議会での質問・討論(詳細)
2020年2月27日

■国際局【宇佐美さやか】

◆宇佐美委員 日本共産党を代表して質問します。よろしくお願いいたします。
まず初めに、国際交流ラウンジについて伺います。外国人労働者の受け入れ拡大を目標とした出入国管理法が改正され、2019年4月1日から施行されました。現在市内で暮らす外国人の人口が10万人を超えたということですが、今後ますます在住外国人の人口がふえることが容易に予測できます。言語、文化や生活習慣の違いで地域住民とのトラブルなど困難を抱える外国人のよりどころとなる国際交流ラウンジの役割はより重要になると考えます。
そこでまず、外国人の人口が急増している区を増加率の順に伺います。
◎赤岡国際局長 増加率順で申し上げますと、緑区から始まりまして、旭区、磯子区、神奈川区、青葉区という順でございます。トップの緑区では、過去5年で約5割、外国人の方が増加しております。
◆宇佐美委員 現在市内10区にラウンジが設置されています。中でも外国人の人口が1万人を超えた鶴見区、中区、南区は、予算案では機能強化を図り、コーディネーターが配置されると聞きました。そして先ほど伺った緑区は、外国人人口が5割急増したということでラウンジが新設されるということですが、このラウンジが設置される基準というものは外国人の人口の増加だけではないと聞きました。
ほかに基準のようなものがあるのか、伺います。
◎渡邊国際政策部担当部長 国際交流ラウンジの設置基準についてでございますけれども、基本的に地域のニーズ、そして国際化の状況に応じまして順次設置するということにしております。委員御指摘の外国人人口のほかには、例えば地域の外国人市民のニーズでございましたり、外資系企業数や企業で働く外国人の人数でございましたり、あるいは外国人を支援する市民団体、あるいはボランティアの活動状況などを総合的に勘案して決めることとしております。
◆宇佐美委員 地域というのは区からの要望ということでよろしいですかね。地域の受け皿体制があるかどうかがラウンジ設置に必要な基準ということですが、先ほど伺ったように地域で受け皿となる団体がなければ設置しないということですか、伺います。
◎赤岡国際局長 既存の国際交流ラウンジは10カ所あるのですけれども、そのうち6つがNPO団体などの市民団体、そして1つが区役所の直営、そのほかYOKEが運営となっておりまして、必ずしも運営団体が現地になければ設置しないということではございません。
◆宇佐美委員 国際局としてラウンジは必要ということは認識されていると思うのですが、地域からの要望、区からの要望を待っているだけのように聞こえてしまうのですが、ラウンジを設置できる手助けを局として何かしてきていますか。
◎渡邊国際政策部担当部長 日ごろから国際交流ラウンジ未設置の区とともによく意見交換をして実施しているところでございます。令和元年度におきましては、増加する外国人の対応というものをテーマにいたしまして、区長によるプロジェクト会議を開催しております。そこで、横浜市国際交流協会、YOKEからラウンジの運営状況等を紹介していただくなど情報共有に努めているところでございます。
◆宇佐美委員 いろいろ情報共有をしてくださっているということですが、受け入れ体制がなければ設置できないということではないということなのですが、ラウンジの設置を望んでいる区に、受け皿となる団体がないのであれば、区と連携して国際局が受け皿となる手助け、団体をつくる手助けをしてはどうかと考えますが、いかがですか。
◎赤岡国際局長 国際局といたしましても、もちろん現場に出ていっていろいろ議論をし、お手伝いをするということはやぶさかではございませんけれども、やはり在住外国人の状況は、国籍ですとか、集住状況ですとか、各区によってかなり違いますので、やはり実情が一番わかっている区が一番先頭に立って団体への支援などを進めていくほうがより効率的、効果的ではないかと思っております。繰り返しになりますが、もちろん国際局も国際交流協会、YOKEもお手伝いをしてまいります。
◆宇佐美委員 私は、局が先頭に立ってほしいと思っているのです。そして、まだ設置されていない区でも受け入れることができる団体があるのではないかと思うのですが、そういった団体にはラウンジの運営をお願いできないか、局から打診してはいかがですか。
◎赤岡国際局長 国際局に期待を寄せていただきまして、ありがとうございます。私どもも、もちろん現場に出ていって、さまざま現場の声も聞いていくという姿勢を持っておりますけれども、繰り返しになりますけれども、国際局単独で出ていって何かをしていくということよりも、やはり市民、区民に身近な区役所が実情に応じてさまざま担い手になる団体との調整をするということが一義的には必要かと思います。
