【団長談話】
2023年6月2日
日本共産党横浜市議団 団長 古谷やすひこ
6月2日、3日にかけて臨港パーク、みなとみらい21地区などで開催されている「横浜開港祭」は、横浜の開港記念日である「6月2日」を祝うお祭りであり、今年で42回を迎えた歴史と伝統ある行事です。横浜市外からも多くの方々が訪れるイベントです。
繰り返される海上自衛隊の「護衛艦」の一般公開
このような横浜港の開港を祝う祭で、近年、海上自衛隊の護衛艦の一般公開が続いています。2018年には、「空母化」への改修が行われている護衛艦「いずも」が大さん橋で一般公開されました。
今年は、護衛艦「あぶくま」等が横浜ハンマーヘッド岸壁で一般公開されています。
あぶくまは、乗員約120人、長さ109m、幅13.4m、深さ78mの船で、主要兵装は、高性能20ミリ機関砲×1、62口径76ミリ速射砲×1、SSM装置一式、アスロック装置一式、3連装短魚雷発射管×2とされており、「重武装」された艦船です。(出典:海上自衛隊ホームページより)
その他、潜水艦や化学防護車などの展示も同会場で行われています。
市民が祝う日にふさわしいものなのか
自衛隊神奈川県地方協力本部が作成した、あぶくま等の一般公開を知らせるポスターを見ると、「戦艦」や潜水艦、「戦車」の写真が目に飛び込んできます。岸田自公政権が押し進める大軍拡に対して、武力増強はさらなる武力対決を招くという「安全保障のジレンマ」を生み出すと心配されている市民もいる中、はたして、自衛隊の艦船の公開を、市民の祝い日にやることがふさわしいのか大変疑問です。
開港祭での自衛隊艦船の展示、入港、公開は中止を
横浜市は、1970年12月に「平和都市宣言に関する決議」を、さらに1984年には「非核兵器平和都市宣言に関する決議」を横浜市会で行っています。また、2016年に策定された「横浜市国際戦略」のなかでも、これまで横浜市が行ってきた様々な国際平和に関する事業に対して国連からピースメッセンジャー都市の称号が与えられ、横浜市の国際平和への寄与は高く評価されていることが記されています。このような経過からみれば、開港祭での自衛隊艦船の一般公開が続くことは、これまでの横浜市の国際平和に向けて培ってきた信頼を傷つけるものになると言わざるを得ません。
次回の開港祭では、全市民が心から開港をお祝いできる開港祭となるよう、開港祭実行委員会ならびに港の使用許可を出している横浜市に対して、自衛隊艦船の展示・入港・公開を中止するよう呼びかけます。
写真:護衛艦「あぶくま」型
出典:海上自衛隊ホームページ