大貫委員:日本共産党の大貫です。よろしくお願いします。
後で、スライドを使います。
藤崎副委員長:どうぞ。
大貫委員:私は、まず初めに、もう御存じだと思うのですけれども、JFEスチール日本製鉄所の京浜地区の設備休止、この件について横浜市として、経済局としてどんなことをつかんでいるのか伺います。それで、今、これを実は私は入手したのですけれども、(資料を表示)これを見て説明してください。(「大ざっぱだな」と呼ぶ者あり)
星崎経済局長:令和2年3月27日のJFEスチール株式会社様の記者発表、国内最適生産体制の構築に向けた構造改革の実施によりますと、鉄鋼事業を取り巻く国内外の構造的な環境の変化に対応し、高炉8基体制から7基体制への変更、競争力強化に向けた選択と集中による製品製造体制の見直しを軸とした構造改革を実施することを決定されたとのことでございます。具体的には、2023年度を目途に、東日本製鉄所京浜地区の高炉等について休止することが示されました。
大貫委員:止と言っているけれども、結局はそれによってさらに関係する設備が休止して、全体的に廃止するというようなことになってしまうと思うのです。それで、副市長にお聞きしたいのですけれども、この東日本製鉄所というのは、100年前から横浜に日本鋼管としてあったわけです。そうなったときに、横浜のものづくりの象徴的な存在だったわけですけれども、この高炉が休止して、その存在がなくなってしまうとなると、横浜のものづくりにも大きな影響が起きてくると思うのですけれども、その辺はいかがですか。
林副市長:ちろんJFEスチール株式会社様が、今回ある意味では世界的な競争力の変化に対応していくという苦渋の判断をなされたと思いますので、もちろん横浜市にとってそれ自体は残念なことでありますけれども、今後、その土地活用ですとか、京浜臨海部での連携等々、様々支援して次のステップアップに応援していきたいと思っております。
大貫委員:れは企業の立場からいうとそうかもしれないのだけれども、そこに働いている人がいるわけです。聞いたところによると、従業員、関係する人だけでも1200人、その半分が横浜市民だと言うのです。同時に、さらに関連業者を入れると4000人ぐらいの人たちが関係すると。家族を合わせると1万人以上の方が影響してくるわけです。その人たちの雇用のことを考えたときに、今おっしゃっているような形では横浜市としての立場としてまずいのではないですか。
林副市長:社からは、もちろんいろいろな課題はあると思いますけれども、従業員の雇用を確保し、協力会社等にも誠意を持って対応するというふうに取り組んでおられますので、その状況をまずは把握に努めたいと考えております。
大貫委員 どういう影響があるかということをきちんと調べて、その上で、できたら横浜市として、企業立地促進条例で企業を誘致して雇用をつくろうというときに、こういった状況、大企業の身勝手で動くような状況というのはやはりまずいと思うのです。その点できちんと言っていただきたいと思いますが、林副市長、どうでしょうか。
林副市長:FEスチール会社も、先ほど申し上げたとおり、世界的な競争力の中で苦渋の選択をされているわけです。私からすれば身勝手とは思ってないわけですけれども、その中で次の事業を模索されているわけですから、もちろん雇用の確保等に誠意を持って対応されるとおっしゃっていますので、それは望んでいますし、また今後の発展についても我々は協力していきたいと考えております。
大貫委員:ちんと市民の立場に立って対応してもらうことを要望しておきます。
次に、コロナ禍における本市経済への影響。このことは先ほど出ましたけれども、ちょっと私からも何点か質問したいと思うのですけれども、こういった感染症が今後も進む中で、横浜の経済というのはどういうふうに変化されると思いますか。これは局長、お願いします。
星崎経済局長:染症に伴う外出自粛要請や休業要請等によりまして、市内中小企業はかつて経験したことのないような厳しい状況に置かれております。本市では1月30日に特別経営相談窓口を設置しまして、2月から3月にかけまして、制度融資を拡充、創設するなど、早期から経済対策を実施してまいりましたが、スピード感を持って支援する重要性を改めて認識したところでございます。今後は、ウイズコロナ、アフターコロナの時代となる中で、東京一極集中が見直され、テレワークやリモートワークの普及、オンラインビジネスやキャッシュレス化などがこれまで以上に進むと考えられますので、中小企業の皆様の新たな日常への対応や、新しいビジネス展開をしっかりと御支援してまいります。
