◆古谷委員 日本共産党古谷靖彦です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
委員長、スライドの許可をお願いいたします。
○山本委員長 どうぞ。
◆古谷委員 まず、通告どおり、脳卒中・神経脊椎センターの経営結果について伺ってまいります。
このセンターは、もともとの予算立てでは赤字の見込みでしたが、この新型コロナウイルス感染症の影響の中で経営結果が大きく変わったものと思われます。まず伺いますが、昨年度の脳卒中・神経脊椎センターの経営結果とそれに対する所感を伺います。
◎齋藤脳卒中・神経脊椎センター病院長 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、延べ入院患者数が2.8%、延べ外来患者数は7.7%減少いたしましたが、コロナ陽性患者の受入れに係る補助金等により、経営収支は5年ぶりの黒字になりました。コロナへの対応に当たりましては、全診療科の医師が患者さんの受入れを担当することで、医療機能を維持しながらも、公立病院として感染の拡大に対応して受入れ患者数を増加させることができたと考えております。
◆古谷委員 コロナ患者さんを非常に積極的に受け入れたということで、それに伴って、コロナ関連の助成によって経営結果に反映したということが、今述べられたとおりだと思います。(資料を提示)これは一番新しい厚生労働白書なのですけれども、この中にも、医療機関を支援するための様々な措置が取られたと、まさにこれは国が言っているとおりかと思われます。
では、昨年度の経営結果からコロナ関連の助成を除いた収支について伺います。
◎本間脳卒中・神経脊椎センター管理部長 令和2年度の経常収支は1億8000万円の黒字となりましたが、コロナ関連の補助金に係る収益と費用を除くと、経常収支では概算で2億4000万円の赤字となりました。
◆古谷委員 昨年度の経営結果で見ても、そういう意味では、コロナ対応をされたということ自体は非常に評価するところなのですが、病院の恒常的な経営構造というのはあまり変わっていない状況ですので、その中で今後どうしていくのかということがこれから問題になろうと思います。
1つ伺うのですが、昨年度の経営結果の中で、センターの病床稼働率が75.1%と前年度に比べて2%減っていると。この減っている原因について伺います。
◎本間脳卒中・神経脊椎センター管理部長 令和2年度における新入院患者数は2475人で、前年度と比較して103人減少いたしました。病床利用率の減少は神経難病をはじめとする患者さんの受診控えや、院内クラスターの発生に伴う救急受入れ患者の停止等による影響と考えております。
◆古谷委員 この受診控えと今言われたものが、文字どおりコロナが受け入れられている病院でもそうなのですが、受け入れられていない病院でもコロナ受診控えというものがたくさんあったと思われます。今の話を総合すると、受け入れた病院では様々な補助金があって、一定、黒字に転化したのですけれども、受け入れていない病院については様々な補助金はありませんので、そういう意味では受診控えだけ来てしまったということで、非常に他の病院では厳しい状況になったのではないかと類推ができると思います。この世界的パンデミックの新型コロナウイルス感染症、まだ今後、どういうふうに振れるかというのはまだまだ分かりません。一方では、コロナ後に脳卒中・神経脊椎センターがこの地域でどういう医療展開をしていくのかということも問われてまいります。
そこで伺いますが、コロナ後の脳卒中・神経脊椎センターの新たな医療の方向性を伺います。
◎齋藤脳卒中・神経脊椎センター病院長 高齢者の増加に伴いまして今後も慢性心不全の患者数の増加が見込まれることから、令和3年度に循環器内科の医師を増員いたしました。これにより、循環器疾患と関連の深い脳血管疾患への対応も一層充実できると考えております。また、11月からは心臓リハビリテーションにも診療領域を拡大いたしまして、引き続き医療機能の充実と経常収支の黒字化に努めてまいります。
◆古谷委員 まだまだコロナウイルス対策、感染症の対策が続くかもしれませんが、その後をしっかり展望して、公的役割を病院として果たしていただけるようお願いいたします。
次に、市民病院の救急体制について伺ってまいります。
このテーマでは何度か私も質問をさせていただいております。少しずつ改善はされているのかとも思っています。ただ、まだまだ不十分だと思っています。
