議会での質問・討論(詳細)
2022年3月4日

国際局 【みわ智恵美】3月4日(金)

◆みわ委員 日本共産党、みわ智恵美です。党を代表し質問いたします。よろしくお願いいたします。
 委員長、スライドを使用します。お願いします。
○高橋[の]副委員長 許可します。
◆みわ委員 2月24日、山中市長は、ロシアがウクライナ侵攻に乗り出したことを受け、いち早く対話での解決を呼びかけ、姉妹都市オデッサに対してできることはしていきたいと述べられました。市長の平和への強い姿勢を実感しました。侵略を遂行するロシアは、事もあろうに核兵器で世界を脅しています。絶対悪である核兵器の使用を示唆することは、現代の人類社会として到底許されるものではありません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)戦争被爆国の市民として怒りを込めて抗議します。(「そうだ」と呼ぶ者あり)被爆者の皆さんが粘り強く二度と自分たちのような被爆者をつくらないでほしいと運動を広げ、その願いに応えた世界の市民や国等が連帯し2017年7月に国連で122か国の承認で核兵器禁止条約が採択され、昨年1月22日に条約は発効しました。
 そこでまず、核兵器禁止条約の意味をどのように認識されているのか、改めて伺います。
◎橋本国際局長 核兵器は、あらゆる生命に取り返しのつかない壊滅的、非人道的、さらには非可逆的な影響を及ぼすものだと考えております。国際平和に対する深刻な脅威であります。一方で、世界には依然として多くの核兵器がございますので、その廃絶は容易ではないということです。委員から今ありましたように、核兵器の使用は懸念として本当にある中において、この禁止条約は核兵器の開発、保有、使用、あるいは使用の威嚇を含むあらゆる活動を例外なく禁止しておりまして、核兵器の根絶を目指す国際的なしっかりとした法的な枠組みが立ち上がって、これから前進していくのだと考えております。
◆みわ委員 本当に、発効した核兵器禁止条約は、まさに日本の国是であります非核三原則の精神を世界規模での条約にしたものと思います。ところで、この中で唯一の被爆国として、その実相を伝え、廃絶を訴える責務を有するはずの日本がいまだ署名、批准していないことは大いに問題です。(「そうだ」と呼ぶ者あり)横浜市議会としては、2021年3月に日本国政府に対して、核兵器禁止条約発効を契機とし核兵器のない世界の実現に向けて主導的役割を果たすことを求める決議を行っています。これまでに2度議会は決議を行い、核兵器廃絶に向けた態度を明らかにしています。スライドを御覧ください。(資料を表示)核兵器廃絶平和都市宣言を行っている自治体のうち、ほんの一部からですが、写真をお借りしたものを御紹介します。こちらは富士市のモニュメントと時計台です。富士市では、市庁舎前をはじめとして3か所に宣言塔等を設置されています。次は、平塚市からお借りしましたが、宣言塔と、次が市庁舎前の懸垂幕です。次は、川崎市が建立しております核兵器廃絶平和都市宣言記念碑、川崎市には平和館もあります。横浜市は、これらの都市と同様にアジア太平洋戦争でアメリカ軍の爆撃を受け、都市部が焼け野原にされ、貴い人命が奪われた悲惨な戦争の歴史を刻んでおります。そして、自治体としての世界平和への取組が評価され、国連からピースメッセンジャー都市の称号を受けています。横浜市として、核兵器廃絶平和都市宣言を行うことやモニュメントを設置することなど必要ではないでしょうか。富士市は人口約25万人、平塚市は約26万人です。
 この規模で言えば各区の区役所に設置されてもいいくらいだと考えますが、見解を伺います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)
◎橋本国際局長 核兵器の廃絶に向けて大切なのは、やはり市民の方々一人一人の中に被爆の実相を含めた知識と平和に対する強い思い、理解を深めることだと考えております。平和を希求する心を育てていくことが大切だと考えておりまして、その中で、モニュメントという発信形式もあるのかと思いました。本市は、これまでも市民啓発に取り組んできております。また、国際局のフェイスブックにおいてメッセージを発信しております。これからも引き続き、あらゆる核実験への抗議や啓発を通じた核兵器廃絶に向けた取組を進めてまいります。
