議会での質問・討論(詳細)
2022年3月3日

消防局 【古谷やすひこ】3月3日(木)

◆古谷委員 日本共産党、古谷靖彦です。党を代表して消防局に質問させていただきます。昨今の感染状況からマスクをつけたままの質問を私はさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員長、スライドの許可をお願いいたします。
○行田副委員長 どうぞ。
◆古谷委員 まず、救急隊員などへの感染防止策について伺ってまいります。
 特に救急消毒室の未設置の問題です。この問題は私が指摘をさせていただいたのは5年前の2015年の決算審査のときからでございます。救急消毒室が未設置の署所について整備を進めるべきであるということは、本当に毎年のように質問を繰り返してまいりました。
 ちょっとごめんなさい。最初から通告外で恐縮ですが、救急消毒室とはどんな施設なのか、まず伺います。
◎松原消防局長 消毒室につきましては、委員がずっと御心配をいただいているとおり、救急隊員の活動上の感染を防止する、また救急隊員からの傷病者の皆様への感染を防止する、そういったことの基本的な施設と考えております。
◆古谷委員 こういう基本的な施設がなかなか設置がされてない状況がずっと続いてきたというのは、本当に今のこのコロナ禍を踏まえてでも改めて改善がやはり必要だったのではないかなと思っております。この質問を繰り返してきたのですが、しかしながらなかなかこの問題も進展しなくて、署所の建て替え時に設置を進めるであるとか、あるいはそれまでの間、救急消毒室を設置している署所へ移動して消毒を行うであるとか、回答はいただきました。しかし、鶴見区のように6つ署所があるうち1か所しか救急消毒室がないというところについては、移動して消毒をするということは現実的には多分あり得ないと思います。ここでスライドを御覧ください。(資料を表示)すみません、小さいのでイメージで結構です。現在も横浜市の消防署所のうち、6割以上の署所が救急消毒室が未設置になっております。このコロナ禍の中で本当に大問題だと思っております。しかし、今回の予算案の中で71の署所のうち45か所が救急消毒室未設置、これについてその全てに洗浄消毒施設をつけるという予算を計上されたことで、これは本当に歓迎したいと思います。
 そこで、なぜこういう判断をされたのか、伺います。
◎松原消防局長 今年度、消毒室未設置の消防署、出張所を対象にして、洗浄消毒設備の設置可否につきましてしっかりと調査をいたしました。この結果として、全て署所で設置できることなどが確認できた中で感染防止対策の早期の強化が必要と考えましたので、令和4年度に一斉に整備することといたしました。
◆古谷委員 では次に、スライドを御覧ください。救急消毒室と今回設置される洗浄消毒設備の違いが資料で出されたのですが、端的に言って何が違うのでしょうか。
◎安江救急部長 こちらのスライドにもあるとおりなのですけれども、救急消毒室には個別に区画された約30平米の室内に洗浄作業に必要なシンクや給湯設備、自動手指洗浄消毒器などのほか、資器材保管庫も設置し、感染防止等に必要な機能を集約しております。一方で、洗浄消毒設備は屋外も含めた限られた空きスペースを活用し、感染防止対策で最も必要な洗浄を行うためのシンクや給湯設備を設置することとしております。
◆古谷委員 私も洗浄消毒設備が設置された鶴見の本署のほうに伺わせていただいたのですが、本当に正直立派な施設だなと思いました。ストレッチャーなど直接患者さんが触れたところを全て洗える、丸ごと洗えるというシンクはなかなかないと思うのですけれども、そういう設備が全ての署所に設置がされるというのは本当に歓迎したいと思います。
 このことによって今までどんな不都合があったものがどう改善が図られるのか、改めて伺います。
◎松原消防局長 消毒室等が未配置の消防署所においては、救急活動で資器材が汚染された場合については、協力を依頼している医療機関や近隣の消毒室がある消防署、出張所、または庁舎の洗面所等で洗浄を行っていました。洗浄消毒設備を今回整備することで、専用のスペースで資器材の洗浄を行うことで、より効率的でかつ確実な感染防止対策を図られると考えております。