そこで伺いますが、横浜市民病院の現在の救急医師の体制についての評価を伺います。
◎小松市民病院長 市民病院では、救命救急センターとして求められる医療を担うために必要な医師の体制を整備しております。その中で、救急診療科の医師については、昨年の新病院移転に向けて段階的に増員を行い、受入れ体制の強化を図ってまいりました。
◆古谷委員 では、スライドを御覧ください。(資料を表示)これは、横浜市民病院の救急診療科の医師とそれ以外の医師の超過勤務時間数と月の平均当直回数を示したものであります。これを見ると一目瞭然なのですが、救急診療科の医師の勤務実態の厳しさが非常によく分かると思います。救急診療科以外の医師に比べて超過勤務時間数は救急医はほぼ倍ということになりますし、当直の回数も、これ8回ですから、4日に1回です。これも非常に厳しいと思われます。これは平均ですから、恐らくもっと当直に入られている先生もいらっしゃるのだろうと推察できます。
そこで伺いますが、救急医の超過勤務、当直回数を減らす取組をどうされているのか、伺います。
◎小松市民病院長 24時間365日救急医療体制を維持するため、救急診療科はスライドのごとく超過勤務や当直回数が多い傾向にございますが、当直明けは勤務とならないようにすることや勤務間のインターバルを確保するなど、医師の負担軽減を図っております。
◆古谷委員 この質問を何度かさせていただいているのですが、実はそういう対応をされても、昨年度もその前の年も非常に厳しい状況があまり変わっていないと思われます。少し体制改善されたのは承知をしております。ただ、数字的にはあまり現れていないと思っております。このままではやはりまずいと思いますが、今後の救急医師体制を充実させるためにどうするのか、伺います。
◎小松市民病院長 救急診療科の体制は医師の健康管理面からも増員が必要であると考えておりますので、引き続き救急医師の確保に努めてまいります。また、国における医師の働き方に関する議論も踏まえながら、他の職種とのタスクシフトなど救急医の勤務改善を図ってまいります。
◆古谷委員 ここは本当に、体制を拡充する以外、私は本当にないと思っていますので、よろしくお願いします。
先ほど紹介させてもらった厚生労働白書の中にも様々な医療従事者の不足に対応するために支援策が実施されたと書いてあるのですけれども、この中身はほとんどびほう策というか、抜本的な対策にはほど遠いものだと思っています。なので、どうすれば救急医の医師体制を拡充できるのか、働くことに魅力を感じられる体制に、場所になっていくのかということをぜひ考えていただきたいと思います。
次に、本市の病床確保計画について伺います。
本市では現在の病床の状況について、急性期病床については過剰であるということで減らそうという一方で、慢性期の病床、療養病床等については足りなくてまだ整備が必要だということであります。この足りない病床の整備については、市内医療機関がどういう経営状況なのかということが先ほど述べたとおり心配です。
そこで伺いますが、市内医療機関の経営状況について医療局としてどうつかんでいるのか、伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 コロナの影響もありましてふだんとはちょっと違うと思いますけれども、日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が合同で実施した全国の病院経営状況に関する調査によりますと、令和2年度の入院・外来患者数、救急車受入れ件数、手術件数はいずれも減少傾向にございます。しかし、国の病床確保料など新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金を加味した医業利益につきましては、令和元年度と比較して全病院で2.1ポイント増加してございます。市内医療機関についても同様の状況だと考えてございます。
◆古谷委員 ありがとうございます。それでは、少し視点を変えるのですが、昨年度は本市は基準病床数を満たして医療が提供されていたのか、伺います。
◎戸倉副局長兼医療政策部長 令和2年度の基準病床数は2万3785床、既存病床数は2万3183床で、その差602床に対し470床を配分しました。なお、残りの132床は令和3年度に繰り越しています。
