議会での質問・討論(詳細)
2010年9月30日

【2009年度決算特別委員会】「こども青少年局(2日目)」 関美恵子

学童クラブへの補助を増やして保護者負担を減らせ

関議員:日本共産党を代表し、学童保育について何点か質問いたします。
横浜市は、学童保育クラブに、規模に応じて指導員・補助指導員の給与、施設の保険、事務費等が含まれる基本補助に、長時間開設、家賃、障害児受け入れの加算を加えた市補助金を交付しています。
そこで、学童保育クラブ1か所あたりの運営費に占める市補助金の割合を、2009年度決算で伺います。

川名青少年部長:21年度の放課後児童クラブの収支報告書によりますと、1か所あたりの平均の運営費は約1450万円となっています。そのうち、本市補助金は650万円、割合にして44.6%となっております。

関議員:2007年度2008年度決算、2010年度予算の場合を伺います。

川名青少年部長:1か所あたりの平均の運営費および市補助金の割合ですが、19年度は運営費が1432万円、そのうち市補助金は660万2000円で46.1%、20年度は運営費が1463万8000円、市補助金は651万2000円で44.5%となっております。また、22年度予算ですが、運営費が1435万8000円、市補助金は653万3000円で45.5%となっております。

関議員:いずれも50%を割っております。運営費での保護者負担割合は、国の考え方は2分の1とし、市も同じだと聞いております。であれば、市補助額が低いということですが、この件について局長の認識を伺います。

鯉渕こども青少年局長:横浜市では現在も国基準を大幅に上回る補助を行っておりまして、また国の補助項目に加えまして、施設賃借料補助、非課税世帯への減免補助、クラブが分割するときの開設準備補助、規模の変更に伴う激変緩和措置などを行っています。

保護者負担につきましては、指導員の配置や実施場所に関わる家賃、地代等の負担など、各々の放課後児童クラブによって運営の状況などが異なっています。
今後とも放課後児童育成施策の一環として、放課後児童クラブの運営状況を検証しながら、必要な支援について検討していきます。

関議員:局長の答弁で、横浜市はさまざまな加算をプラスし、国より厚い補助にしているということですから、これ単純に考えれば、50%を超えてもいいというふうに考えるわけですが、横浜市の算定する運営費補助がかなり低いというのではないかというふうに思いますけれども、今後検討すべきだというお答えだったんですけれども、この検討については、この運営費補助を増額するという、増額すべきだと思うんですけれども、再度その点のご答弁をお願いします。

鯉渕こども青少年局長:国の補助基準がございますが、先生おっしゃったとおり、保護者負担は2分の1だという考え方になっていまして、国と市で33、市が33%、国が17%となっているんですが、国の国庫補助基準の基準額そのものが低いわけです。1か所あたりの運営費としては677万くらいが想定されています。横浜市の場合はどうなっているかというと、1か所あたりが1452万が基本となっておりまして、先ほど申した通り保護者負担が55%位になっておりますが、合わせて横浜市の負担は33%ではなく、37%位になっています。国の方は17%を補助するという考え方ということになっておりますが、実際には8%になっております。そういう意味で、国庫補助が少ない分、それを横浜市と保護者が両方で負担しているというかたちになっています。

関議員:ただ、保護者の側からすると、2分の1の負担ということですので、国に対して市として増額をいうことはもちろんですけれども、市としてやはり保護者負担について、重いという点については今後見直しをお願いしておきたいというふうに思います。

学童クラブの障害児入所に補助加算増などさらなる改善を

次は、障害児等の入所についてですが、2005年にだされた横浜市放課後児童育成施策基本指針でも障害児の参加促進をうたい、障害特性に合わせた活動プログラムの工夫やスタッフの資質向上、設備・環境面の安全性への十分な配慮を求めております。こうした経過を踏まえ、障害児の入所が増えているようですが、過去3年間の推移を伺います。

川名青少年部長:過去3か年における放課後児童クラブに登録されている障害児数ですが、20年度は239人、21年度は263人、22年度は295人となっております。

関議員:現在学童クラブは196か所あり、1か所平均1.5人の割合になります。1人34万4500円の加算では安全な環境はつくれません。巡回相談員3名が専門的な相談を受けおっているようですけれども、これも充分な配慮というならば、専門性を兼ねた指導員の配置が必要と思いますが、伺います。

鯉渕こども青少年局長:障害児への対応につきましては、障害児の理解と対応に関する研修や相談員による巡回相談体制の充実をはかり、指導員、補助指導員を含めた職員の専門性を高めるように努めております。

