養護老人ホームの定員削減計画を見直し、必要な整備を
みわ議員:みわ智恵美です。日本共産党を代表し議案関連質問を行います。
始めに、市第128号議案「横浜市老人福祉施設条例の一部改正」についてです。
この議案は、居宅での生活が困難な高齢者を市町村が入所させ、自立した日常生活を営み、社会的活動に参加するために必要な指導及び訓練その他の援助を行う措置施設である横浜市の養護老人ホーム「横浜市恵風ホーム」の廃止議案ですが、横浜市がこれまで公設・公営で養護老人ホームや特別養護老人ホームを設置してきた意義について、まず伺います。
また、今回の公設の「恵風ホーム」が廃止されることで、横浜市には公設・公営の高齢者入所施設がなくなり、困難で複雑な対応を求められる事例などへのパイロット的な役割を果たすべき市の責務を、民間にゆだねるしかないということになります。この点についての市長の見解を伺います。
林市長:みわ議員のご質問にお答え申し上げます。公設公営の老人ホームの意義ですが、施設サービスの提供が質量とも十分でなかった時代に、行政が施設を整備し運営することで、必要なサービスを確保することや民間施設を先導する役割を担ってきました。公の高齢者入所施設がなくなることについてですが、介護保険制度が始まりグループホームや小規模多機能型居宅介護などサービスの種類が増えました。また、民間事業者の参入も進み、特別養護老人ホームなどの入所施設も増加しました。恵風ホームは老朽化が進んでおりまして、建て替えを契機に民間への運営に切り替えます。
みわ議員:1月4日早朝に発生した中区寿町の簡易宿泊所における火災で、80代と60代の方が亡くなりました。心より哀悼の意を表します。140人が宿泊していたとされる簡易宿泊所ですが、消防法や旅館業法の基準を満たした耐火構造の10階建てビルにもかかわらず、火災での被害があまりにも大きく、今後同じような犠牲者を出さないためには、どうするべきかを真剣に考えなくてはならないと思います。亡くなられた方は、介護が必要な方だったとも伺っています。
どの部屋も6平方メートル、3畳一間です。部屋には押入れもなければ洗面所もありません。市長に伺いますが、亡くなった方は自力で逃げることができない介護等が必要な方も含まれていますが、この事故についての見解を伺います。
林市長:寿町の簡易宿所宿泊所における火災についてですが、この度の火災でお亡くなりになられた方には心からご冥福をお祈りいたします。また負傷された方々にもお見舞いを申し上げます。
簡易宿泊所には介護が必要な方も含めて大勢の方が暮らしていらっしゃいます。今後も消防局、建築局を保健所の合同立入検査を実施するなど連携して取り組んでまいります。また、中区においても火災予防のチラシ等を用いた啓発活動を行い、このようなことが今後決して起きないようにしっかりと進めてまいります。
みわ議員:私は、当日現場に行き、簡易宿泊所利用の方々からお話を伺いました。寒空の下、火災が発生した簡易宿泊所の前には、火事の現場検証中で部屋に入れないという方が佇んでいらっしゃいました。その方は、車いすを使用されていました。「自分は他のところがよかったが、区役所から、ここはエレベーターがあるからとこの宿泊所を紹介された」と教えていただきました。また、別の方は、「住所は中区ではない」と話しておられます。
党市会議員団として、このような事例から、他の行政区から中区の簡易宿泊所を紹介されて利用されている方についての調査をしました。そこで、500名を超える生活保護利用の方が、他区などから中区の簡易宿泊所を紹介されてきていることが、今回初めて明らかとなりました。他の区で生活保護を利用することとなった方が寿町の簡易宿泊所に集められており、その中には、介護が必要な方も大勢いらっしゃいます。本来は住まいの確保が必要な方々に対して、簡易宿泊所を、行政があたかも公的な施設のように住まいと位置づけて使用しているということではないでしょうか。見解を伺います。
林市長:寿町の簡易宿泊を利用することについてですが、住まいを喪失した方からの相談においては、まずは住まいを確保することが大変重要です。通常、生活自立支援施設「はまかぜ」をご案内していますが、施設での集団生活を希望されない方に対しては、簡易宿泊所を案内することがあります。なお、簡易宿泊所には、居住後は、ご本人のご意向に基づきまして、アパートへの転居支援などを行っております。
みわ議員:簡易宿所利用者は、自分で選んでいる方もあるとの説明もされましたが、3畳一間で押入れもなければ洗面所もない部屋を、本気で選ぶ方がどれだけいると市は考えているのでしょうか。簡易宿泊所に高齢の方々が住まわされているという実態は、高齢者入所施設や市営住宅などが圧倒的に足りていないことを証明しています。
