行政による教育統制は権力による教育の支配
~教育公務員等の行為の制限を求める意見書は不採択に~
横浜市会の常任委員会のひとつであるこども青少年・教育委員会は、「公立義務教育諸学校に勤務する教育公務員等の行為の制限に関する意見書」を国へ提出することを決め、11月26日の横浜市会本会議に提出されました。
横浜市では、今年から自由社版中学歴史教科書を市内8区で使用しています。市教職員組合は、この教科書を批判する資料集を作成し、ニュースとして組合員に配りましたが、自民党などがこのことを問題視して、意見書を提案しました。
意見書案は、教職員団体が同教科書を批判し、採択撤回を求める署名活動を展開したことなどは、許容される妥当な職員団体の活動範囲を逸脱しているとして、これらの行為を制限する立法措置を国に求めるものです。
市議会には、横浜教科書採択連絡会や大学研究者、法律関係者有志の団体から、意見書の不採択を求める声が寄せられていました。
教科書取扱審議会の答申無視して採択
日本共産党の白井まさ子議員は、「新しい歴史教科書をつくる会」主導で編集された自由社版教科書は、侵略戦争を賛美したものであり、検定合格とした政府の責任は重大だと指摘。
また、市教育委員会が教科書取扱審議会の答申を無視したこと、無記名投票したこと、事実を誤認した上で教員の副教材の選択を制限する警告・通知を職員団体や学校長に出したことについて、批判しました。
民主主義の感度が問われる意見書
意見書で「教科書採択、不採択運動、撤回運動といった行為や教唆・扇動行為の制限に関する立法措置を講じるよう」国に要望することは、教員を監視し、行為を制限することになり、憲法で保障された表現の自由への不当な規制になりかねず、行政による教育統制は、権力による支配に当たると批判し、「横浜市議会が意見書採択となれば、全国から民主主義の感度が疑われ、笑いものの象徴となることは必至ですから、賢明な判断をしようではありませんか」と呼びかけました。
採決の結果、自民党、ヨコハマ会議、無所属クラブの一部、無所属の片桐紀子議員が賛成しましたが、賛成37人、反対54人の反対多数で、否決されました。
12月議会開催中
みなさんの傍聴をお待ちしております!
12月3日(金)午前10時~ 本会議:議案上程、質疑(白井まさ子議員)
12月8日(水)午前10時~ 本会議:一般質問(関美恵子議員)
12月9日(木)~14日(火) 常任委員会(議案等審査)
12月16日(木)午後2時~ 本会議:議案討論(かわじ民夫議員)、議案議決
(議員名は、日本共産党横浜市議団の発言予定者)
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「こんにちは横浜市議団です」2010年12月1日(PDF版)