◆古谷委員 ぜひしっかり整備していただきたいと思いますし、今後やはりさらなる改善をぜひ求めたいと思います。
 次の質問に移ります。次に、横浜市の消防力の整備指針について伺ってまいります。
 現在、横浜市の救急自動車は83台ということですが、来年度1台増やして84台、今後もう1台増やして85台までの体制を整えると聞いております。横浜市の消防力の整備指針は国基準に比べて高いものだと聞いておりますが、本市の消防力の整備指針はどんな考え方の下で国基準よりも高いものにしているのか、伺います。
◎平中副局長兼総務部長 横浜市消防力の整備指針に基づく救急自動車の配備台数は、本市の総人口を基準に算定した78台に、高齢者の人口や救急搬送件数などを勘案した7台を加算して85台としております。
◆古谷委員 本市の消防力整備指針は国よりも基準が高い。要は実態に合わせた数にされていると理解しておりますが、本市と横浜市立大学の共同研究の成果の下で出されていると聞いていますし、この共同研究は継続して行われていると聞いていますが、なぜ継続して共同研究が今も行われているのか、まず伺います。
◎松原消防局長 まず、共同研究を行った経過というか背景でございますけれども、増加を続ける救急需要に的確に対応するためには、過去の膨大な救急統計データを基に将来予測を行うことが大切であると考えました。そうした中で、データサイエンスの手法を用いて、救急搬送記録に加えて、市内の将来人口推計や流入人口、インバウンド、気象の影響等を考慮しながら、より詳細な分析を行うことができる横浜市立大学と当時協定を結びまして共同研究を始めました。また、この研究は今後も非常に重要な施策の基になると考えていますので、継続しております。
◆古谷委員 この研究は今の山中市長が現職の教授だったときに行われていると聞いておりますし、引き続きしっかり実態に合わせた整備を進めていただきたいと思います。
 次に、消防団について伺います。
 昨晩も春の火災予防活動に参加してきたばかりなのですが、先ほども出たのですけれども、改めて現在の本市の消防団の団員の充足率は他都市と比べてどうなのか、政令市と比べてどうなのか、そこら辺のところを少し伺います。
◎平中副局長兼総務部長 令和4年3月1日現在、実員数は8048名で、定員8305名に対する充足率は約96.9%となっております。団員数は全国的に減少傾向にございますが、大阪市を除く政令指定都市と東京、合わせて計20都市の充足率の平均は同じく令和4年3月1日現在約86%となっており、本市消防団は一番高い充足率を維持しております。
◆古谷委員 次に、スライドを御覧ください。(資料を表示)自営業者さんが主体になっている以前の消防団員からサラリーマン団員が主体になっている。62.8%が被雇用者であるという状況が見て取れます。こうなると、これらの就業形態の実態に合わせて活動スタイルも変えていかなければならない、工夫していかなければならないと思います。平日の日中に勤務されている方が日中に参集が難しいということは容易に想像ができると思います。それを様々な事情、今までの経過でこれを強要すれば、消防団員への加入が忌避される原因にもなりかねないと思っております。
 雇われている方でも安心して消防団に加入して活動できるようにどんな工夫がされているのか、伺います。
◎松原消防局長 訓練や研修、また会議等、事前の計画段階から、より多くの消防団員が参加しやすい時間帯や曜日を設定したり、実施時間の短縮や訓練の分散化を図るなど、それぞれの消防団の実情に応じて様々な工夫をしながら実施しています。また、令和2年度からは自宅等からホームページ上で研修を受講できる環境も整備しました。今後も、参加しやすい環境の整備に向け、消防団員等の意見をしっかりと伺いながら検討を重ねてまいります。
