2027年に開催予定の国際園芸博覧会=花博の基本計画案について、実施主体の2027年国際園芸博覧会協会が市民意見・アイデアを8月24日まで募集しています。日本共産党横浜市議団として本日、入場者目標の大幅な引き下げなど12点にわたる計画の具体的な見直し等を提案・申し入れしました。脇坂隆一推進戦略室長ら3人が対応しました。
申し入れで、みわ智恵美議員は、花博開催について当地の開発によって残されている貴重な自然が失われるのではないか、公的負担が過大すぎるなどの不安と心配の声が反対の声とともに届いていると述べ、半年で有料入場者数1000万人を基にした計画を見直すことの必要性を強調しました。
あらき由美子団長は、現存している素晴らしい自然と、地形が生かされた花博会場になるのかと市民の関心の多くがそこにある。手が入りすぎたものは自然とは言えず、原風景を思い起こすものを期待したい。そして、行列が出来るような催しは、花博のテーマと沿わない。来場者数を大幅に減らし、ゆったりと自然を楽しむ趣旨の花博をと述べました。
脇坂隆一推進戦略室長は、9月の上旬に現在開催されているオランダ・アルメーレの園芸博覧会の視察を予定している。コロナ禍により、各国の出展ブースの遅れが報告されている。見積通りに行かない事態など、多分なケースをしっかりと観てくると述べました。
また、吉田雅彦総務部長からは、来場者の方が入場ゲートをくぐった時に「素晴らしいな」と思ってもらえる様な、場所の良さを生かす広がりを実現したい。コストとのにらめっこの日常であるが、中身のある満足度の高い内容を目指している。交通の課題等もあるが、先ずは地元の方々から喜ばれて何度も足を運んでもらえるような花博を目指したいと述べました。
申し入れの12項目は下記の通りです。
1, 有料入場者数は、オランダ・アルメーレの園芸博覧会開催に学んで、大幅に減ずることを検討すること。
2, 会場建設費を320億円と見積もり、このうち3分の2を国と市・県が負担し、残りの3分の1を民間が負担するとしていますが、民間負担については保証はされていません。会場の在り方・設営などSDGs未来都市にふさわしい動植物の重要な種をはじめ、生態系を保全するための環境保全措置として、現状の地形等をいかした会場づくりに取り組み、その後の公園にも生かされるようにすること。建設費については大幅に見直し削減すること。
3, 360億円とされている運営費は、過去博の運営から算出されているものです。有料入場者1,000万人の入場料と物販で賄うとしていますので、改めて規模と共に運営費は見直すこと。
4, 現在ある植生や水源、水の流れが壊されることなく、生態系の保護や、浸水被害を起こさないよう会場づくりを行うこと。
5, 海外からの多くの植物の持ち込みが行われることが予想されますが、日本の在来種が脅かされることなく厳格に取り扱うこと。
6, 会場内の移動については、徒歩を中心としているということですが、それと併せて3輪の自転車等を活用すること。
7, ゼロカーボン横浜を実践するために、博覧会終了後に会場施設を取り壊して廃棄物を大量に出すことは避けなくてはなりません。再利用可能な建材などの活用をすすめ、できるだけ大掛かりな施設はつくらないこと。
8, レストランなどで出る食品残渣についての活用、季節によっての植え替えによって大量の廃棄植物が出ることが予想されますが、できるだけ廃棄植物を出さない植栽計画とすること。
10,多大なる公費を投入し市の職員が大挙して行う事業であることから、市の外郭団体に等しい位置づけであると考えます。市民への積極的な情報公開に努めること。
11,全体計画が決まっても、情勢の進展状況に機敏に対応し計画変更する柔軟性をもってあたること。例えば、前売り券の売り上げ状況を鑑みて、運営費等の思い切った見直しを決断すること。
12,過大な有料入場者数のもと推進し、赤字が出た時には最終的に市民がその負担を被ることのないように国と厳格に調整すること。
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