◆宇佐美委員 でも、予算は局におりてきていると思うので局が先頭に立ってほしいと思うのですが、ここまでは受け入れる場所の問題を取り上げてきました。ここから受け入れ人について伺います。
ラウンジの運営はそれぞれの区が受け入れてくれる団体へ委託をしているということですが、ラウンジで直接外国人の皆さんと接しているのは、ほとんどがボランティアさんと聞いています。そして、そのボランティアさんには交通費も出ていないということを以前から私たちは指摘してきました。
これは改善されましたでしょうか、伺います。
◎赤岡国際局長 私どもも現場に出向いて実態の把握等に努めておりますけれども、現時点での考えは、市民団体の活動は団体の自主的なものでございまして、経費負担については各団体の考えによるものと認識しております。地域で御活動していただいている方々への御負担あるいは課題などはしっかり受けとめていきたいと考えております。
◆宇佐美委員 何か冷たいお返事なのですが、ボランティアの皆さんの善意だけに頼るのは事業の継続が難しくなると想像できます。やはりしっかりとした財政的な支援が必要です。
ボランティア頼みならないようにするために予算をふやすことを検討してはどうかと考えますが、見解を伺います。
◎赤岡国際局長 ボランティア頼みということではなくて、私どもは地域で活動をされる方々にラウンジという場所を提供し、さまざまな御支援を申し上げる、そういう姿勢で事業を進めております。国際交流協会を通じてボランティア活動のノウハウですとか、人材育成の相談研修などの支援をしておりますけれども、一方で、ラウンジ予算の拡充については、それは課題であるとは考えてございます。
◆宇佐美委員 課題だということを認識してくださっているようですが、ボランティアさんの意欲を引き出すためにも局からの予算ふやして、せめて交通費だけでも出していただけるようにしていただきたいと思います。そして、今回配置されるコーディネーターさんは非常勤での雇用になることを危惧しています。それぞれのラウンジで事業者が予算を工面して運営しています。局から予算、さらにふやしてください。そして必要としている区に国際交流ラウンジ設置していただくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、国際平和の推進と核廃絶に関する取り組みについて伺います。
1月19日に国際局が主催した横浜市国際平和講演会に参加しました。フォトジャーナリストの林典子さんのお話は、ガンビアやイラク、パキスタンなどの国内情勢が不安定な地域でどのような人権侵害が起きているのか、写真を通してよく知ることができたいい機会となります。しかし、残念なことに会場が満席となっていなかった。今回は500人の事前申し込みを受け付けていましたが、実際に会場にいらしたのは250人と半分にとどまっています。
なぜ席が埋まらなかったのか、その要因は何か、伺います。
◎三枝副局長兼国際政策部長 今回の平和講演会には、委員御指摘のとおり252人の方に御参加をいただきましたが、前回、平成29年に開催いたしました平和講演会の参加者は107人でしたので、前回に比べれば2.5倍近くの方に御参加をいただいたと考えております。ただ、一方では、事前にお申し込みをいただいた方に対して、当日、実際に御参加をいただいた方が8割弱にとどまっておりますし、また会場を大きくしたということもありまして、御指摘のとおり会場にはまだ余裕があったというのは事実でございます。そういう面では、広報におきまして、講演会の魅力を十分に伝え切れなかった面もあったのではないかなと考えております。
◆宇佐美委員 前回より多分応募の人数が少なかった、募集の人数が少なかったような気がしますが、今回の講演も、一昨年の平和首長会議の小溝事務総長の講演もとてもいい内容だっただけに、本当に参加者が少なかったのが残念に思っているのです。先ほどおっしゃったように、もっとうまくPRしてはどうですか。
◎赤岡国際局長 委員おっしゃるように、講演会を開催することと同時にPRをしていくことは大変大事だと、私どもも工夫を凝らして、前回よりも多くの方の参加を得たつもりでおりますけれども、さらにアンケート結果なども見ながら、次回開催時に向けていろいろ考えていきたいと思います。
◆宇佐美委員 PRをもっとした上で、平和という大きなテーマで市民が興味関心のある内容にしていきながら、講演会の回数をふやしていただきたいと考えますがいかがですか。
◎赤岡国際局長 この講演会は国際局において10年ぶりぐらいに再開をいたしまして、2回開催したところでございます。当面は年1回のペースで、委員おっしゃるように、参加人数ですとか広報とかいうような面での工夫も必要があるなと思っております。回数をふやすことも一つの大変有効なやり方だと思いますし、例えばリーフレットや動画を活用したさまざまな啓発ツールの活用ですとか、それから市民の皆様、市民団体が発信力のある取り組みをされています。そういった取り組みへの御支援ですとか、さまざまな機会を捉えて、工夫しながら啓発に努めてまいります。