◆みわ委員 副市長に伺いますけれども、モニュメントなどを検討していいと思いますけれども、1946年、国際連合の第1号決議は核軍縮を国連の最優先目標であると確認しました。核兵器は1発の使用で1つの都市の市民の命と暮らしを丸ごと奪うものです。国任せにすることなく平和首長会議の一員として核兵器廃絶に向けてどのように具体的に取り組んでいくのか、改めて伺います。
◎林副市長 これまでも、御指摘の世界の都市が連携して核兵器廃絶を目指す平和首長会議の一員として、広島市や長崎市と連携しながら活動しております。広島、長崎とともに1987年にピースメッセンジャー都市として選ばれてきたことは我々も重く受け止めておりまして、平和首長会議の一員として引き続き核兵器廃絶を含めた国際平和の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◆みわ委員 核兵器は本当に絶対悪なのです。どこでも絶対持ってはいけないと、核には核というような本当に危険な議論も見えておりますけれども、本当に持ってはいけない、使ってはいけないということを圧倒的に広げていくことが必要だと思います。市民に見える形で世界にアピールできるように、ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。
 この3月1日から、受入れ責任者の管理の下、観光目的以外の外国人の新規入国が認められるようになり、商用、就労などの目的の3か月以下の短期滞在者に加え、技能実習生や留学生などの長期滞在者も適正な手続を行えば入国できるということです。
 さて、これまで留学生や技能実習生の苛酷な労働実態が暴かれた事例がありました。また、出入国管理事務所の収容施設で外国人が亡くなった事件、子供さんが既に中学生で日本語しか話せないような長く日本で暮らしてきた家族で父親だけが出国を迫られたりするなど、国内で在留資格などに起因した深刻な事態が発生していますが、このような事態に対する所感を伺います。
◎橋本国際局長 在留資格に起因して極めて深刻な事例に至っているケースもあり、そうした報道が出るたびに、私も中身をしっかりと見るとともに、心を痛めております。実は、私個人のことになってしまうのですが、23年米国に滞在しておりまして、その中で子育てをする中で、差別的な言動、あるいは在留資格に関する問題に私自身直面してきておりまして、そういう意味では非常にシンパシーを感じておるところです。在留資格をめぐる問題については、個々の事情に寄り添って対応していく、ケース・バイ・ケースということが重要と考えております。そのために、身近で相談できる窓口を設けており、支援機関との情報共有や連携に一層注力することで、深刻化してしまう前に対応することが重要であると考えております。
◆みわ委員 では、今横浜で暮らす外国人の方々から寄せられている相談の内容を伺います。
◎三枝副局長兼国際政策部長 外国人に特有の相談としまして、在留資格に関する御相談があります。このほか、医療、住居、進学、就労など、日本人と同様の生活全般にわたる幅広い相談も寄せられております。その中には複雑、困難な事情が絡むものもございまして、例えば、外国籍の親御さんから、中学生の子供が学校でいじめに遭って不登校になっている、あるいは、日本人と結婚した外国籍の女性から、夫婦間で争いが絶えず、生活や子供の養育に希望が持てないなどの事例も寄せられております。
◆みわ委員 本当に深刻な内容に丁寧に対応していただいていると思います。先ほど局長から海外で暮らされた実感を持った体験をお話ししていただきましたけれども、そういう思いで対応していただけると思いますけれども、相談にはそれぞれどのように対応されているのでしょうか。
