議会での質問・討論(詳細)
2019年2月28日

■国際局(北谷まり)

◆北谷委員 北谷まりです。日本共産党を代表して質問いたします。

最初に、国際平和推進事業についてです。

過去3年間の予算額の推移と2019年度1000万円の内訳と事業内容を御説明ください。

◎小菅副局長兼国際政策部長 過去3カ年の予算の推移でございますけれども、平成28年度は27万1000円、平成29年度は120万5000円、平成30年度は120万5000円でございます。

平成31年度の予算1000万円の内訳及び事業内容でございますけれども、国際平和講演会を拡大しての開催、それからイベントブースの出展等で645万3000円、それから新たな広報媒体によります市民啓発が254万7000円、区局の事業を生かしました平和啓発事業支援が100万円となってございます。

◆北谷委員 私は2016年度の予算局別審査で国際平和推進事業費がわずか27万1000円しかなく、余りにも貧弱であることを取り上げ、予算をふやし国際平和講演会の復活など平和事業の拡充を提案しました。その後も機会を捉えて繰り返し国際平和推進施策の拡充を求め、市長にはヒバクシャ国際署名への賛同を求めてまいりました。さらに、昨年の第1回定例会で日本共産党は平和条例案を提出しました。経緯を振り返ってみると、これまで求め続けてきたことが少しずつ予算に反映されたものと思います。10月の決算局別審査でも取り上げましたが、市会で可決された核兵器のない世界の実現を求める決議では、平和首長会議総会を契機として広島市や長崎市と連帯しながらとあることから、両市主催の平和記念式典、原水爆禁止世界大会に本市から市民代表を派遣することを提案いたしました。また、平和首長会議行動計画にある青少年「平和と交流」支援事業などについても事業を進めていただくよう要望しております。

2月20日付で平和首長会議より市長宛てに青少年「平和と交流」支援事業参加募集が出されていますがどのように対応されるのか、伺います。

◎小菅副局長兼国際政策部長 第9回の総会において策定されました平和首長会議行動計画(2017年-2020年)にはさまざまな取り組みが掲げられておりまして、「平和と交流」支援事業もその一つでございます。本市では、パネル展や国際平和講演会を開催するなど、行動計画に掲げられました取り組みを実施しているところでございます。今後も、平和首長会議行動計画に掲げられました取り組みのうち、効果も考えながら、できるものから個別に対応を検討してまいります。

◆北谷委員 この事業は大変重要だと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

昨年2月、「『核兵器のない世界の実現』に向けた市民社会の役割」と題し、広島平和文化センター理事長であり平和首長会議事務総長を務める外務省OBの小溝泰義氏を招いての国際平和講演会が行われ、私も参加いたしました。この講演会を通じて市民と平和首長会議との接点ができたわけですから、市民の参加を促す取り組みを推進すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◎小菅副局長兼国際政策部長 昨年度国際平和講演会を開催いたしましたけれども、ことしは春から夏にかけまして開催に向けて調整しているところでございます。また、前回は100人規模で開催いたしましたけれども、平成31年度は200人から400人と規模を大きくして開催を検討してございます。

◆北谷委員 行動計画にあるヒバクシャ国際署名と連携した核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動の推進も進めていくべきだと思います。これは昨年の講演で小溝氏が言われた市民社会の役割だと思います。

ことしの国際平和講演会は規模を拡大してというお話でございましたが、昨年の小溝氏の講演が生きるような核兵器禁止条約の採択に貢献したサーロー節子さんやICANのメンバーなどによる講演を提案したいと思いますが、どのように考えているのか、伺います。

◎赤岡国際局長 興味深い御提案をありがとうございました。国際平和講演会の講師につきましては、御提案の方なども含めましてさまざまな方を候補にしてよりよいものにしていきたいと考えております。

◆北谷委員 昨年の講演会が生きるような実施を要望いたします。

本市は平和首長会議国内加盟都市会議総会に1回から5回までは不参加でしたが、2016年11月、佐倉市で開催されました第6回総会には係長が、2018年1月、高山市で開催された第8回総会には課長が出席されていますが、2019年度横浜市は出席の予定なのかどうか、伺います。

◎小菅副局長兼国際政策部長 委員おっしゃられましたとおり平成28年度から平和首長会議総会も含めまして毎年出席してございます。平成31年度は東京都国立市で開催予定でございまして、出席の予定でございます。