大貫委員:うなるとやはり、これまで中小企業振興基本条例というのは10年間たったわけです。その経過を踏まえて、これからのコロナ禍の状況を踏まえて、スパンで言えば、今後10年間、どういう方針を経済局としては考えているのか、伺います。
星崎経済局長:小企業振興条例ができましてから今年度でちょうど10年目でございます。先生方にお配りさせていただきました報告書の中にも、10年の振り返りというのを書かせていただいておりますが、横浜市の全局全区の中にこの条例が浸透し、そして中小企業への発注率も非常に高まってまいりました。コロナ禍におきましても、この条例の趣旨を再度組織の中に徹底し、中小企業、小規模企業への支援を引き続き続けていくことが大切だと考えております。
大貫委員:のとおりだと思うのです。これからも非常に重要な中小企業振興基本条例だと思うのです。この表を見てもらうと、先ほどもありましたけれども、この取組状況報告書の中に書いてあるのですけれども、一番被害が起きているのは小規模企業だということは分かります。なぜ小企業企業に集中的にこういうコロナの影響が出たのかということについては、どういうふうに分析されているのでしょうか。
星崎経済局長:小規模企業は、一般にその商圏及び取り扱う材、サービスが限定されておりまして、自らを取り巻く経済社会情勢の影響を受けやすいと言われております。今お示しいただいておりますのは、本市景況・経営動向調査における自社業況BSIの結果でございますが、6月調査では全産業でマイナス64.0、小規模企業でマイナス71.1でした。また、直近の9月調査でも、全産業でマイナス59.9に対し、小規模企業でマイナス63.9と、小規模企業の値が低くなっております。
大貫委員:そうしますと、小規模企業にこういう結果が出たというのは、人間で言いますと毛細血管で、健康でいるためにはそういった毛細血管である小規模企業というのが非常に重要だということを改めて明らかにしたと思うのです。
そこで、これまでの取組について、先ほどいろいろ出てきたのだけれども、ちょっとそこについてお聞きしたいのですが、2019年度で小規模事業者への強化支援事業がありました。これを見てみますと、強化全体の金額が3900万円なのです。非常に少ないと思うのですが、いかがでしょうか。
星崎経済局長:小規模企業に特化した事業をスタートした年でございまして、小規模企業の皆様がどのようなことを望まれるかということをよくお聞きして、順次行っているものでございますので、そういう金額になっております。
大貫委員:ということは、これからは必要に応じてというのでしょうか。これからは先を見ながら増やしていくということだと思うのですけれども、小規模事業者が非常に重要だということであるならば、やはり施策の鏡である予算を増やしていただきたいと思っています。
それで、それに対して企業立地促進条例で、2019年に横浜市が支援した金額というのは、37件で21億円になっています。先ほどと比べることがいいかどうか分からないけれども、実際として、誘致企業については22億円も出して、これからのスタート企業だといっても3900万円しか出さないと。これはすごく差があると思うのですけれども、この乖離についていかがですか。
星崎経済局長:先ほど御答弁させていただきましたとおり、企業立地促進条例の支援額を大きく上回る税収を確保しておりまして、これからも企業誘致促進条例に基づく企業誘致は進めてまいりたいと考えております。
大貫委員:その乖離です。一方はあれだけ多くて、一方は少ない。これからやはり、先ほど言ったように、横浜のこれからの経済の中心的な存在であるならば、これをもっとそれに近づけるような金額にしていかなければいけないのではないかと私は思うのだけれども、いかがですか。
星崎経済局長:経済振興策はそれぞれ振興する対象に応じまして、必要な求められる対策をしていく必要があると考えておりまして、小規模事業者の御支援は小規模事業者の御支援として非常に重要ですし、企業を誘致して横浜経済を活性化していくことも重要でございますので、両方を取り組んでまいりたいと考えております。
大貫委員:そこで質問したいのですけれども、認定企業への発注額、先ほどありました。横浜市の中の中小企業にどれぐらいの仕事を出しているかといったことを言っていましたけれども、2019年の市内企業への発注額、改めてお聞きします。
星崎経済局長:認定企業による発注額は、累計額で建設・設備投資は約3884億円、事業活動は単年で1967億円となっております。
