白井委員:日本共産党を代表して質問します。どうぞよろしくお願いいたします。
委員長、スライドの使用許可をお願いいたします。
大桑委員長:はい。
白井委員:まず、園児の移動ルートの整備についてです。
2019年5月、滋賀県大津市で保育園の外での活動中に交差点の歩道で信号待ちをしていた園児らが車同士の衝突に巻き込まれて16人が死傷する痛ましい交通事故が発生したことから、本市は直後に危険箇所の点検を行い、また、6月に国からの通知を受けて緊急安全点検が行われたと聞いています。どんなものだったのか、まず、それぞれについての内容を伺います。
山浦道路部長:本市独自の取組といたしまして、事故件数の多い交差点や駅周辺の交差点256か所におきまして緊急点検を昨年の6月に実施いたしました。また、国からの通知に基づき、未就学児の移動経路464か所につきまして、保育施設とともに合同点検を昨年の8月、9月に実施いたしました。これら2つの点検の結果、368か所で対策を進めております。
白井委員:点検の結果、対策が必要とされた箇所については国の補正予算を活用して、本市で緊急交通安全対策事業として補正予算が組まれております。その金額と内容を伺います。
山浦道路部長:補正予算の額は、国庫補助を活用した約7億円となります。対策内容といたしましては、交差点部の車止めやガードレール、あんしんカラーベルトの設置などを進めております。
白井委員:私の地元の港北区ではその対策必要箇所が29か所あって、現時点で5か所の対策工事が完了していると市のホームページで公表されております。スライドを御覧いただきます。(資料を表示)写真はそのうちの1か所で、市営地下鉄グリーンラインの高田駅入口交差点です。事故直後の土木事務所の点検で対策が必要と判断されて、車止めのポールが何本も設置されております。安心感がこれであります。2020年度はこれから補正予算を使った6か所の工事が予定されていると聞いておりますけれども、全体の3分の2はまだ残ることになります。
市内全域でも同様だとすると大変心配なのですけれども、緊急対策事業ですから早期に完成させることが必要ですが、この補正予算による対策工事の完了はいつまでとなっているのかを伺います。
山浦道路部長:対策の実施に当たりましては、各土木事務所におきまして緊急性の高い箇所から順番に進めています。令和元年度の補正予算でございますが、令和2年度末までに完了する工事に要する費用となっております。令和3年度も引き続き、国の予算を活用して対策工事を進めてまいります。
白井委員:国の予算を使うわけですけれども、全てが国の予算を使って終了しなかった場合には本市の独自予算も必要になってくると思うのですけれども、ここは大丈夫なのでしょうか。
乾道路局長:この緊急対策事業につきましては、国の重点化のメニューになっておりまして、来年度も引き続き獲得するということで今国と調整しているところでございます。
白井委員:令和3年度もやっていただくということですけれども、令和3年度までには全て完了するように急いだ対策をよろしくお願いしたいと思います。それで、今回の緊急対策は国の補正を活用した一時的なものですけれども、今後は事業費を確保して、また、土木事務所の体制も強化して対策を継続していただく必要があるということも指摘しておきます。ある保育園では、天気がよければ毎日、午前と午後の2回、子供たちは歩いて公園まで行って遊んで帰ってくるそうです。本市では、待機児童対策として駅近くに園庭のない、または園庭はあっても狭い保育施設が増えていて、時々お散歩をする道路というよりも毎日の活動に必要な移動のルートとなっていまして、移動する機会は今後も増えていきますから、本市では園児の移動するルートのより一層の安全対策が求められています。
港北区の例なのですけれども、区内には保育所、小規模保育事業、横浜保育室、地域子育て支援拠点などの未就学の子供たちが集まる子育て施設が200近くもあって、区役所が独自に施設の存在を知らせて、車や自転車に注意喚起する表示を電柱に巻き付けるなど特別な対策を実施しています。全市でこれまで取り組まれている通学路の安全対策に加えて、園児の移動ルートの整備も含めた子供の通行空間の安全確保の視点が求められると思います。保育園等と連携して安全対策を推進していくことが重要と考えますが、どのように推進していくのか、その構えと具体的な対策について伺います。