◆北谷委員 御出席ということですけれども、本来であれば市長がせめて、またあるいは副市長が出席すべきだと思いますけれども、副市長いかがでしょうか。

◎渡辺副市長 今副局長が御答弁いたしましたとおり平成28年度以降は毎年横浜市は出席しておりまして、出席者につきましては、その時々のスケジュールなども含めまして最大限横浜市の意思が表明できるようなことも念頭に置きながら調整をしていきたいと考えております。

◆北谷委員 副市長御自身の御出席の意思はいかがでしょうか。

◎渡辺副市長 現段階では私のスケジュールについては、まだ申し上げられるような調整は私自身も聞いておりませんし、そこは何とも申し上げられない段階でございます。

◎北谷市長 市長の御出席はぜひ御検討いただくよう要望いたします。

10月の決算局別審査でこれも取り上げたのですが、横浜大空襲の日5月29日を平和の日に設定し、過去の戦争の実態を伝え、現代の戦争やその国際背景についても学べる展示、研究、教育を発展させることが必要との考えに対し、局長は横浜大空襲の事実を後世に伝えることもぜひ参考にしてまいりたいと言われましたが、どういう方法で伝えていくのかなど御検討されたことはあるのか、伺います。

◎赤岡国際局長 昨年6月に御議決ございました横浜市国際平和の推進に関する条例の前文にも、昭和20年5月29日の横浜大空襲による多くのとうとい命が犠牲になったことを決して忘れることなくというふうにうたわれております。国際局では、この条例の議決を踏まえまして早速条例の広報に取り組んでおりまして、この条例を前文ともども広報することで、まずは横浜大空襲の事実を伝えるという取り組みをしてございます。今後も、他の事業の実施等に当たりまして、横浜大空襲の歴史も念頭に置きながら進めてまいります。

◆北谷委員 横浜市民は横浜大空襲によって多くの命が犠牲になったことを忘れず、国際平和と相互理解の推進に力を注いできました。ぜひ平和の日を設定していただき、市民の思いを横浜平和ミュージアムとして形に残していただくことを改めて要望しておきます。

次は国際交流ラウンジについてです。

各区にある国際交流ラウンジですけれども、10月の決算局別審査で実態をしっかりとつかんで、予算、体制ともに強化することを私は要望いたしました。2019年度ラウンジに関する区への予算についての説明をお願いします。

◎小菅副局長兼国際政策部長 国際交流ラウンジは区からの委託で運営されております。平成30年度実績でございますけれども、ラウンジ運営委託費合計で約1億5000万円でございました。そのうち国際局からはコーディネーター人件費等、付加的な支援をしてございます。平成31年度でございますが、合計で約790万円を計上してございます。このほかに、コミュニティーづくりや外国人向け情報発信など、ラウンジの機能強化のために2区に約530万円を計上してございます。

◆北谷委員 各区へのコーディネーターの予算ですけれども、こちらはお幾らなのでしょうか。

◎小菅副局長兼国際政策部長 各区へのコーディネーター人件費につきましては約60万円でございます。

◆北谷委員 2018年度と同額ですけれども、それでよしと認識されているのか、伺います。

◎赤岡国際局長 今60万円と丸めて数字を申し上げましたけれども、平均して平成31年度63万7000円、前年度が61万9000円でございます。少しでございますけれども増額を図ったところでございます。

◆北谷委員 区のラウンジの実態調査はされたのでしょうか。

◎赤岡国際局長 実態調査として体系的に調査をかけてまとめたということはございませんけれども、日々の業務の中で、YOKEを通じて、例えば国際交流ラウンジの協議会を開催する、あるいはYOKEの職員がラウンジを訪問するといった形で各ラウンジのニーズの把握等に努めているところでございますし、国際局の職員も必要に応じて現場に出かけるようにしております。

◆北谷委員 外国人材受入環境整備事業によって各区のラウンジが受けられるようになる支援内容、それから、ラウンジが受けるためのプロセスを御説明お願いします。

◎小菅副局長兼国際政策部長 横浜市国際交流協会に専門人材を派遣いたしまして、ラウンジへ派遣するなどによりまして、多言語相談対応や地域日本語教室の運営支援、日本人と外国人がともに住みやすいコミュニティーづくりなどの支援を行ってまいります。支援を受けるための方法でございますけれども、国際交流ラウンジの御意見を伺いながら、今後横浜市国際交流協会と検討してまいります。