中区寿町には、横浜の港運業を長年支えられてきた方々、横浜の街をつくる建設の現場で働いてこられた方々が、高齢となり体が不自由になっても住み慣れた町だと愛着を持って居住されておられる方々もいらっしゃいます。また、他区や他の都市から転居してくる方もありますが、65歳以上の方々が占める割合は、55%です。市平均が24%ですから、中区寿町の高齢者が多い実態は行政が作り出したものと言えますし、この現実を直視すれば、横浜市として高齢者の安心できる住まいの確保という重要な施策が見えているのではないでしょうか。ところが、第7期横浜市高齢者保健福祉・介護保険事業における事業計画には、要援護高齢者の生活を支える施設である「養護老人ホーム」の定員が、第6期で548名から第7期498人にと定員を減らしています。
今回廃止する「横浜市恵風ホーム」は170人定員でしたが、改築されて開所する名瀬の森は定員が120人。横浜市としてまだ高齢化がそれほど進んではいない時期に「環境上の理由や経済的理由で、家庭において生活することが困難な方に、明るくて楽しく安心して生活を送っていただく施設」である養護老人ホームを設置してきました。高齢化の進展・独居高齢者の増加の中で、計画定員を減らすとは時代の要請に逆行するものです。
まず計画を実態に見合った数に引き上げ、今回廃止される「横浜恵風ホーム」跡地には、高齢者のための入所施設をつくるべきと考えますが、どうか伺います。
林市長:恵風ホームの跡地活用についてですが、公立の施設を整備する予定はございませんが、跡地を効果的に活用できるように様々な角度から検討していきます。
第二質問
みわ議員:市長は、寿町の簡易宿泊所には一時的に住まいの確保ということで入所を勧めることがあっても、その後にアパートを紹介するなどの案内をしていますと言われましたが、住まいの確保というのは当然ですが、簡易宿泊所は住まいと言える場所ではないことは、先ほど申し上げた通りでございます。今の寿町に介護が必要な方々は様々にサービスがあるとも言われましたけれども、一人で生活できないという事態であれば他にアパートを紹介されると言っても不安になるのは当然ではないでしょうか。
そういう中で、恵風ホームのパンフレットに書いてありました「環境上の理由や経済的理由で、家庭において生活することが困難な方に、明るくて楽しく安心した生活を送っていただく施設」。これは、養護老人ホームのまさに老人福祉における重要な役割を表している言葉だと思いますから、やはりこれは抜本的に市の計画が養護老人ホームの入所定員を減らしている、これは重大なことだと思います。今、高齢化が進み短期一人暮らし、独居の高齢者、こういう方が増えている中で、まさに養護老人ホームは時代が求めている施設です。定員をきちんと増やすこと、そして恵風ホームの跡地には、養護老人ホームなど高齢者の安心して生活できる入所施設をと改めて求めます。
林市長:ご質問にお答え申し上げます。今、みわ先生がおっしゃったことはですね、本当に私もよく理解しております。本当に高齢者の方が圧倒的に、私を含めまして増えていく時代に、これから、少子高齢化という中ですね、働き手もない中で、どのように社会的に立場が弱くなった方たちをお守りするのかという問題、財政的にも厳しいものがありますので、持続可能な、すべての方が不幸にならないような、皆さんがそういう生き方ができるような、お守りするのが私たち基礎自治体の役目かと思いますけれども、私どもとしては、持続可能なこと考えつつ、出来ることを最善に私はやってきていると考えています。
先生がおっしゃっていることも分かりますが、今横浜市としては、高齢者の入所施設が違った形で、社会の状況に合わせながら、より多くの方が困らないようにということで、政策的な方針転換もしてきたわけでございます。先生のお言葉も理解できるけれども、逆に精一杯のことをやっている、ちょっと言い訳がわましいことでございます。それから寿町の簡易宿泊所の利用で、その後、「はまかぜ」をご案内しているということ、ご説明申し上げましたけども、ご本人の意向も沢山色々とございますので、そこのところの、その後のケアについては、いま一所懸命やってるところでございまして、本日先生からご意見があったことをふまえてですね、今後とともより良い方策も考えてまいりたいと思いますが、現段階では、今のこの方針を変えるということはございませんので、ご理解を賜りたいと思います。
中学校を廃校にして、地域の再生ができるのか
みわ議員:次に、市第131号議案「横浜市立学校条例の一部改正」についてです。
横浜市の大規模団地開発によって野庭団地に設置された野庭中学校は、かつては1400名を超える大規模校でした。野庭中学校が大規模校であったときに生徒の学習環境改善にと近隣に新設されたのが丸山台中学校です。市営住宅に於ける高齢化の進行で、団地内の子どもの数が減り、この2校における統合などについて審議が行われ、結果的に、統合案が示されています。
