集合住宅への戸別訪問によるごみ分別啓発活動は評価
関議員:日本共産党を代表し、質問します。
市民・事業者・行政の協力により、目標を上回りごみ減量化が進んでいることは評価できることですが、2008年度、燃やすごみの中には17.1%の資源物が含まれており、まだ減らす余地があります。
特に、分別が進んでいない集合住宅への対策は重要です。きめ細かな分別の啓発や説明会の実施にどのように取り組んでいるのか、また課題は何か、伺います。
早渕資源循環局長:よろしくお願いします。
集合住宅対策では、特に分別ができていない住宅に対しまして、管理会社等に働きかけ、入居者に対する分別説明会を開催をしてございます。また、説明会の開催が困難な場合には、集積場所やエントランスでの分別啓発など、入居者に直接働きかけができるよう、きめ細かく取り組んでおるところでございます。
課題といたしましては、改善要請になかなか対応していただけない管理会社等がある、また管理会社等が本市の要請に基づき対応しても、入居者の意識の向上がなかなか進まないケースも見受けられるということでございます。
関議員:2008年度、職員により集合住宅を訪問し、啓発チラシを配り、分別への協力をお願いするなどしたと聞いていますが、その成果はどうだったのか、伺います。
早渕資源循環局長:改善要請に対する管理会社等の対応が、分別ポスターを貼り出すだけのところから集積場所の工夫や熱心に指導していただけるところまで、多様な状態でございました。具体的な成果につきましては、難しいところもございますけれども、いまだ分別が不十分な集積箇所を多く見受けられますので、引き続き粘り強い対応が必要であろうかというふうに考えてございます。
関議員:戸別訪問による啓発活動は非常に評価したいと思いますが、まだまだ応じていただけない、「分別が面倒だ」と考える人がいらっしゃるというようなことをきいたんですが、協力を促すために生ごみ堆肥化事業で生ごみ専用機を支給しているように、コンテナボックスを置くなど分別の環境整備がやはり効果を発するんではないかと思うんですけれども、どのように考えていらっしゃるんでしょうか。
早渕資源循環局長:管理会社等が品目毎に分別できるような工夫をした結果、分別が徹底をされた例もございますので、集積場所の改善は有効であるというふうに考えております。
関議員:集積場所の改善で、市が支援をするという考えはありませんか。
早渕資源循環局長:私どもの事務所が、分別の仕方、それから分別の啓発についても、それぞれ集合住宅におじゃまをして説明をしてございますので、そういう要請があったところには私どもの事務所から人を派遣してございます。
関議員:やはり、環境といいまして、ボックスを置くとか、そういうかたちから示していくというのは、がんばっているところには支援をするという姿勢は大事なんじゃないかなということを申し上げておきます。
ごみの分別の厳罰制度を見直し、啓発に重点を
次に、罰則制度ですが、先ほどからの議員の質問にもだぶる部分があるかと思いますけれども、伺ってまいります。
2008年度実績では、指導が3333件、勧告13件、命令1件ということで、このことから、ルールを知らないという人がまだまだ多いのではないかというふうに思います。分別の徹底には、罰則制度は見直し、啓発に重点をおく考えはないのか、伺います。
早渕資源循環局長:分別ルールにつきましては、分別拡大時から住民説明会や集積場所での啓発、分別リーフレットの全戸配付などによりまして、周知に積極的に進めてきたところでございます。こうした取り組みとあわせまして、罰則制度に係る訪問指導において、分別ルールの説明や家庭内での保管方法など、きめ細かい指導を行う必要があるというふうに考えてございます。
関議員:先ほど2008年度実績の命令1件は、その後どうなったのでしょうか。
早渕資源循環局長:21年の2月に改善するよう命令を発した件でございますけれども、その後も継続して調査を行っているところでございますけれども、当該市民が出した無分別のごみの確認ができませんでしたので、分別は改善されたものというふうに思われます。
関議員:やはり、指導が大事だというふうに思いますね、きめ細かい。
昨年の12月に開かれた横浜市廃棄物減量化・資源化等推進審議会で、調査した集積場所数の質問に、当局は「全ての取り残されたごみを調査するのは物理的に難しいため、状況の悪い集積場所を重点的に行い、順次、他の集積場所へ移る予定です」と答えています。これでは、罰則制度にひっかかった人は、たまたま運悪く見つかったようなもので、公平性を欠くやり方で問題です。見解を伺います。
早渕資源循環局長:約6万の集積場所がございまして、いわゆる分別が徹底できてないというところが4000ございまして、我々のスタッフのなかで、分別ができていないところから順に進めるというのは致し方ないのかなというふうに考えてございます。
関議員:分別が進んでいないのを見極めるためにも、一斉にかなり公平なやり方っていう点で、これ過料がつきますから、そういう点は注意しなきゃいけないと思うんですけれども、その点で問題があると思うんです。ぜひ、そういう点でも罰則制度は見直すべきだということを言っておきます。
粗大ごみの再生・販売、リサイクルの啓発活動を行っているリサイクルプラザ
次に、リサイクルプラザに関わって伺います。
先程、引用した審議会で、委員の意見に「収集した資源をリサイクル事業者に引き渡しただけでは、資源の循環とはいえない。リサイクルされた製品を購入して、はじめて循環といえる」というのがありましたが、「なるほど」と大いに納得しました。局長の見解はどうか伺います。
早渕資源循環局長:回収をされた資源物が製品に生まれ変わるなどして再び使用されることで、はじめてリサイクルが成り立つわけでございまして、資源が巡回するというふうに考えてございますので、広報などによりまして引き続き再生品の積極的な利用を働きかけてまいりたいというふうに考えてございます。
関議員:また、「ごみ分別の啓発としてリサイクルされた製品を市の施設で販売するなど、市民の目に見えるものにしていく必要がある」との意見もありましたが、その通りだと思いますが、どうでしょうか。
早渕資源循環局長:本市では、多くの市民のみなさんが見学するG30の啓発施設でございますG30広場や、選別施設などにおいて、啓発の一貫としてリサイクルされた製品の展示を行っているところでございます。今後とも市民のみなさんの身近にある再生品を知っていただけるよう展示品の充実に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
関議員:3か所のリサイクルプラザは、リサイクルされた木製家具などを市民に見えるように展示し、売却することで、資源の循環を完結させている貴重な施設といえます。そこで、リサイクルプラザにおける過去3か年の入場者数、講座実施数、再生品の販売点数と売却実績はどうか、伺います。
早渕資源循環局長:18年度は、入場者が約5万3000人、講座数は約290回、販売数は約5000点で740万円。同じく19年度は、約4万7000人で、370回、約4200点で約660万円の販売収入です。また、20年度は、入場者数が6万6000人、講座数が380回で、販売数は約4600点、550万円となっております。
関議員:啓発・普及活動、販売個数で実績を伸ばしていることが窺われます。独自性があり、重要な施設と考えますが、見解を伺います。
早渕資源循環局長:リサイクルプラザは、粗大ごみの再生品の販売とあわせまして、リサイクル教室の開催や分別の啓発・展示などにより、ごみの減量化・資源化を広く市民に訴え、その意識啓発を図る施設として、その役割を十分果たしているというふうに考えてございます。