ここ数年だけでも、様々な大災害が起き、尊い命が失われています。特に西日本豪雨での土砂災害と河川決壊による甚大な浸水被害などは、多くのがけ地と土砂災害警戒区域があり、鶴見川をはじめ過去に氾濫した河川を抱える横浜市でも、いつ起きてもおかしくない災害です。
9月14日、宇佐美さやか議員が一般質問でこの問題を取り上げ、林文子市長に迫りました。
1364か所のがけ地が「生命に著しい影響を及ぼすおそれがある」
本市では、土砂災害警戒区域内に存在する約9800か所のがけ地の内、1364か所が「がけ崩れにより家屋に著しい損傷が与えられ居住者の生命に著しい影響を及ぼすおそれがあるので、早急に対策を行う必要がある』とするA評価(※表)です。さらに、108か所を即時避難勧告対象地に指定してます。
命の危険性のある「がけ地」には、市から出向く姿勢を
問題なのは、がけ地の地権者に対して、がけ地対策の補助金制度の案内は出しても、連絡を待つだけで、市から働きかけをしていないことです。
そのためにこの3年間で、市が案内を出した230件の内、連絡があったのは59件にとどまっています。さらに、案内を出しているところも、即時避難勧告対象地に指定された108か所にとどまっています。早急に対策を行う必要があると市が判断した1364か所の一割にも届いていません。
職員と予算を増やして対策を
現在、市会で議論されている中期4か年計画原案の中で、がけ地対策の目標をわずか120か所としています。災害リスクの除去と人命を守ることを何より優先するならば、対応する職員と予算を増やして、がけ地対策の働きかけをA評価の1364 か所全体に早急に広げるべきです。
林市長「働きかけをA評価のがけ地すべてに広げる」
林市長は、「これまで即時避難勧告の対象となるがけの所有者を中心に働きかけを行ってきましたがAランクのすべてのがけにも対象を広げ、所有者調査を行いながら、順次、がけ地の改善に向けた協議を進めていく」と答え、施策前進となります。
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