◆宇佐美委員 全市で1カ所1回となると、行きたいと思っていても遠くて行かれないとか、日程が合わないとかということが足が遠のく要因となってしまうと思うので、大きな会場にしなくても、例えば各区の公会堂の会議室などを使って数十人規模の講演を開催してはどうでしょうか。
◎赤岡国際局長 御提案をいただきまして、ありがとうございます。実は元年度に、南区で連動する企画として、区の人権講演会と同じテーマで連動して講演会をやらせていただいたような取り組みもしておりまして、今後こういったやり方も検証しながら、回数がふやせればなと思っております。
◆宇佐美委員 いろいろ工夫していただきたいのですが、提案なのですが、5月には5月29日の横浜大空襲を体験された方々からの体験談を聞くことができる機会をつくっていただきたいと考えます。終戦からことしの夏で75年たちます。戦争体験をされた方々は年々亡くなられ、直接体験談を聞く機会が減りつつある中で、若い人たち、小学生にも、横浜で75年前に何があったのか知ってほしいと考えます。
ぜひその機会でつくっていただければと思いますが、見解を伺います。
◎赤岡国際局長 御提案ありがとうございます。委員おっしゃるように、国際平和については次世代を担う若い方々への理解を深めていくことが大変重要でないかなと思っております。現段階で、委員おっしゃる日付でやるという計画はしてございませんけれども、さまざまな講演会、啓発事業などを通じて若い世代への啓発を図ってまいりたいと思っております。
◆宇佐美委員 認識が一致できたと思いますが、8月には夏休みの小学生、中学生など、その保護者を対象として被爆者の体験を聞く講演会を開くのはどうでしょうか。横浜にも広島や長崎で被爆された方々がおられます。その方々に御協力いただき、核兵器の恐ろしさ、戦争の愚かさを知っていただく機会をつくっていただき、教科書では十分に教えてくれないことを知り、平和のとうとさが理解できるのではないかと思います。
ぜひそういった機会をたくさん提供していただきたいと思いますが、いかがですか。
◎赤岡国際局長 私も、いわゆる語り部という方から直接話を聞いたこともございますけれども、本当に直接体験された方からお話を聞くというのは、平和について深く考えるいい機会だと思います。一方で、長崎、広島の方とお話ししておりますと、75年たってそういった形でお話をできる方がどんどん少なくなっているというような実情がございます。新しいやり方も考えていかなければいけないということも私も実感をしておりますので、委員の御意見も踏まえながら、効果的な平和啓発を考えてまいりたいと思います。
◆宇佐美委員 核兵器の恐ろしさ、平和のとうとさを横浜市の子供たち、若い世代に知ってもらいたいという認識は一致できたと思うのですが、さらに世界では核兵器廃絶の取り組みを子供たちに知ってもらうためにも、ことし4月にニューヨークで開かれるNPT核不拡散条約再検討会議に合わせて開催される原水爆禁止世界大会に市内の親子、数組でも派遣してはどうでしょうか。2月21日の本会議で林市長に質問しましたが、派遣しませんという冷たい答えでした。
局長、核兵器廃絶に対する思いを伺います。
◎赤岡国際局長 ニューヨークで開かれる原水爆禁止世界大会への市民の派遣ということにつきましては、市長が御答弁したとおりでございまして、派遣する考えはございませんが、横浜市国際平和の推進に関する条例を踏まえまして、さまざま取り組みまして、核兵器のない世界の実現に国際局としても寄与してまいりたいと考えております。
◆宇佐美委員 世界は今、核廃絶のために動き出しました。こういった世界での動きなどは、残念ながらほとんど報道されません。だからこそ、平和に対する市民の意識を変えるためにいい機会だと思います。
ニューヨークにまでは派遣できないというのでしたら、せめて毎年8月6日広島、9日には長崎で開かれる原水爆世界大会に、秦野市のように市民派遣をしてはどうか、伺います。
◎赤岡国際局長 市民派遣を行う予定はございませんけれども、原水爆禁止世界大会を開催される皆様と核兵器廃絶に向ける思いは横浜市も同じでございまして、過去には市長メッセージを寄稿させていただいたりしております。今回も御要望があればそういった対応はもちろんさせていただきたいと思っております。
◆宇佐美委員 ぜひ派遣も検討していただきたいと思います。国際局は海外での事業を展開するだけでなく、平和な世界をつくるための人づくりにも貢献していただきたいということを要望し、質問を終わります。


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