関議員:障害児や特別の事情と認められた事情の場合、4年生以上の入所が認められており、増加しているようです。過去3年の推移を伺います。

川名青少年部長:過去3か年における4年生以上の障害児数ですが、20年度は81人、21年度は91人、22年度は115人となっております。

関議員:2010年度、今年度は130人だと思うんですけどね。やはりこれもかなり増えてきています。もっと大事なのは、今後の増加も十分推測できますのではないかということなんですけれども。現在でも、指導員等の負担がかなり重いという声を聞いておりますけれども、障害児加算の見直しなどさらなる改善が求められてくるというふうに考えますが、現在の状況をどのように認識されているのか、また改善についての見解を、これは山田副市長に伺います。

山田副市長:障害のある児童につきましては、障害児加算によって補助指導員の増員等が可能になるように対応しております。障害のある児童も、大勢の子どもたちと一緒に放課後の時間を過ごし、成長することは、とても大切なことだと考えております。放課後児童クラブだけでなく、すべての放課後の取り組みで、子どもたちが障害の有無にかかわらず、いろいろな仲間と遊び、過ごし、思いやりやルールを身につけていく取り組みとするため、研修の充実をはかるなど、指導員を始めスタッフの支援を検討していきたいと考えております。

学童クラブ新設時、賃貸物件の内諾要件の緩和を

関議員:次に、学動保育の新設等について伺いますが、学童保育の新設・廃止・分割の状況を過去3か年の推移で伺います。

川名青少年部長:過去3か年における4月1日現在の新規開設、分割、廃止のそれぞれのクラブ数ですが、20年度は新規開設したクラブはございません。分割は5か所、廃止は1か所となっております。21年度は新規開設が8か所、分割が3か所、廃止は1か所です。22年度は新規開設が4か所、分割が3か所、廃止したクラブはございません。以上です。

関議員:新設、分割というのも何か所かでこのところあるようなんですけれども、その場合の施設の確保はどのようにしているのでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:新設や分割にあたっては、地域や保護者の自主的主体的な取り組みにより、施設の確保など必要な準備を行っていただいております。

関議員:新設の場合に、その時に事前協議書を提出するというふうにきいておりますが、その内容はどうなっているのか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:事前協議においては、見込み対象児童数や使用予定施設の概要、収支予算書などの提出を求めています。そのほかに本市として必要に応じ、近隣の放課後施策にかかる地域ニーズを把握するとともに、地域の協力体制についてお聞きして、審査を行っています。

関議員:新設年度の前年度の9月末日までに、事前協議書は提出をしなくてはならないようですが、問題は、使用予定施設についての提出用紙、これここにあるんですけれども、このように所有者の内諾の有無を問う欄があって、いわゆる物件の所有者の内諾の無い不動産物件を学童保育の予定施設として市に提出させることに対して、関係者から疑問が出されています。市にも声が届いていると思いますが、承知しているのか、そのことをどう受け止めているのか、伺います。

鯉渕こども青少年局長:放課後児童クラブに対して確実な予算措置や実施場所の衛生環境や完全性が確保できているかを確認するため、事前協議については現在のこの時期になっております。賃貸の場合には、開設前に契約を求められる場合もあるなど、運営主体の負担となる場合があるということも聞いております。しかしながら、子どもたちが安心して放課後を過ごすことができるよう、保護者、地域をはじめ、関係者にご理解ご協力いただきながら、対応をお願いしているところでございます。
また、先ほどの内諾書の話でございますが、特に私ども、先生のおっしゃるとおり、内諾の有無を記載する項目がございます。そのことにつきまして、もし内諾が取れていないということが、書面で取れていないというような状態だということの場合には、貸主との交渉の状況を何らかのかたちで確認させていただくということで、お話には応じてまいりたいというふうに考えております。

関議員:内諾には応じていく、また財政的な負担もお認めになっているようなんですけれどもね、問題はもっと簡単に考えないで、この所有者の承知のない物件が、こういう公式の書類に平面図も含めて書かれて扱われることに対して、何の問題もないのかということなんです。その点では検討されているのでしょうか。

鯉渕こども青少年局長:この時期に申請を受理しておりますので、どういうところでやるかということは大事なことでございますので、実際にそういうようなご議論ができるような内諾はいただく必要があろうかと思います。

関議員:内諾がないということなんですからね、非常にこれ新規開設の障害にもなっているようなので、きっちりと考えていただいて、見直しも求めて終わります。


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