古谷議員:議第4号議案「横浜市会個人情報の保護に関する条例の制定」について、賛成の立場から討論します。
昨年の第4回定例議会で、横浜市個人情報の保護に関する条例の全部改正等に私たち日本共産党は反対しました。それは、もともと本市で制定されていた個人情報保護に関する条例を国が法を制定するにあたり、本市の71条もの条例が17条にまとめられてしまい、今迄の本市水準が下がってしまうのではないかという懸念からでした。おりしも、セキュリティーソフトなどの開発・販売を行うソースネクストは、クレジットカード情報など12万人余りの個人情報が漏えいした可能性があると昨日発表した。漏えいした可能性があるのは、2022年11月15日から2023年1月17日の期間中に当該サイトでクレジットカード情報を登録した顧客112,132名のカード情報(名義、番号、有効期限、セキュリティコード)と、2022年11月15日から2023年1月17日の期間中に当該サイトの購入者120,982名の個人情報(氏名、メールアドレス、郵便番号、住所、電話番号)。こういう事態がセキュリティーソフトを取り扱っている会社で起こってしまったということは、もう何を信じたらいいのかというふうに思われた方も多いと思います。さらに私たちが反対した最も大きな理由は、「個人情報を保護する」ために成立しているはずの法律で今までできなかったような行政が持つ個人情報を民間企業にも提供できるようにした「行政機関等匿名加工情報の提供制度」が法律上に加えられ、さらにその活用提供を促進するような、およそ「個人情報保護」の名にふさわしくないものが法で定められたからです。行政機関が保有している、377万市民の個人情報を取得したい企業には、名前を伏せる『匿名加工』が施された上で、個人情報ファイルを売ることができる様になってしまうということです。専門家によれば「いくら匿名にしたとしても、現在のAIの技術により個人を特定できるようになっている」と指摘しています。本市の個人情報保護に関する条例制定に関しては、上記の理由で反対しました。
今回の横浜市会の個人情報の保護に関する条例制定では、私たちが最大の問題とした「行政機関等匿名加工情報の提供制度」については、「この制度については議会での運用が想定されないため、市会条例には規定していません」とされているために、今回の市会の条例改正については賛成します。