に活用すること。
7.放射線問題への対処を
地表近くの大気や給食食材についても放射線量の測定が始まります。基準以上の放射線量が測定された場合の対処方法を策定し、市民に公表すること。また、今回設置される放射線問題に全庁的に対応する「放射線対策部」において、基準以上の放射線量が測定された場合の対処に実効性を持たせること。
市長から回答が来ました。こちらをごらんください。
以上