大貫委員:単年度での事業活動のところが非常に重要だと思うのです。建設に関わるものは事業として建設するそのときにかかるものだから、やはり横浜市としては単年度でどれだけ発注したのかというのが大事だと思うのです。そのときの認定企業の発注額、出した仕事の量は幾らですか。
星崎経済局長:事業活動の発注額の総額は1兆489億円でございます。発注額の内訳で申し上げますと、うち市内が894億円、準市内が1073億円となっております。
大貫委員:企業立地促進条例の目的ですけれども、目的は市民雇用を増やすこと、それから市内の中小企業の受注の機会を増やすこと、この2つです。これが非常に大事なことだと思うのです。受注機会を増やすということは、認定企業がどれだけ仕事を横浜市内の中小企業に出したのかといったときに、8.5%しか出していないのです。これだと、はっきり言って、幾ら横浜市に企業が来たとしても、8.5%しか出ていないということは、企業立地促進条例そのものから考えてもこれは問題であるし、はっきり言ってあまり役に立っていないということではないですか。
星崎経済局長:条例の認定企業の方には、認定の際に認定通知書というのをお出ししておりますが、この認定通知書は経営層の方に直接お渡しをしております。その際、文書で、建設、そして事業活動において市内企業の積極的な活用を文書で依頼するとともに、私からも口頭で強くお願いをしております。また、認定企業から事業の実施状況について毎年度報告をいただく際にも、市内企業の事業機会の拡大に積極的に取り組んでいただくよう依頼しているものでございます。
大貫委員:その結果が8.5%だということはどういうことですか。
星崎経済局長:事業活動における発注につきましては、市内で事業を継続していただく中で、可能な限り、市内企業との取引を増やしていただきたいと考えております。立地企業には、様々な機会を通じて、市内企業の活用を呼びかけておりますが、今後も粘り強く継続してまいります。
大貫委員:そのために多額のお金を、横浜市は税金を補助しているわけです。結果が8.5%ということは、この横浜の経済にとって、企業立地促進条例によって来られた企業は8.5%しか横浜市内の中小企業に対しては効果を出していないということを明確に言うべきだと思うのですが、いかがですか。
星崎経済局長:経済活動がグローバル化している中で、市内のみで調達してくださいということは大変に難しくて、立地後の事業活動に影響を及ぼすことも考えられますので、市内発注の制約を設けるのは難しいと考えております。様々な機会を捉えて、市内企業の活用を依頼してまいります。
大貫委員:中身をよく考えてください。なぜ企業を立地させたのか、誘致したのか。企業が来ることによって、例えばAという企業が来たときに、そこに関わる様々な企業、中小企業がその周りに多く育って、横浜の産業として横浜の経済全体を支えていく、こういうことが必要なのです。だから、そういう意味でいうと、8.5%しか仕事を出してないということが、本来、立地企業が行うべきことやっていないということなのです。例えばもっと下請企業を増やすとか、さらに関連企業を増やすということをしていないということではないですか。
星崎経済局長:先ほど御説明申し上げましたとおり、市からの支援額を大きく上回る税収を確保しておりますし、先ほどの金額は、企業を誘致してこなければ、その金額が市内企業に発注されることもなかったわけですので、今はその金額が発注されておりますので、さらに粘り強く働きかけることで、市内発注の増加に努めてまいりたいと考えております。
大貫委員:企業が来て、その企業が横浜で頑張っていただいて、それで固定資産税も払って、法人市民税を払う、それはそれとしていいことなのです。だから、その企業にとってはいいのだけれども、そのことが横浜経済全体に、中小企業につながっていないということを言っているのです。それは今で言えば、まさにこの企業立地促進条例というのは大企業に対する優遇策でしかない。横浜経済にとっては8.5%しか意味がないんだというふうに私は思うのですが、いかがですか。
星崎経済局長:立地企業からは、先ほど御説明申し上げましたとおり、税金でもちろんお払いいただいておりますし、市内企業に発注もしていただいています。また、みなとみらい地区を中心にグローバル企業の本社や、それから研究開発機関などに立地していただくことで、市内の中小企業の皆様と一緒に技術開発をしていくというような、I・TOP横浜、LIP.横浜といった取組にも御参加いただいておりますし、これからYOXO BOXを中心に新たなスタートアップ企業が大企業とともに育っていくという、そういう新しいグローバルイノベーション都市横浜を推進していく一助となっているものと考えております。