◆北谷委員 御意見を聞きながらということなのですけれども、聞いて、どういう支援を決定するというそのプロセスをもう一度お願いします。

◎赤岡国際局長 外国人材受け入れ環境整備は平成31年度事業ということで今回お諮りしているわけでございますけれども、幸い平成30年度から国の支援もありまして1000万円の予算もついていると。補正もお願いしたということで、今鋭意準備を進めているところでございます。これについては、実際の実施に当たるYOKEで最終的に決めるわけでございますけれども、それに当たって、国際局も一緒にやってまいりますし、もちろん各ラウンジの意見を聞いて実態に合うような形でしていきたいと考えております。

◆北谷委員 国会で入管法改正の質疑で外国人技能実習生などの過酷な実態、人権侵害が明らかにされました。横浜でもこのような課題を抱えた外国人が支援を求めてくることが想定されます。

労働問題や人権侵害などの相談に対しての対応はどのように進めていくのか、伺います。

◎小菅副局長兼国際政策部長 国の総合的対応策におきましては適正な労働環境等の確保が位置づけられておりまして、本市といたしましても労働基準監督署やハローワークなど関係機関と協力してまいります。また新たに、横浜市国際交流協会に設置する総合的な相談拠点では、関係機関等と連携いたしまして相談対応を充実させるほか、各国際交流ラウンジで受けられる相談についても支援してまいります。

◆北谷委員 まず、外国人にとっての身近な場所であります区の国際交流ラウンジが利用されると思います。現状でも手いっぱいだということは前回の決算のときにも申し上げましたけれども、現状でも手いっぱいの区のラウンジは担い切れないのではないかと思いますが、体制強化する考えはないのか、伺います。

◎赤岡国際局長 今回お諮りしている平成31年度予算では、そうしたラウンジに対して困難ケースなど専門的な支援、相談等に対応するために、市の拠点としてYOKEにそういう窓口を置くと。YOKEと各区のラウンジが一体となって対応するという形を目指しておりまして、まずはそれで進めていきたいと。今後も、入管法改正を踏まえて、外国人人口等の状況を踏まえまして、効果的、効率的な体制を考えてまいります。

◆北谷委員 市内在住外国人が10万人を超えようというときに従来ながらの市民局の区づくり推進費で行う区事業とするのではなくて、体制を抜本的に見直し強化する時期に来ていると思いますが、どう考えておられるのか、伺います。

◎赤岡国際局長 これは委員からも御指摘がありましたように、国籍や集住状況など地域によって在住外国人の状況は異なりますので、まずは市民に身近な行政サービス主体である区役所においてラウンジを所管し、地域の状況に合ったサービス、支援を進めるのがふさわしいかなと考えてございます。

◆北谷委員 区のラウンジは予算が足りない、人手が足りないという状況があるわけですから、国際局がイニシアチブをとって体制強化を図るべきだと思います。

パスポートセンター事業について伺います。

ことし秋に県から事務移譲を受けることになりまして市のパスポートセンターが設置されるということです。産業貿易センタービルとセンター南駅に設置されるセンターですけれども、それぞれの職員体制はどうなるのか、伺います。

◎小菅副局長兼国際政策部長 センター南のパスポートセンターにつきましては、常勤職員4名、内訳ですが課長1、係長1、職員2でございます。それから非常勤嘱託員6名でございます。産業貿易センターのパスポートセンターは常勤職員4名、内訳は課長1、係長1、職員2でございます。加えて非常勤嘱託員10名で運営してまいります。

◆北谷委員 新たに一般嘱託員を雇用するということなのですけれども、どういう雇用条件なのか、伺います。

◎小菅副局長兼国際政策部長 本市の非常勤嘱託員制度に基づきまして勤務条件を設定してまいります。センター南、産業貿易センターともに勤務時間は県の非常勤職員に準じた設定でございます。報酬額ですが、本市の個人情報を扱う類似の職における報酬額をもとに今後総務局と調整して設定してまいります。

◆北谷委員 一般嘱託員はいわゆる非正規公務員です。非正規雇用の課題をどう認識しておられるのか、伺います。

◎赤岡国際局長 我が国におけるという趣旨かなと思いますけれども、まず民間における非正規雇用の問題では、待遇改善等につきましては全国的に議論もされておりまして、国のほうで取り組みが進められていると認識しております。具体的には厚生労働省によりまして、例えば正社員転換・待遇改善実現プランといったものが検討されていると認識しております。また、地方公務員につきましては、地方公務員法等の一部改正に伴いまして、適正な任用・勤務条件を確保することが求められているわけでございますけれども、来年4月の改正法施行への対応に向けて、総務局を中心に本市でも制度の見直しを検討していると認識しております。

