2023第3回定例会(9/5~10/19)で、自衛隊への名簿提供問題に動きがありました。来年度から市民からの除外申請を受け付けることになり、市民への告知もされることになりました。しかし名簿提供は続けられます。
引き続き問題点を明らかにし、名簿提供そのものをストップできるよう力を入れていきます。市民局審査での議論の様子をお知らせします。
【10/10 市民局審査 古谷やすひこ党市議団団長】
日本共産党の申し入れについて
古谷議員:今年の5月に本市は18歳と22歳の市民の住所・氏名の個人情報をタックシールに印刷までして自衛隊に提供しました。本人から提供しないでほしいと申し出られても、除外する法律がないから受け付けられないという対応でした。しかもこの事態について市民には全く知らせていません。
これに対して私は口頭での抗議、そして二度の当局とのレクチャー、6月27日には市長宛に党市議団として①名簿の提供をやめること、②除外申請を認めること、③市民にお知らせをすることの3点を申し入れました。申し入れた内容についてどうなったのか伺います。
市民局長:来年の自衛隊の募集にあたっては、もともとこれは法令に基づいて行っていますが、個人情報の意識の高まりがあるので、そういったことから、除外を希望する方の除外申請を受け付けて、それ以外の方の宛名ラベルを提供することとしていきたいと考えています。
共産党の方からいただいている内容につきまして、情報提供を行わないということにつきましては、法令に基づいて行っていることですので、今後も提供をさせていただく予定としてます。
市民への周知はどうするのか
古谷議員:市民へのお知らせはどうなったのでしょうか。
市民局長:除外申請を受け付けて行きますので、その中であわせて周知も計ってまいります。
なぜ除外申請を認めなかったのか
古谷議員:申入れをした内容について2点は改善されるということですが、名簿の提供は引き続き行うということですが、そもそも個人情報の本人が利用停止を請求できる権利というのは必ずあるはずです。そのことについて、その権利も認めなかったという過去のことについて、いかがでしょうか。
市民局長:今回先ほども申し上げたとおり、法令に基づいて実施をしておりまして、総務省・防衛省からの通知にあたりましても、住民基本台帳の写しを提供することについては、差し支えないというふうに伺っていますし、それを除外すべきという法令もないので、今までは対応していました。
古谷議員:はい、そのことが、何か法令が変わったのでしょうか。
市民局長:特に法令が変わったわけではありませんけれども、今年度に入って、ご承知のとおりコンビニの誤交付問題ですとか、今回の件もですね、かなり市民局の所管側にも、ご意見を、昨年までと違っ て、いただくようにもなりまして、個人情報が高まっているということで我々も認識いたしました。その上で、自衛隊神奈川地方協力本部の方にも調整を図ったところ、同様の見解であるということで、除外申請を来年からは受け付けていきたいというふうに至ったものです。
個人情報の取り扱いは国相手だと変わるのか
古谷議員:対応が変わったということはわかりましたが、局長、これ一般的に伺いますが、住民の住所や氏名は、市町村が管理する住民基本台帳に記載された住民の個人情報だと思います。そうである以上、その管理は住民基本台帳法に基づくものであり、個人情報保護条例に基づいて厳格に取り扱われるべき必要があると思います。それは相手が国であっても同じだと思いますが、国が相手だと対応が変わるのかどうか伺います。
市民局長:提供した情報の提供につきましては、自衛隊法97条、施行例120条に基づいて実施をしております。先ほども申し上げましたけれども令和3年2月に防衛省及び総務省の連名の通知で、これらの規定の募集に関し必要な資料として、住民規法内庁の一部の写しを用いることに関しては、住民基本台帳法も特段の問題を生じるものではないということの見解が示されております。そのため、横浜市としては、令和3年度から宛名ラベルによる提供を行っております。
古谷議員:もともと自衛隊の募集のために収集されたものではない住民の住所・氏名を外部に提供するためにするには、先ほどから局長おっしゃられたとおり法令に具体的な根拠がなければできないはずです。
この間の当局とのやり取りの中では、法令受託事務として自衛隊の募集に関する事務だから、タックシールは提供したんだと言われますが、募集に関する事務だとして、タックシールで住民の個人情報を提供するという拡大解釈、住民基本台帳法11条1項に違反していると思いますが、いかがでしょうか。
市民局長:先ほども申し上げたとおり、通知において差し支えないというふうになっておりますので、我々としては違反しているというふうに考えておりませんけれども、申し上げたとおり、個人情報の意識の高まりで、来年度からきちんと除外申請を受け付けていきますので、そういったことでご理解いただければと思います。
古谷議員:法定受託事務には、募集に関する事務だということしか記されていないはずです。
今回、自衛隊の市民への住所・氏名の提供について、公益上の必要性があるということを感じるのでしょうか。
市民局長:先ほどから申し上げているとおり、通知に基づいて、地方協力会の方からの要請、調整に基づいて対応しております。
古谷議員:このことは非常に特殊な事例で、法令にも違反していると私は思います。市民の個人情報の提供は違法だと思います。奈良県では当事者が裁判を起こしているということも聞いております。
市は市民の大切な個人情報を守る立場なのか、それとも国の言いなりとなって、市民の個人情報を国に流してしまうという立場なのか、一体どちらの立場なのか伺います。
市民局長:我々といたしましては、法定受託事務であることと、個人情報の意識の高まりを受けて、除外希望者の申請は、次の申込みの段階から申請を受け付けていくということで対応してまいりますので、ご理解いただきたいと思います。
古谷議員:私がこの質問をするにあたって防衛省にもレクを受けに行きました。国もあくまでも任意だと言っています。タックシールの提供は、やめるべきだということを述べて終わります。
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です。