◎三枝副局長兼国際政策部長 確実な支援に結びつけるため、区役所、国際交流ラウンジの窓口でしっかりと対応するとともに、専門性や困難性の高い案件、あるいはネパール語など希少言語による相談につきましては、多文化共生総合相談センターが引き継ぎ、内容に応じて、例えば神奈川労働局などの関係機関等におつなぎをしまして対応しております。
◆みわ委員 本当に深刻な事態になる前に相談につながっていくことを強く望みます。これまでに相談された内容が施策として生かされたことや、また、何か前進したことがありましたら、御紹介ください。
◎橋本国際局長 対応した結果の生かし方としては2つ考えておりまして、一つは、やはり相談に来られた方に寄り添う傾聴とかそのようなスキルアップをしっかりしなくてはいけない。もう一つは、委員からも御指摘があるように、深刻化してしまう難しいケースというのがやはりございまして、それについてはこのようなケースの対応を共有するということで、これらは研修会などを通じてラウンジやYOKE、あるいは区が共有しております。また、YOKEにおかれましては、よくある相談内容については既にホームページ上で、あるいは定期刊行物でこれらを掲載し、すぐに入手できるように紹介しているところでございます。
◆みわ委員 法的な問題についても詳しくスキルアップが求められていると思いますので、よろしくお願いします。これからも相談の内容を施策に生かし、横浜はすてきなまちだよ、安全安心だよと世界の方々から思っていただけることが大切だと思います。
 多文化共生社会を実現させるための課題と決意を副市長に伺います。
◎林副市長 共生社会の実現に向けまして、誰一人取り残さない包摂的、インクルーシブな都市横浜を目指すために、全庁的な連携の下で様々な取組を力強く推進することが重要と考えております。令和4年度におきましては、今、予算の御審査をいただきますけれども、新たな国際交流ラウンジの開設ですとか、小中学校の日本語支援推進事業や外国人介護人材の就労支援、これら全ての予算を拡充しまして、外国人の方々を含む全ての人が暮らしやすい都市横浜のために全庁を挙げて取り組んでまいります。
◆みわ委員 よろしくお願いします。
 旧市庁舎の市民広間には、市の友好都市などからの記念品が飾ってありました。訪れる市民は、外国の都市が横浜市と友好関係であることを知り、親近感を覚え、平和自治体外交の大きな効果だと思いました。これまでオデッサ市から送られているのを見て、横浜とオデッサは姉妹友好都市なのだと気づいたというお話を伺ったことがあります。
 現在、姉妹都市等からの記念品はどこに展示してあるのでしょうか。
◎岡本国際政策部担当部長 新市庁舎への移転に際しまして、大きなものでございますが、これは今後の活用のためにみなとみらい21クリーンセンターに保管してございます。それから、今お話がありましたが、市役所庁舎31階の国際局の執務室前のガラスケースにオデッサから頂いたものをはじめコンパクトなもの、あとは、市会の議事堂の7階の傍聴者ロビーにも一部展示していただいておりますが、そういった形で保管させていただいております。
◆みわ委員 はっきり言って、大切な記念品が大きいものはお蔵入り状態というのは非常に残念です。市民が日常的に見ることのできる展示、今後の企画と言われましたけれども、予定はあるのでしょうか。
◎橋本国際局長 今後、周年の機会等イベントとしていろいろできる機会もありますので、市庁舎の低層部において展示をするなど検討していきたいと考えております。
◆みわ委員 市庁舎は市民の皆さんが大勢訪れ、また通行していくという機会も今増えておりますので、市庁舎2階のフロアスペースなど、ぜひ日常的に見ることができるように考えていただきたいと思います。友好関係を結んでいる姉妹都市、姉妹港等は幾つありますか。
◎岡本国際政策部担当部長 姉妹都市、友好都市でございますが、これは8都市でございます。それからパートナー都市、それから共同声明を発表した都市、それからY-PORTでの連携都市などもございますが、合わせて16か所でございます。それから姉妹港など、名前が友好港、貿易協力港と分かれておりますが、6港ございます。