◆北谷委員 非正規雇用につきましては、雇用期間に定めがあり、職場が安定しない、ノウハウが蓄積されないといった課題があるとされています。非正規雇用が公務員に拡大していることが問題視されて、地方公務員は今5人に1人が非正規と言われていますけれども、官製ワーキングプアと呼ばれています。

副市長、公正で安定した公共サービスの提供を求められる自治体がみずからワーキングプアを生み出していることについてどう考えているのか、伺います。

◎渡辺副市長 パスポート発給という新たな業務内容を横浜市で実施することになるわけですが、この実施に当たりまして、正規職員が担うべき業務か、あるいは嘱託員が担う業務とするか、これはこの業務、事務に限らず一般的に言えることですけれども、その業務内容を適切に精査した上で、どのような執行体制が最も効果的かつ効率的であるかという観点から、常勤職員と非常勤嘱託員の配置を判断したところでございます。今後とも、厳しい財政状況等も踏まえながら、各業務の内容を把握しながら、必要な人員、あるいはその体制、こういうものを整備していきたいと考えております。

◆北谷委員 今人員体制のことについての御説明だったと思います。ワーキングプアという課題を解決すべき立場にある行政がワーキングプアを生み出しているということは問題です。横浜市は現状をちゃんと直視して解決するということを考えるべきです。

副市長、もう一度聞きます。地方公務員法3条3項3号に規定されている特別職について、事務職員等であっても特別職として任用され、趣旨に沿わない運用が見られる。制度が本来想定するのは専門的な知識、経験等に基づき、助言、調査等を行うものだと。そういう認識があるかどうか、伺います。

◎渡辺副市長 国レベルにおきましても非正規雇用というものを正規雇用にかえていこう、そうすべきだということで政策を進めているわけですけれども、委員にはこれは釈迦に説法かもしれませんが、地方公務員法と地方自治法の一部が改正されまして、平成32年度からはいわゆる会計年度任用職員制度も始まります。それによりまして、今まで非常勤の特別職職員というものも、また臨時任用職員も、これは正規職員という形で位置づけられてまいりますので、今こうした内容につきまして、当局といたしましても検討もしておりますし、職員団体とも協議をしておりますので、そのあたりの検討を待って、平成32年度以降--平成32年度というのはもう存在していないのかもしれませんが、再来年度以降の適切な運用を図っていきたいと考えております。

◆北谷委員 これまで適正な任用が確保されていないから2020年4月から地方公務員法が一部改正となるわけで、そういうタイミングで適正な任用が確保されていないとされる事務職の一般嘱託員をふやすというのは理解できません。さらに、パスポートセンターは一時的に設置されるものではなく、一時的に発生する業務でもありません。であるならば正規職員が担うのが当然です。嘱託員で対応というのは余りにもお粗末だと思います。さらに、窓口は委託で行うとしておりますが、余りにも安易です。

直営で正規で行うべきと考えますが、局長いかがでしょうか。

◎赤岡国際局長 国際局といたしましては、現行制度のもとに最適と思われる体制を今回選択いたしまして、効率的かつ効果的な業務の執行を図っていくというふうに考えてございます。今後も、制度の改正等、しっかりと対応しながら工夫してまいります。

◆北谷委員 窓口ですけれども、どういう体制になるのか、伺います。

◎小菅副局長兼国際政策部長 窓口体制でございますけれども、一般旅券の発給申請・交付窓口におきましては、受託事業者が配置した業務責任者の指示のもと、受託事業者の職員が業務を実施いたします。

◆北谷委員 自治体業務の受託業者のもとで働く職員が官製ワーキングプアになっているということです。きちんと認識すべきです。

総務省の窓口業務における適正な民間委託に関するガイドラインでは、自治体には労働関係法に留意した適正な委託、個人情報の漏えい防止などが求められていますが、どのように対策を講じるのでしょうか。

◎赤岡国際局長 委員おっしゃいましたように窓口業務委託につきましては、総務省のガイドラインもございますので、これに沿って適正に運用してまいります。また、本市では、受託事業者が配置した業務責任者との連絡調整を行うのみであるということを徹底する等、防止対策を図ってまいります。また、個人情報流出につきましては、市個人情報保護条例等に基づいて厳格に運用しております。

◆北谷委員 市職員が善意で行った助言でも受託事業者の職員への指揮命令とみなされ偽装請負になるなど、こういう執務環境のもとで果たして本当に効率的な業務が行えるのか疑問です。本来公共サービスは直営で正規職員が行うべきです。委託や非正規職員に担わせるべきではありません。国際交流ラウンジもそうですけれども、市の業務である以上、正規職員で体制をつくるべきです。

再考を求めて、質問を終わります。


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