現在、7000戸の野庭団地では、その中の3000戸を超える野庭市営住宅の再生がすすめられようとしていますが、市の市営住宅の再生に関する基本的な考え方には、「必要なサービスを持続的に提供するとともに、地域の活性化を目指す」としています。
また、市営住宅の役割として、「住宅セーフティネットの根幹として、増加する住宅確保が困難な高齢単身・夫婦世帯を中心に対応を図る」としながら「一方で、高齢者の集中によるコミュニティ活動の希薄化等を回避するために、高齢者のみならず、子育て世代など多様な世帯や世代が居住できる住宅供給等を図り、ミクストコミュニティーを形成する必要」もあるとしています。団地再生にあたって中学校の無い街づくりは団地再生の今後の取り組みにマイナスの影響が出るのではないでしょうか。見解を伺います。
また、学校は地域の文化交流の核です。ただこどもが学ぶ場としてあるだけでないことは当然ですが、野庭中学校が、これまでに地域コミュニティーの中で果たしてきた役割についての見解を伺います。
野庭中学校のグランドや体育館、校舎などは、地域住民やこどもたちのスポーツ文化の活動の拠点として施設を今後も活用できることが地域社会の財産としても必要だと考えますが、見解を伺います。
林市長:中学校閉校による野庭団地再生の取り組みへの影響ですが、野庭団地は70ヘクタールを超える大規模な団地となっています。そのため、周辺も含め地域全体の活性化に向けて中学校の閉校を踏まえ、コミュニティや防災、環境など様々な視点を持って総合的に検討していきます。
鯉渕教育長:野庭中学校が地域コミュニティに中で果たしてきた役割についてですが、学習支援を行っていただいたり、学校行事に参加していただいたりするなど、多くの皆様が集まり交流を深める場の一つとしてコミュニティの形成に一定程度寄与してきたと認識しております。
学校統合後も野庭中学校の施設を地域活動の拠点として存続すべきとのことですが、丸山台中学校との学校統合後、野庭中学校の土地建物につきましては、横浜市資産活用基本方針に基づき、関係区局で連携して立地特性や地域のニーズ等を十分に把握しながら、本市全体で今後の利活用の検討を進めてまいります。
みわ議員:また、横浜市学校規模適正化等検討委員会あてには、両校の統合などを検討審議した学校長・連合町内会代表・PTA会長等で構成される「『野庭中学校・丸山台中学校』通学区域と学校規模適正化等検討部会」から、「地域の声などを踏まえ、地域防災拠点機能の存続等を」求める意見書が10月31日付けで出されています。また、先日行われた区づくり議員会議でこの課題についての港南区の考えを確認したところ、引き続き地域防災拠点として活用されることを求めているとのことでした。市が設置してきた学校は、地域にとって、また行政にとっても、様々な意味で重要な場所になっています。野庭地域においても野庭団地中央部にある野庭中学校のグランド、体育館、校舎などは、引き続き地域防災拠点機能を維持するべきと考えますが見解を伺います。
林市長:野庭中学校地域防災拠点の存続についてですが、閉校となった学校については、跡地利用施設が地域防災拠点として利用可能であり、その施設管理者の了承が得られた場合には、引き続き指定することにしています。野庭中学校の跡地利用につきましては、横浜市資産活用基本方針に基づき、今後検討してまいります。
第二質問
みわ議員:野庭地域における防災拠点についてですが、野庭団地地域は、地域の広域避難場所に指定されております。先ほど市長は、そこに学校があればその設置者にご協力を頂いて、市はこの防災拠点にさせて頂いてるという風におっしゃいました。つまりこの広域避難場所である野庭団地地域の中心にある野庭中学校、市として、地域防災拠点をお願いするとそういう方向が求められているのではないかと伺いまして、質問を終わります
林市長:野庭中学校の地域防災拠点の存続でございますが、これについては先ほど答弁した通りでございまして、跡地利用については、横浜市資産活用基本方針に基づき、今後検討してまいります。
過大な財政負担となる学校用地等価交換の見直しを
みわ議員:次は、第135号議案 「神奈川区新子安一丁目所在土地と同所在市有地との交換」についてです。
学校用地交換交渉の長期化、旧子安小学校用地の全部ではなく部分との交換で、市の財政負担が過大となったことに対する問題についてです。市として交渉力を発揮し、旧子安小学校の土地全部との等価交換を行う方針が貫かれれば、市の負担は現校舎の土地評価額と旧校舎の土地評価額の差である9億円程度で済んでいました。ところが最終的には、南側のみを交換地条件とするという等価交換そのものがゆがめられ、26億円もの負担での交換となりました。