◆古谷委員 少し足りなかったということだと思います。次のスライドを御覧ください。(資料を表示)今配分された病床の数を述べられたのですが、これは昨年度、市内医療機関で稼働していない病床数について348床あったということであります。すごく私、評価は難しいかもしれないですけれども、非常に多いという感じを持っております。
今後、市内ではまだまだ病床が足りずに整備を進めなければならないにもかかわらず、一方ではこうして配分された病床でも稼働されていない、使われていないものもあるということですが、これはなぜ稼働していないのでしょうか。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 地域医療構想調整会議におきまして医療機関から報告されている主な理由でございますけれども、スタッフの不足ということになります。ただし、これは調整会議において正式に報告された理由でございますけれども、そのほか、経営上の判断、あるいは建て替え等の事情などによって一時的に使われなくなるとか、様々な理由が考えられると思っております。
◆古谷委員 私も幾つかの閉じている病院に聞いたのですが、やはりスタッフの不足が圧倒的に大多数だと思われます。そうすると、単純に病床を配分するだけでは足りずに、やはり医療従事者をどう確保するのかと、待遇をどうしていくのかということが問題になろうと思います。
2025年までにまだまだ整備しなければならないわけですが、整備が必要な病床数は幾つあるのか、伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 本市の2025年の必要病床数につきましては、国が定めた全国一律の計算式によりますと、地域医療構想策定時の平成28年度では3万155床となっています。しかし、本市の実態よりかなり低い全国平均の病床利用率や過去の将来人口推計等を用いていたために、本市としましては最新の数値を使用した独自の推計を行いまして、その結果、必要病床数を2万6165床といたしました。また、病床整備につきましては、毎年度最新の数値を使用いたしまして必要病床数を計算し直すことで新たに配分する病床数を定め、公募により医療機関を募ることで進めています。
◆古谷委員 国の定められたものだけではなく、様々な横浜市の事情に合わせて計画を変更させるということ自体はいいと思います。
今後の高齢化社会に突入していく中で、病床の確保計画を見れば、高度急性期・急性期病床は減らさなければならない計画になっていると思いますが、私はこれからますます高齢者が増えて救急需要は増えていくものと思われているときに高度急性期・急性期病床は減らすべきではないと思いますが、考えを伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 高度急性期・急性期の病床につきましては、市域全体で見れば充足していると考えてございますが、医療需要については地域ごとにかなり差があると考えてございます。地域の医療関係者の皆様とも協議しながら、医療機関相互の機能分担、あるいは地域医療連携の強化を進めまして、高度急性期から在宅医療まで、将来に向けてバランスの取れた医療提供体制を構築していきたいと考えています。
◆古谷委員 バランスの取れたというところはいい言葉なのですが、実際に、今の救急の体制を削ってしまうという流れになるのは、やはり非常に不安だと思われます。これはぜひやっていただきたくないですし、先ほど述べたように、市内の医療動向をしっかり見ていただいて、この考え自体を改めていただきたいと思います。
今回のコロナ禍で、感染症の対応について改めて考えさせられたと思います。民間病院にとっては、整備しても維持していくことはなかなか難しい分野です。
公立病院こそこの感染症病床の整備をさらに行うべきだと思いますが、見解を伺います。
◎修理医療局長兼病院経営副本部長 今回の新型コロナウイルス感染症のような新興感染症等の感染拡大時の医療については、次期の第8次医療計画から新たな事業として盛り込まれることが決まっています。感染症病床の確保も含めた次の医療計画の内容につきまして、現在、国が基本指針等の策定に向けた検討を行っております。その結果を踏まえまして、医療計画を所管する県と協議しながら、我々も保健医療プラン等に反映させていきたいと思っております。
◆古谷委員 ぜひ、もちろん国、県が主導するべきものだとは思いますが、横浜市も積極的にこの感染症対策をやっていただくことをお願いして、質問を終えます。
議会での質問・討論(詳細)
2021年10月15日