乾道路局長:未就学児童の移動経路の安全対策については重要な取組だと考えてございます。そのようなことから、引き続き必要な予算を確保するとともにスクールゾーン対策協議会や保育施設等からの情報につきましてしっかりと対応していきたいと考えてございます。
白井委員:より具体策が必要ですので、お願いいたします。
それでは、スクールゾーンの対策について伺っていきます。
本市では、小学校を中心とした交通安全対策を実施する必要が高い地域をスクールゾーンとしています。まず、このスクールゾーン対策において道路局の役割はどういったものか、伺います。
関森副局長兼総務部長:まず、土木事務所でございますが、要望箇所の確認、対応の検討、関係機関との調整、対応状況についての学校への報告、こうした交通安全施設の整備に関することを担っております。道路局でございますが、交通安全指導講習会の開催、交通事故発生状況等の情報提供、教育委員会事務局が集約した要望対応状況の共有、こうした支援の役割を担っております。
白井委員:スライドを御覧いただきます。道路局が作成された通学路安全点検ハンドブックは大変分かりやすく示してあります。グリーンベルトなど、それからスクールゾーンの路面標示など、管轄もよく分かります。このスクールゾーン対策に関わって、スクールゾーン対策協議会があります。小学校と地域がメンバーとなって、教育委員会、道路局、区役所、土木事務所など、市の関係機関や警察署も関係して通学路を含めて対策を話し合うなど、スクールゾーンごとに交通安全の活動が行われています。このスクールゾーン内の安全点検が先ほどもお話のあったように区役所、土木事務所、警察などが参加して行われているわけですけれども、スクールゾーン対策協議会から毎年、この対策を求める要望が上がっていますけれども、どのように対応しているのか、改めて伺います。
山浦道路部長:要望を受けました箇所につきまして、各土木事務所で現地を確認し、対応方針を検討いたします。対策が困難な箇所につきましては、その理由も含め、スクールゾーン対策協議会で説明し、御理解を得ています。対策が可能な箇所につきましては、基本的に年度内で工事を行っております。
白井委員:本市でも、先ほども出ましたけれども、登校中の列に車が突っ込んだ事故など、スクールゾーンで痛ましい交通事故が発生しています。しかし、各地の協議会から出される要望の対策がなかなか進まない実態から、これまでも本市の教育委員会が対策の推進をリードするように求めてきたところです。教育委員会では、昨年度からスクールゾーン対策を所管する部署を健康教育課から学校支援・地域連携課に替えています。地域により近づいた位置に立って対応できるようになったのではないかと評価するところです。さて、今年度はコロナ対応のために協議会の開催が難しいと聞いています。港北区では、協議会を開催したところは少なくて、半数の協議会からは要望が上がってきていないと聞いています。
そこで、全市の協議会の開催状況を道路局として把握しているのか、伺います。
関森副局長兼総務部長:新型コロナウイルスの影響等によりまして、開催が延期もしくは中止、書面により代替されているものがあることは、教育委員会事務局や区役所から聞いております。
白井委員:協議会は地域の声を要望にする大事な場であると思いますけれども、協議会が開催されていないのでは、この要望が土木事務所や道路局に届かないのではないかと心配しています。開催されていないのは聞いている、それだけではいけないと思うのです。要望がないからこそ独自点検を土木事務所ができるような、土木事務所に負担をかけないよう局が支援する形で、局としてこの把握に責任を持っていただく必要を感じますが、どうでしょうか。
乾道路局長:スクールゾーン対策協議会は、先ほど委員からもお話をいただいたとおり、学校、保護者、地域、土木事務所、警察、区役所等の連携で行うものでございます。基本的には教育委員会が事務局になっていますけれども、道路局で開催をするとか、要望を取りまとめるということは所管外でございますので、対応することは必要ないかと考えてございます。