私は、この交換交渉が難航し、港南区の学校用地にまで影響を及ぼしてきたときに、市長に対し、最小の負担で最大の効果を出すべきで、企業の社会的責任を求めて市長自身がこの交渉に係るべきことを申し上げてきました。しかし、結果は、日本を代表する大企業である三菱地所が、企業の社会的責任を果たすどころか、横浜市から自らの企業にとって有利な条件と税金を引き出すという構図となっています。大企業言いなりで、市の財政的負担が過大となってしまったことに対して見解を伺います。
林市長:市の財政負担が多いのではないかということですが、現在の子安小学校用地は、住宅開発の予定がありましたが、学校予定地に転換を図ることができました。土地交換が旧子安小学校敷地の一部の提供となったのは、地権者と十分に協議した結果であり、残地については、まずは公共目的での活用を検討しています。
みわ議員:現在、利益最優先でのデベロッパーの開発によって、市は次々と学校建設の必要性に迫られ、結果として、デベロッパーの言いなりでの土地交換・土地取得がすすめられるなど、公正公平な取引となっていない場面が拡大しているのではないでしょうか。1月23日には、港北区の箕輪小学校建設用地購入については、不当な高額な対価の支払いだとして、市民286人が住民監査請求を行いました。市は開発事業者との調整にあたっては、教育委員会を矢面に立たせるだけで、全市的に取り組む体制ができてません。公正公平な取り組みとするためにも、抜本的な体制の見直しが必要と考えますが、どうか伺います。
林市長:開発事業者との調整についてですが、大規模な土地利用転換が生じる際には、土地取引前や開発構想の早い段階から協議を進めています。具体的には、関係記憶の部長級による土地利用総合調整会議を開催し、本市の土地利用の方針や地域の課題などの意見を取りまとめます。その上で事業者に助言や要請を行い、適正な土地利用を誘導しています。
放置されている学校の危険なブロック塀改修工事の速やかな完了を
みわ議員:次は市第145号議案 「平成30年度横浜市一般会計補正予算」のうち、「市立学校ブロック塀対策事業」についてです。
大阪北部地震での痛ましい事故を受けて市は直ちに調査を行い、危険と判明した横浜市立の61校のブロック塀については、除却は60校で実施されたと伺いました。一方で、フェンス設置などで工事完了は5校のみ。フェンス設置が不要な2校を除いても、残りの54校では、ブロック塀が撤去されたままの状態で、数か月間おかれています。中には、公道に面したところもあり、自由に子どもが出入りでき、危険な状態にあるところもあります。保全公社への一括発注が正しい判断であったのか疑問です。この状態に対する見解を伺います。
教育委員会は、後2か月でこれらのブロック塀改修工事を完了するとしています。こどもたちのために安全で安心できる学校を保障するためにもこのブロック塀対策事業は、新学期までに完了しなければなりませんが、これまでの2か月間で5校しか工事完了できていないこの状況では、残り2か月で完了できるのか心配です。この安全対策の事業を完了するために教育委員会はどのように責任を果たしていくのか伺います。
鯉渕教育長:3月末までに完了することについての責任の所在ですが、児童生徒の安全安心については、この前と同様、教育委員会として責任を持って対応全てまいります。また、数が多かったことから当初設計に時間を要しましたが、資材の手配についても見通しが立ちましたので予定通り3月末までに、全ての学校においてフェンス等の設置を完了できるものと考えております。以上ご答弁申し上げました。
なぜ、民間のマンション建設に税金の投入を行うのか
みわ議員:最後に、市第145号議案 「平成30年度横浜市一般会計補正予算」の繰越明許費補正についてです。
桜木町駅の南側に新設する改札口の工事費用については、JR東日本が42%負担し、横浜市は58%の負担と聞いています。近年、桜木町駅は乗降客が増え、休日などはエスカレーターや階段での混雑は事故の危険を感じるほどです。JRとして乗客利用者の安全のために必要なのは、現南口の改札改善ですが、構造上実施できないということです。そこで、利用客の利便性向上にと北口を開設したように、JRとして南側に新たなる改札口を設置することが必要だと思いますが、ここで、横浜市は新市庁舎ができることに合わせて桜木町新改札口設置事業について、JR東日本との協議を行い、相互に協力して進めることとしていますが、新改札口が必要なのはJRの側ではないでしょうか。利用客にとっての安全と利便性向上を手に入れ、市の実施するまちづくりによってJRはさらなる利益を手に入れることとなるのです。42%の負担割合はあまりにも少なすぎます。ですから、横浜市は、JR東日本にその利益にふさわしくさらなる負担を求めるべきと考えますが見解を求めます。