◆古谷委員 今の話は実は、特に団長レベルの方々は非常に行事が多いです。その中で、日中に呼び出しが多いとなると本当にサラリーマンの方が団長になることが難しくなります。そうすると団長のなり手がいなくなると。非常に負の循環になるなと思っていますので、ぜひ改善を図っていただきたいと思います。
 最後に、消防訓練センター施設の改修について伺います。
 昨年、消防訓練センターは隅から隅まで視察をさせていただきました。老朽化が激しく、なかなか補修がされてない現状を目の当たりにしてきました。それをやはり至急改善を図るようにということを求めてまいりました。その後改善が図られたと伺ったので、今回再度視察をさせていただきました。スライドを御覧ください。(資料を表示)これはちょっと暗いので見づらいですけれども、訓練センターの寮の部屋の改修が行われたり、屋内の訓練場の物すごい大きなしみが出ていたものを改修したという中身であったり、あるいは水難救助訓練場を全面的に塗り直して改修したということで、ここは本当にびっくりするぐらい、見違えるぐらい変わったということになりました。それを見ると、プールサイドもこういう形で、前は何て言うのですか--もう一つ見ると、こういうテントも全くなかったものが全て改修がされたということになりました。フェンスなども全て切り替わったということで、新しい施設に生まれ変わったかのように本当に変わったなというふうに改めてびっくりしました。水難救助訓練の潜水塔もちょっと入るのをためらうようなところだったのですが、それも全て私が見に伺ったときは水が入ってない状況で、本当に塗り直した状況のところを見させていただいたのですけれども、こういう形で非常に変わってきたということになります。
 今回の改修工事を終えての改めて所感を伺います。
◎松原消防局長 委員が今写真で御披露というか御説明いただきましたように、今年度は主に水難救助訓練施設--屋外のプールになりますけれども、改修工事を行い、全面塗装やフェンスの軽量化など安全性や機能性の向上を図っております。消防訓練センターを適正に維持管理していくことは消防職員や消防団員の知識、技術の向上や新たな人材確保などにつながるものですので、今後ともより教育環境の整備に努めていきたいと考えております。
◆古谷委員 ありがとうございます。横浜市の消防に入られる職員さんが初めて入る施設がこの施設になるわけであります。ですから、本当に横浜市として恥じないというか、立派な施設にぜひ維持できるようにお願いしたいと思いますが、今後さらに抜本的な改善を図るための基本計画はこれから策定されると聞いていますけれども、そこではこの訓練センターにどんな機能を付加していくのか、改めて伺います。
◎松原消防局長 複雑多様化する災害や大規模な自然災害に的確に対応するため、基本計画では、テロ災害をはじめ大規模火災、土砂災害など様々な災害を想定した訓練施設の機能についてしっかりと検討してまいります。
◆古谷委員 ぜひ全国に先駆けた施設であったこの消防訓練センターがさらに全国に誇れる施設になるように整備をお願いしたいというところなのですが、少し時間があるので通告外で恐縮ですけれども、名取消防訓練センター所長はこの3月で退官だと聞いていますが、残る職員に対しての思いをぜひ語っていただければと思います。
◎名取消防訓練センター所長 私も38年前にこの消防学校に入りまして、また、今この消防学校で勤めさせていただいていると。これは本当に全ての消防職員、またはここで訓練をさせていただきます消防団員の皆様方に何かできないかということで、今年1年間仕事に邁進してまいりました。今年最後になりますけれども、これからもぜひ消防職員、それから消防団員が市民の皆様の安全安心にしっかりと努められるよう、これからも施設整備、それから機能強化も図っていきたいというふうに私は考えております。
 以上です。
◆古谷委員 すみません。ありがとうございます。重ね重ね、横浜消防が全国に誇れる施設を持ち、さらに現場の職員さんの負担を軽減するような施策にぜひ取り組んでいただきたいと思います。


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