大貫委員:企業誘致というのは必要なのです。大事なのです。私、否定するものではないのです。だけれども、そこに横浜市民の税金をかけている以上、その対価としたものがきちんと出ていなければ、これはやはり市民に対する約束というか、問題が出てくるわけです。
それで、誘致するためには、こういったの税制上の優遇策しかないのですか、ほかにもっと違った誘致策というのはないのですか、考えたことはないのですか。
星崎経済局長:企業誘致をしてまいります際には、先ほども何度か御答弁させていただきましたとおり、横浜のビジネス上の環境の優位性ですとか、横浜の先ほどのグラフでもございましたとおり、研究者が多い、専門技術者が多いというようなメリットを御説明させていただいているところですし、また再三御説明しておりますとおり、オープンイノベーションの取組というのも高く評価をしていただいているところでございます。ただ一方で、最後の一押しとなっておりますのは、企業立地促進条例による助成でございまして、数々の企業様にいろいろ働きかけをする中で大変重要な策となっていると考えております。
大貫委員:今、最後のことはかねてからよく聞く話、最後の一押し。だけれども、もっと違うやり方、横浜の強みとおっしゃいました。私、そのとおりだと思うのです。横浜は物すごく強みを持っていると思うのです。ところが、東京と比べて、いろいろと市長は言っているけれども、横浜には373万人の人口があるわけです。人口という一つの強みを使って、これを優位に展開していくことを考えなければいけないと思うのです。それから、横浜には港があるのです。これはもう世界に冠たる港なのです。その皆さんが流通の面でどういうふうにそれに関わっていくのか。さらには、横浜には農業があるのです。神奈川県で耕地面積第1位です、農家も1位です。こういうものに着目して、そこのところできちんと対応していく、その優位さを出していくことが必要だと思うのです。特に人口の問題で言えば、今度のコロナの問題でも、やはりいかに人が大切なのか、地域内経済のために人を介した経済の波及効果というのを考えていかないといけない。
それもきちんと考えないと、企業立地促進条例の皆さん、出てきた企業と、横浜にあるそういった強みを生かすような形の誘致の仕方も含めて考えていかなければいけないと思うのですが、いかがですか。
星崎経済局長:委員御指摘のとおり、横浜には様々な強みがございます。その強みをもちろん御説明させていただいておりますし、最後の一手として、支援制度が強い後押しとなっております。このことは、認定企業の皆様に、なぜ横浜立地を決定していただいたかということについて取らせていただいたアンケートでも、一番の決め手となったのが、市の立地助成金、税軽減策であるという答えとなっておりまして、2番がアクセスのよさ、3番目が従業員の通勤の順となっているところでございます。
大貫委員:私が昔、調査したときに、帝国バンクは全然違いました。ここでは言いませんけれども、私は今度、これは何といっても横浜の強みで言えば、政策的な強みもあるのです。例えば地球温暖化対策は、世界に対しても横浜の事業というのは優れています。これが徹底してもっと広がっていけば、例えば今、世界の企業でも環境対策をしているところに立地していくという方向も出していますよ。例えばアップルなんかでもそうだと思うのですが、そういったことを考えて、横浜の政策をきちんと出していかなければいけないし、さらには、もっと言えば、今、国際局も、横浜は自治体の外交としては大変優秀だと思うのです。日本の自治体が安全のため、世界の安全の平和のために頑張っているそういう都市なのだと。こういうことも含めて横浜の持っている大きな強みについて、もっと自信を持っていなければいけないと思うのです。お金で最後の一手ではない。
あえて言えば、これからさらにコロナの問題で人の交流がいろいろ変わってくる、それからニューノーマルによって世界の在り方が変わってくるときに、今までのやり方では駄目だと思います。今までのやり方は、お金で最終的に引っ張ってくる。それは金が切れたら縁の切れ目なんだから、そうではなくて、きちんとしたやはり横浜の政策が必要だと思いますが、最後にそれを聞くと、また違う返事が来るといけないから、これで終わりにします。(笑声)
議会での質問・討論(詳細)
2020年9月30日