高速環状南線整備では事業者側でなく住民の立場で調整役の責任を果たせ
河治議員:おはようございます。日本共産党を代表して、質問してまいります。
最初は、高速横浜環状南線についてです。
東日本高速道路株式会社と国交省が主たる事業主体として整備を進めている高速横浜環状南線において、栄区庄戸地域では、20年にわたって住民運動が起きています。この道路整備において、本市の果たすべき責任と役割は何か、伺います。
山下道路局長:どうぞよろしく申し上げます。それでは答弁させていただきます。
横浜環状南線でございますが、圏央道の一部を構成しておりまして、本市の道路ネットワークの構成に必要な道路でございます。本市といたしましては、沿線の環境を重視しつつ、不足整備を推進し、市民生活の向上や経済活動の活性化を図ってまいりたいと考えてございます。
本市の責任と役割についてでございますが、少しでも住民のみなさまの不安が解消され、早期に完成できるよう、住民のみなさまと事業者および関係機関との調整を進める立場だというふうに認識してございます。本市といたしましても、引き続き事業者と連携し、話し合いや情報提供を積極的に行うとともに、できる限りの環境対策を実施するよう働きかけてまいります。
河治議員:委員長、ここでパネルの許可を願います。(どうぞ)
このパネル、これつくってきたんですけども、これは庄戸地域の地図ですね。そして、住宅造成前の地形や高速道路の位置を重ねた地図です。等高線の幅が狭くて、山あいや谷間、そしてこの地下水系、計画道路の合流部のトンネルの大きさなどがイメージできると思います。こういうふうなこの谷間の、それから山の急斜面を造成したここをトンネルが通ろうということなんですけども、この地域はまた武山断層帯を震源とする地震発生の確率が高いっていう所だといわれています。本市の安全管理局危機管理室が作成した地震マップですね、こういうのがあると承知していられると思うんですけども、こうしたことが、地震が多いということも指摘されているわけです。
このように、道路計画地は谷間を埋め地に30メートル弱の盛土を施した住宅地です。現在でも地下水の流動箇所となっている可能性も大だと。降雨時には斜面から雨水の供給も考えられるもので、地質学者や住民は、斜面崩落や地盤沈下の危険性を指摘しています。道路局は、この住民の指摘をどのように受け止めているのか、伺います。
山下道路局長:庄戸地区におきましては、大部分が安定した硬い地盤を通過しておりますが、一部に盛土部分が存在することが認識してございます。具体的な施行方法につきましては今後決めていくことになりますけれども、事業者は施行に先立ちまして地質調査を行うとともに、必要に応じて補助工法を併用するなど、その場にふさわしい方法を採用すると聞いてございます。本市といたしましても、できる限り地元のみなさまの不安を解消するため、事業者に対して必要な対策を講じるよう求めてまいります。
河治議員:計画地周辺は不安定な地盤で、危険要素が大きい、そういうようなところもあるというふうなことの答弁ですけどね。地下水に伴う地盤沈下や地震対策を取った上での工事計画の検討が行われているのかどうか、伺います。
山下道路局長:先ほどお答え申し上げましたとおり、具体的な施行方法はまだ決まってございません。施行方法が決まった後に工事計画の検討を進めることになります。地下水の変動や地盤沈下につきましては、地下水位の観測あるいは地質調査の結果をもとに、適切な施行方法や補助工法などを検討し、また地震対策につきましても今後検討していく予定ときいてございます。
河治議員:これ、国交省の大規模盛土造成地の変動予測調査ガイドラインの解説が出されているんですね。これは、平成19年4月。実はこのガイドラインが出されているんだけれども、これに基づいた調査というのは本市はやっていないというふうに、地元では言っているんですね。こうしたことに対する現状認識、小松崎副市長はどのように認識してられますか。伺います。
小松崎副市長:道路を整備するということにあたりましては、事業主体が横浜市であれあるいは今回のような第三者であれ、私どもとしては道路作りのプロとして、必要な所要な調査等々についてきっちりと行っていくあるいは行わせていくということでやってまいります。どうぞご理解いただきたいと思います。
河治議員:私は、住民の合意を得ることが事業を進めるカギだというふうに思うんです。本市が、事業の推進を図ろうとするのであれば、先ほど述べました環境や地盤沈下、地下水、地震など、住民が指摘している問題の対策をとり、住民の理解が得られるよう、この立場に立つべきだと思うんですね。そうしたことをネクスコに求めるべきだと思うんですが、いかがですか。
山下道路局長:地盤沈下あるいは地震対策等につきまして、今後詳細な検討を行う予定というふうに聞いてございますけれども、今後につきましてもこれまでと同様、事業者と連携して、住民の方々にご理解をいただくための検討の進捗に応じまして、段階毎に具体的な対策を説明するよう努めてまいります。
河治議員:住民は、問題解決を図るために、車線の減少とかシールド工法による神戸橋の下越え案を提案して、事業者に歩み寄っているわけですよ。絶対反対だといっているわけではないんですね。本市は住民の立場に立って調整役の責任を果たすというふうにいわれたんですけども、再度見解を求めます。
山下道路局長:ただいま車線数の削減あるいはシールド工法の下越えというお話、住民の方々のお話ありました。車線数につきましては、道路構造例あるいは道路区分や計画交通量によりまして決定されてございまして、昨年の11月に開催されました事業経過の監視委員会、こちらにおきまして、現計画での事業の継続が承認されているところでございます。