林市長:桜木町駅新改札口の設置事業についてですが、JR東日本は、鉄道事業者の混雑対策として、現在使用している改札の状況を想定していましたので、その相当額を応分の負担といたしました。このため追加の負担を求める考えはありません。
みわ議員:横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業は、国家戦略特区の対象とする中で、この地区における規制を、結局は容積率500%を850%にまで緩和し、莫大な利益を企業にもたらすものとしています。その上に、市街地再開発事業における補助を行おうとするものですが、補助金を出そうとする根拠法である「都市開発法」では、「予算の範囲内において」「その費用の一部を補助することができる」というものであり、補助金を出すことは全くのお手盛りであり、緊縮財政であるとして中学校給食はできない、国保料の値下げもできないとしている中で異常な支出です。しかも補助理由についても、防災上の向上、都市機能の更新というあいまいな説明がこれまでされてきました。
更に、補助対象については、土地整備については、工事中の移転補償費13億2500万円のうち3億1800万円を、タワーマンション建設の308億9200万円のうち、マンション内の共用廊下や商店の通路、給水・電気・ガスなどインフラ整備などに17億1800万円です。なぜ民間のマンション建設に税金でこのような補助をしなければならないのか到底市民には理解できません。ですから、横浜駅きた西口鶴屋地区市街地再開発事業への補助額を抜本的に見直し、繰越明許費を減額するべきであると考えますが、見解を求めます。
林市長:鶴屋地区の補助額を見直すことへの見解ですが、国際都市横浜の玄関口にふさわしいビジネスや交流などの拠点形成を図るため、横浜駅周辺地区の開発事業の推進が必要と考えています。このためには事業の進捗に合わせた対応が必要なことから、補正予算を計上しています。執行にあたっては国の要綱等に基づき適正に実施をしています。
みわ議員:また、東高島駅北地区開発事業は、公有水面である運河を埋め立てて民間の高層マンションを3棟も建設する計画が主なものと聞いています。運河の公有水面の埋立という自治体の一大事業が企業のマンション建設用地造成のために行うというのは、企業にあまりにも便宜を図るものであり、市民には理解不能です。見直すべき事業と考えますが、運河を何故埋め立てるのかをお答えください。
林市長:運河を埋め立てて区画整理事業を進める理由ですが、当地区は、都心臨海部に位置し、利便性も高い場所でありながら、運河が入り組んだ低未了な用地が多く、投資基盤も脆弱です。その為、両事業を一体的に進めることによりまして、有効な土地利用を図ります。また、埋め立てた土地は、道路や公園、横浜駅周辺の浸水対策となるポンプ場整備などに活用し、公共公益性にも十分に寄与いたします。
みわ議員:しかも、加えて補助金が出されますが、その根拠である「組合等区画整理事業補助金」は、「市長が認めたものとする」とされてますから、出さなければならないものではありません。さらに「都市再生区画整理事業補助金」によって、交付対象となるとしている事業が挙げられていますが、国は、「都市再生区画整理事業」は、防災上危険な密集市街地や空洞化が進行する地方都市の中心市街地など、整備が必要な既成市街地の再生などを対象としています。東高島駅北地区における運河を埋め立てて新たなる更地を作り出す事業は、この趣旨に鑑みてもふさわしくなく、交付金交付要綱でも、交付できるものとするとされており、何が何でも交付しなければならないものではありません。
同開発事業は、土地区画整理事業であり、その総事業費は110億7900万円です。市の補助総額は53億2500万円で、総事業費の半分をも占めています。横浜市にとって雨水処理ポンプ場用地や道路用地など横浜市民にもプラスになる事業も含まれますが、それは事業全体の一部にしかすぎません。5割負担はあまりにも大きすぎます。よって、東高島駅北地区開発事業への補助額を抜本的に見直し、繰越明許費を大幅に減額するべきと考えますが、見解を伺います。
林市長:東高島駅北地区の補助額を見直すことへの見解ですが、横浜の新たな都心を担う地区として、グローバル企業の誘致を支える医療、居住、商業等の機能強化を図るため、開発事業の推進が必要と考えています。このため、国費の認証増や事業の進捗に合わせた対応が必要なことから、補正予算を計上しています。執行にあたっては国の要綱等に基づき適正に実施していきます。