間違いだらけの歴史教科書でいいのか
~12月議会・一般質問で関議員が追及~
侵略戦争を賛美する「新しい歴史教科書をつくる会」編集の自由社版中学校歴史教科書は、市内8つの区で採択され、多くの学校では9月から使われています。授業が進むなかで、写真が裏焼きされて左右が逆になっていたり、史実の記述や編集上のミスなどが20か所以上も教育現場から報告されています。
自由社は、キトラ古墳の壁画写真など7枚が裏焼きされていたとして、「訂正申請」を文部科学省に提出、承認され、各学校に「訂正」のリーフレットを11月に送付しました。
間違いは写真だけではない
自由社版歴史教科書の間違いは、写真だけではありません。
例えば、縄文時代の集落の生活では考古学的根拠のない想像図になっていたり、南蛮貿易の頃の銀について、金と同じか金以上の価値をもっていたと記述されていたり(当時は金1が銀11から12に相当)、専門の歴史家なら絶対に書かない間違いが、いくつも専門家に指摘されています。
関議員「教科書のどこをみてきたのか、余りにずさん」
日本共産党の関美恵子議員は、8日の一般質問でこの問題を取り上げ、今田教育委員会委員長に質問しました。
関議員は、教育委員会が自由社版歴史教科書について「教育委員たちが何度も勉強を重ねてきた」と繰り返し説明してきたことをあげ、「教科書のどこをみていたのか、余りにずさん」と批判。訂正が明らかになった今、責任ある説明と教育委員会として自由社に教科書の回収・交換を求めるなどの対応をすべきでないかとただしました。さらに、「一字一句でも間違ったことがあってはならない。生徒に教えてはならない。それが教科書」として、教育委員会の責任ある対応を求めました。
今田委員長「このような軽易なミスは他の教科書にもある」
これに対し今田委員長は、あくまでも文科省の検定を通った教科書であり、訂正箇所を「軽易なミス」と繰り返し述べ、訂正については発行者である自由社と文部科学省の間で法に基づく手続きが行われており、市教育委員会として発行者に訂正を求める必要はないと答えました。
歴史教科書を絶賛の今田委員長
関議員は、「この教科書が『近代日本の戦争の肯定』『極端な天皇中心主義』『偏狭な日本中心主義』というゆがんだ歴史観に貫かれ、生徒の歴史認識に与える影響は深刻」であるとして、採択した教育委員会の責任を追及しました。
今田委員長は、「この教科書は、他の教科書と読み比べても日本文化の取扱量も多く、質も優れており、また歴史的事象の説明等バランスがとれており、本市の教科書採択の基本方針に照らして横浜の子どもたちが学ぶにふさわしい」と賛美し、採択の正当性を強調しました。
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