党市議団参加者 あらき由美子、北谷まり、かわじ民夫市議
【事前の要望への当日回答】
党市議団:国民健康保険事業における「決算補てん等のための一般会計法定外繰入金」の削減方針によって、保険料引き上げが連続し、暮らしを直撃しており、この方針は撤回すること。また、国の財政支援を抜本的に拡充すること。
国民健康保険課回答:国民健康保険の健全な体制運営のためには、保険料を適切に設定・徴収することが必要だと考えています。その中で、被保険者の受益と負担の均衡を図る必要があるという観点から、一般会計からの法定外繰り入れと言うところに関しては、計画的な削減解消をお願いしてきたところです。
法定外繰り入れの解消については、国としては毎年3400億円の財政支援を行って、財政基盤を大幅に強化するということです。また各自治体においては、赤字の原因というところを分析いただいた上で、その解消期限や、その期限に向かってどのような取り組みをしていただくか、という計画をしていただいて、取り組みを進めていただいています。
一方で、保険料の影響にも配慮していただいて、その取り組みの段階というのは決めていただいております。引き続き、各都道府県・市町村においてはよく議論していただいた上で、住民の理解を得ながら計画的に取り組みを進めていただきたいと思います。また、国としてもどういった形で解消できるかというのを、好事例を地方団体の会議などの場で共有していきたいと思います。
党市議団:横浜市における重度障害者等医療費助成に伴う国民健康保険に係る国庫負担金の減額は2020年度で15億円にも及んでいる、地方自治体財政を圧迫させる減額措置は廃止すること。
国民健康保険課回答:減額調整措置の廃止についてお答えいたします。国民健康保険の減額調整措置は地方単独事業により、医療費助成によって窓口負担が減額される場合、一般的に医療費が増加する傾向にあることが分かっているため、限られた財源の公平な配分や国保財政に与える影響等の観点から、増加した医療分の公費負担を減額調整しているものでございます。
特に障害者に対する医療費助成にかかる、国保の減額調整措置については、全国一律で自立支援医療制度を国として設けていること等も考慮しながら廃止につきましては引き続き慎重に議論していく必要があるものと認識しております。以上でございます。
党市議団:子どもの医療費助成制度を全国一律の負担軽減制度として構築すること。
子ども家庭局保健課回答:子どもの医療費助成制度につきましては、現在国として医療保険制度におきまして、就学前児童にかかる自己負担を、3割から2割に軽減しておりまして、これに加えて各自治体独自の助成制度によって、自己負担のさらなる軽減が図られているものと承知しております。
このような子ども医療費助成制度を、全て国の制度として実施することにつきましては、厳しい財政状況等を勘案しますと、現時点においては課題が多いものと認識しております。
党市議団:出産育児一時金については、横浜市の平均値(2018年3月~2021年9月)は57万円強であり、現行一時金42万円を大きく上回っている。現在、出産育児一時金の引き上げが検討されているが、実態に合わせて、国の責任で一時金を大幅に増額すること。
保健局保健課回答:出産育児一時金の支給額については、平成21年に42万円に引き上げられたところでございますが、その後も出産費用が上昇している傾向にございまして、総理のご指示も踏まえまして、来年4月からの大幅増額に向けて、社会保障審議会において、議論を進めているところでございます。国保出産育児一時金の引き上げにあたっては、妊婦の方々が費用やサービスを踏まえて適切に医療機関を選択できる環境を整備することが重要であると考えておりまして、出産費用等に関する情報を見える化するための方策についても、合わせて検討してまいります。
【回答を受けての当日再要望】
あらき市議:横浜市会議員、あらきと申します。ここの国保の点での一般会計からの繰り入れ金の答えをいただきましたけれど、横浜市の実態で言えば、やはり保険料を上げないために毎年大変な思いをしています。しかも法定外繰り入れを認めないっていうことの国の方針に則ってやらないとペナルティが課せられるというひどいやり方ですよね。何が起きているかって言うと、今保険料払えない、コロナの影響を受けている自営業の方たちは、一時減額あるいは…免除まで行ってないんですよ、横浜市。その次の年にまた保険料を払わなきゃいけないってことで、延滞金までついて相当な額になっている世帯があります。だから結果的に払えない保険料。ずっとペナルティ課せられている中で、延滞金がついているという現状が繰り返されています。ですから、やはり国からの繰り入れがない以上、そこを横浜市だけで頑張るっていうのは無理がきています。是非、国からやはり払える保険料にする。国保に入っている人たちの負担を減らすっていう方向では、これ以上の(法定外繰り入れの)削減をしないでほしいですし、むしろ一般会計に繰り入れるだけの公的な補助をきちんと国として打ってほしいです。
それ無くしては国保は破綻します。是非、社会保障制度として守っていただきたいと思います。その点のご回答お願いします。
国民健康保険課回答:確かにおっしゃる通り、国保というのは、他の保険と比べて低所得者が多かったりですとか、比較的、医療費が高くなりがちな、年齢層もどちらかというと他の保険より高いということで、その財政状況というのは非常に厳しいものかなというのは我々も認識しております。ですので、今まで国としては給付費の5割という公費を負担するとか、最近ですと未就学児の均等割りですとか、できるだけ保険料の負担というところは軽減できるように財政支援っていうのを拡充してまいりました。
その上で国としては一般会計、国保以外の方からも集めたお金っていうのを国保に使うのは、そこは受益と負担というのが均衡ではないんじゃないかという考えのもとを、削減というのをお願いしているところです。ですが、一方で、確かに保険料を上げることが、負担になると思うんですけど、どれくらい最終的に国としては、できるだけ色々、公費を投入させていただいた上で、さらなる一般会計の繰入れというところは、推奨はしていないんですけれども、最終的な判断というところは、都道府県市町村にその最終の負担と、色々なペナルティ制度とかを考えた上で、どちらが良いかというところは、ご判断いただきたいなと思います。
北谷市議:北谷と申します。厚労省によりますと、昨年の4月1日現在、通院で中学卒業まで以上を助成・無料化した市町村は全体の95%に達しているとなっております。これを見れば国民に求められているということは明白でありまして、指定都市からも制度の創設が求められているわけです。それにもかかわらず、国がペナルティを課しているということは言語道断でありまして、どこで生まれ育っても、どの子もお金の心配なく医療にかかれる日本であるべきと考えますけれども、そういったお考えないのか伺いたいと思います。直ちに制度の創設に向けた検討に着手していただきたいと思います。
出産費用に関しても9都県市首脳会議として、また横浜市としても要望が出されているわけです。子どもを望む家庭の経済的負担の軽減なしには、少子化を止めることはできないわけです。何のために“子ども家庭庁”ができるのか。子ども・真ん中(世代の)社会の実現というならば安心して出産できるよう、また医療費につきましても、きちんと国の責任を果たしていただきたいと思いますが、見解を伺います。
厚生労働省回答:子どもの医療費助成制度につきましては、全国一律で実施する場合には大きな財政規模が必要になってきますので、慎重な検討が必要だということでお答えを申し上げますけれども、おっしゃられたように来年4月から“子ども家庭庁”が設立されるにあたりまして、さっきの国会の中の審議につきましても、総理の方から子どもの施策の在り方については、その財源の確保のあり方も含めてですね、今後子ども家庭庁の下で検討していくものだということで申し上げられております。そういった中で検討されていくものかと考えております。
要望書の全文は
です。