白井委員:必要ないとおっしゃるのですけれども、直接要望が上がってこないのだけれども要望箇所はないかというのを特別に把握する、このコロナの状況の中ではそういう必要があると思いますので、よろしくお願いします。
協議会からの要望に年度内に対応しているとは聞いているのですけれども、そのための予算が確保されていることが必要ですが、歩道やグリーンベルトや防護柵、そして白線など交通安全施設の整備のための予算に注目をしました。毎年、交通安全実施計画が策定されてますが、その中の交通安全施設等の予算は過去5年間の経年でどれだけの額なのかを伺います。
山浦道路部長:平成28年度から令和2年度までの5か年を順に申し上げますと、約3億6000万円、約3億9000万円、約4億円、約4億3000万円、約3億6000万円となっております。令和元年度から令和2年度にかけて減額になっておりますが、これは東京2020オリンピック・パラリンピック関連の事業が大半で、令和元年度までに完了したことが主な要因となっております。
白井委員:要望へどれだけ応えられているのかが気になるところなのですけれども、港北区内の状況を見てみましたら、区役所が実施する路面にスクールゾーンと標示する作業は、2019年度は新設、補修を合わせて55の要望に50実施しています。そして、2020年度、今年度ですけれども、38の要望に35実施しています。また、土木事務所が実施する工事のうち、路面舗装の補修やガードレールの設置、路側帯と言われる白線引きなどは要望に対して実施していると聞いてはいますけれども、グリーンベルトは2018年度は要望19に対して僅か2、2019年度は18に対して6しか実施していません。
これでは、保護者や地域の皆さんが要望を出しても出しても実現しないと諦めてしまうのも無理はないと思います。この要望への対応状況をどう見ているのかを伺います。
山浦道路部長:要望の中には、設置基準に合わないものや地権者の合意が得られないものなどの理由により応えられないものがありますが、対応可能な工事につきましては年度内に行うことを基本としています。また、関係機関との調整に時間を要することや予算上の都合などによりまして翌年度の対応となることもありますが、しっかりと対応しております。
白井委員:要望があっても、場合によって条件が合わなくて対応できない箇所があるということは理解しますけれども、全市的に対策必要箇所に応えられていないままなのは予算不足です。交通安全施設の整備の予算増がどうしても必要だと思います。局長、どうでしょうか。
乾道路局長:スクールゾーン対策協議会と連携いたしまして、また、土木事務所とともに子供たちの交通安全対策を進めてまいります。先ほども申し上げましたが、スクールゾーン対策協議会の皆様が、まずは子供たちが危険を回避するためにはどうしたらよいかという視点で通学路を確認し情報を共有することが重要だと思います。その中でどういうふうに対策を行っていくのかということも協議会の中でいろいろ御意見を交わす中で、いろいろな手当てを皆さんと共有することによって対策をしていきたいと考えてございます。それに必要とされます安全対策につきましては、引き続き国の予算の確保も含めながらしっかりと確保していきたいということで考えてございます。
白井委員:予算の確保についてはよろしくお願いいたします。
そこで、副市長にも伺っていきます。土地利用転換で宅地開発、マンション開発、新たに通学路として整備する必要が出てくる道路があります。そして、教育委員会では小規模校のデメリットを強調して学校統廃合も行われていて、新たに通学路の整備の必要もあります。この道路予算を高速道路に偏重していては、こういう新たなところへも対応が難しくなってきていると思いますけれども、子供の通行空間を安全に、車優先ではなく人を優先した道路整備ができるような財源確保が必要です。副市長に伺って、終わります。
平原副市長:私どもも将来を担う子供たちの安全を確保することは大変重要だと十分認識しております。大変厳しい財政状況ではございますけれども、必要な予算をしっかり確保いたしまして、引き続きソフト・ハード両面での交通安全対策にしっかりと取り組んでまいります。
議会での質問・討論(詳細)
2020年10月8日