◆みわ委員 世界中の都市と姉妹、友好を結んでいるということで、本当に大切なことと思います。この姉妹都市の一つである、先ほどもお話ししましたけれども、ウクライナのオデッサ市が戦渦に見舞われています。本当に心配です。
 オデッサ市とのこれまでの交流はどのようにされてきたのでしょうか。
◎橋本国際局長 オデッサ市との姉妹都市友好は1965年に始まりました。その後、医療、スポーツ等のテーマで交流を重ねてきておりまして、2020年が姉妹都市提携55周年でございました。その際には、駐日ウクライナ大使館と連携しながら、両都市のオンライン写真展等も開催するなどまた交流が活発になってきたところで、文化交流などを進めてまいりました。実際に昨年11月でございますが、双方の柔道家によるオンラインでの交流が行われておりまして、また、今年に入ってからは、両市の廃棄物処理に係る技術協力に向けて、かなりしっかりとした協議がスタートしたばかりでございました。
◆みわ委員 長年にわたり大変深いつながりを持ってきたまちですので、市民の皆様の中にも、オデッサ市民の方々の顔が浮かぶ方もいらっしゃるのではないでしょうか。侵略戦争のただ中に置かれていることを考えますと、本当に苦しい思いでいっぱいになります。一刻も早くロシア軍の撤退が行われるよう願ってやみません。
 こういう事態に対して、横浜は欧州にはフランクフルトに海外事務所がありますが、今回のような有事が発生したときに海外事務所はどのような役割を果たしているのでしょうか。
◎橋本国際局長 通常時から、海外事務所規則にのっとって、市内企業支援や都市間交流などに加え、活動地域における情報の収集が重要な所管事務となっております。このたび、ウクライナ情勢が非常に心配されるところで、このような有事においては、例えば欧州全域を所管するフランクフルト事務所から逐一欧州の報道状況などの情報を毎日受け取っておりまして、私どもとしてそれを基にいろいろな判断していこうという状況でございます。
◆みわ委員 大変重大な事態の中で、海外事務所が大切な役割を持っていることがよく分かりました。安全を第一にと思います。今、改めて平和の尊さを実感するところです。これからも、なお一層平和を推進する横浜市であってほしいと思います。
 そのためにも自治体外交が横浜市国際平和の推進に関する条例の理念を基本に進められるべきと考えますが、見解を伺います。
◎林副市長 委員御指摘の横浜市国際平和の推進に関する条例は横浜市会議員の皆様の提案により成立しましたけれども、国際交流、国際協力、多文化共生等の取組を通じた国際平和への貢献が掲げられておりまして、今まさに本市は、国連から認定されたピースメッセンジャー都市としてその使命を果たすときだと認識しております。ウクライナ情勢を踏まえまして、2月25日に市長そして議長が同時にロシアの侵攻に強い抗議を発出したところでございますけれども、引き続き条例の理念を踏まえまして、国際社会の平和と安定に向けて自治体として何ができるか、こういうことを全力で考えながら対応を図ってまいりたいと考えております。
◆みわ委員 本当にしっかりと取り組んでいただけていると思うのですけれども、ロシアの侵攻によって、オデッサ市民の命の危機を思うところです。副市長に改めて重ねて伺いたいのですけれども、オデッサ市へのメッセージなど何か働きかけはできないかと考えますが、いかがでしょうか。
◎林副市長 国際局は常時オデッサ市とは連絡を取っていまして、もちろん日常的に励ましもしていますし、いろいろなニーズみたいなこともあればということで、戦争状態ですのでなかなか難しいところはあるのですけれども、そういったコミュニケーションを取ってやっております。今後も、今非常に切迫した状況もございますので、先ほど申しましたようにとにかくできる対応を臨機応変に考えてまいりたいと思っております。
◆みわ委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。終わります。


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