また、下越え案でございますけれども、現計画と比較いたしますと課題が多いと事業者から聞いてございまして、現計画が妥当だとした事業者の判断は本市として適切だというふうに考えてございます。我々地元の方々と、特に庄戸地区のみなさまとは平成13年から主に環境問題についてを議題とする協議会を開催し、下越え案につきましては20年の4月から約1年間にわたり10回にわたって技術検討会を開催し、数多くの話し合いをしてきております。
環境対策や下越え案などにつきまして、事業者も含めこれ議論してまいったところでございます。引き続き事業者と連携し、事業に対しご理解をいただけるよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。
河治議員:いろいろといわれるんですけども、結果としてですね、答弁そのものは調整役が責任だといわれるんですけども、事業者側の立場に立っているというふうなことしか、私には感じられないわけですよ。こうしたことで、本当に事業のこのことが足かせになっているというふうなことになっては困ると思うんですね。やっぱり推進ということでネットワークをつくるということであれば、事業者の下越え案というところについて、本当にそれがどうしてできないのかというふうなことも含めて検討すべきじゃないかなというふうに私は思うんです。要望します。
今宿橋、前山橋の狭い車道や歩道の段差解消を市独自で早急に
次は、帷子川の河川改修について、伺います。
帷子川流域は台風や豪雨の度重なる水害を受けました。特に2004年度の台風は横浜駅西口を初め、大きな被害を出しました。河川上流部に隣接する上川井地域では、あるお宅では土嚢が常時準備されているんですね。河川改修事業の現在の特に旭区側になるんですけども、河川改修事業の進捗率、それから整備状況、同時に整備をする上での課題は何か、一緒に伺います。
中田担当理事兼担当部長:本市が河川改修事業を実施しておりますのは、帷子川上流の上白根1丁目から上川井町までの約6キロの区間でございます。その回収率は平成21年度末約66%の見込みとなってございます。現在、旭区上白根1丁目から川井宿町にございます都岡消防出張所付近までの護岸改修約4キロメートルは完了しております。今後は残り2キロの改修を行ってまいりたいと思っております。
また、整備をする上での課題でございますけども、蛇行している帷子川を改修するということで多くの用地取得が必要になってございます。今後取得を進める区間には、大規模工場等が立地しておりまして、その代替地の確保あるいは用地取得が難航しているという状況でございます。また、河川改修にも旧河川敷の取り扱いというものが課題となっておりまして、河川管理者でございます神奈川県と調整を進めている段階でございます。
河治議員:なかなかたいへんだと思うんですけれども、よろしくお願いします。
すでに整備が完了した地域において、旧河川が豪雨時の雨水貯留用として残されています。護岸の老朽化の安全対策をどのように考えているか。また、今宿橋、前山橋の狭い車道や歩道の段差があって、住民も困っているんですけども、というふうに私のところにも要望があるんです。解消について整備をどのよう考えているか、伺います。
山下道路局長:旧河川部の管理用通路がなく、現況のままでは老朽化している護岸に対して十分な対策を講じることが難しい状況でございます。旧河川の安全対策につきましては、旧河川敷の利用方法を河川管理者でございます神奈川県と協議中でございまして、今後は市民ニーズも踏まえた利用計画を策定する中で、護岸の補強を検討してまいります。
今宿橋、前山橋における狭い道路でございますが、旧河川敷の取り扱い方法が決まり次第、計画等の整合を図った上で、道路の拡幅整備を行ってまいります。今宿橋の歩道の段差があるわけでございますけれども、これも道路整備に合わせて実施してまいります。いずれにいたしましても神奈川県との協議を行ったうえでの実施ということになります。また、神奈川県の協議が整うまでの間どうかという話でございますが、今宿橋の歩道段差の応急的な対応につきましては、スロープの全体をバリアフリー化するには隣接してございます民家の出入り口が支障となるため困難な状況でございます。買い物用のカート等が通れる程度の斜路あるいは手すりの設置など、地元の方の意向を踏まえつつ検討してまいりたいというふうに考えてございます。
河治議員:今宿橋、前山橋、この改修なんですけどね、河川全体と考えたらいつになるかわかんないんですよね。独自にできると思うんですけども、そのへんではどうでしょうか。
山下道路局長:ご存知のとおり、旧河川敷の方で、県が貯留ということの施設という位置づけがあると、そこを埋めるわけにもいきませんので、そこらへんについていま、かなり細かい段階での調整を進めてます。地元の要望をきちっと県の方にも伝えておりますので、これからも引き続き協議をしてまいりたいというふうに思ってございます。
河治議員:埋め戻さなくて、橋梁であればできるわけで、考えてください。
それから、帷子川の改修事業は河口部分の改修が重要になっているわけですけども、横浜駅周辺の大改造計画と切り離せないし、そのためにも河川の管理の県について、きちっと協議をいっそう進めてほしいと思うのですが、どうでしょうか。
山下道路局長:河口部の河川改修につきましては、河川管理者でございます神奈川県が行っているために、いっそう安全面の向上に向けて、我々としてはあらゆる機会に河川改修を促進するよう要望するとともに、整備箇所についての情報をいただくようにしてございます。
河口部の改修工事はJRの貨物線橋梁がございまして、これの改造がたいへんな難工事ということでございまして、長い時間あるいは多額の費用がかかるというふうに聞いているところでございます。
河治議員:この局の持ち時間がないので終わりにしたいと思います。