教職員の労働環境の是正は待った無し。市として人も予算も増やす判断を
古谷議員:日本共産党 古谷 やすひこです。党を代表して質問させて頂きます。
委員長スライドの許可お願いいたします。
まずはじめに教職員の労働環境の改善について伺います。私は今回の一般質問で教職員の休憩時間について質問したところ、教育長は「休憩時間を確保できていない状況にあると認識しております」と答弁されております。それは教育長が責任者である横浜市の教育現場が労基法違反の状態であるという認識だということで間違いないでしょうか。
岡田教育長:労働関係法令に従い、休憩を取得させるべく休憩時間を設定していますけれども、その時間にも業務に追われる教員がいるものと認識をしています。正規の時間に休憩できない場合は、他の時間に休憩するよう指導もしており、必ずしも労基法違反とまでは考えておりませんが、教職員がきちんと休憩時間を取れるよう働き方改革を進めていきます。
古谷議員:実際取れてないという認識ですから、そういう意味では適法でないということ改めて指摘しておきたいと思います。
では次にあのスライドをご覧ください。(スライド1)
これはですね、庶務事務システムが学校現場に導入されてからのデータです。これによれば中学校では6人に1人759人の教職員が月80時間を超える時間外勤務をされています。時間外勤務が月200時間越えの方も3人、4月でもいらっしゃいます。先の一般質問で教職員の長時間勤務について教育長は改善には取り組んでいるものの、抜本的な改善には至っていないという答弁されています。教職員の長時間労働の抜本的な改善のためには何をすればいいかと考えますか、教育長。
岡田教育長:長時間労働の要因は学校が抱える仕事の総量と教職員配置のバランスが取れていないことだと考えています。そのため教員が担うべき業務の役割分担、適正化を進め教員一人当たりが担うべき業務の総量を減らすことと教職員配置や教員以外の専門スタッフと人的配置の拡充も必要です。国の中央教育審議会においても学校における業務の役割分担や適正化について議論がされております。国の動向も注視しながら業務の役割分担、適正化について本市においても検討進めて行きますが、総量削減のためには市民の皆様のご理解とご支援のもと社会的なコンセンサスを得ていく必要もあると考えています。なお教職員配置の拡充のためには、やはり財源や人材の確保が大きな課題となります。
古谷議員:9月16日付の週刊東洋経済で、「学校が壊れる学校は完全なブラック企業だ」と特集されております。この中で改革先行する横浜市ということで1ページ横浜市の取り組みが特集されています。その半分が学校閉庁日の設定でありました。そこで確認ですが、学校閉庁日には文字通り誰も学校に行かない、誰も学校にはいない状況になっているのでしょうか。
岡田教育長:閉庁日の設定は、教職員の休暇や振替の取得促進につながっておりますが、中学校の場合は部活動の大会前で練習が必要になるなど、教職員の対応が必要と学校が判断した場合には、閉庁日にあっても柔軟に対応が行えるものとしています。従って学校によって状況は様々となっておりますが、ある程度の柔軟性は必要であると考えています。
古谷議員:せっかく5年もこの学校閉庁日を、いわゆる上から決めて何とか総量を減らそうとされたわけですから、そのこと自体は評価したいのですが、ぜひこれ徹底していただきたいと思っています。これだけ教職員の長時間労働が問題になっていて、しかも今言われたように部活動がその大きな要因であるということもわかっているはずじゃないかと思います。学校閉庁日は文字通り誰も来ない様な徹底を測るべきだと思いますがどうでしょうか。
岡田教育長:学校の教育課程の活動だけで出来れば、徹底はできると思うのですけれども、やはり子ども達の目標である部活の大会や、それからその時の大会日程とかを考えますと必ずしもその時に閉庁してる期間に部活の顧問、あるいは生徒たちの練習を止めてしまうと言うことが良いのかどうかは、やはり私たちの中でも議論がありまして、そこは少し柔軟に考えていかなければ、今はいけない時だと思っています。
古谷議員:ただ5年も経っているわけで、200時間超えている方もいらっしゃるという現場の中で、決断すべき時も必要だと思います。そこで提案ですが、学校閉庁日を設定するぐらい思い切った判断ができるのであれば、部活動についても朝練の禁止、あるいは週に何度かの部活動の休養日、これ他都市ではやられています。思い切った決断すべき時だと思います。国でもこういう検討がなされているとも聞いています。現場を把握している本市が先行して教職員の長時間勤務の解消のために部活動の制限実施に踏み切るべきだと思いますが、どうか伺います。
岡田教育長:部活動の在り方につきましては、本市として(H)27年度から検討を続けてきており、適切な休養日の設定について提案をしております。本市は学校規模や施設、部活動の活動状況が多様なために、全校一律の朝練禁止や曜日を設定しての休業日の設定については現状では難しい状況にあります。そのため各学校ごとに状況に応じて適切な休養日を設けることが現実的だと考えています。生徒や部活動支援する方々からのご理解も得ましてしっかり休養日を設定するよう指導していきます。
古谷議員:現実的だと今おっしゃられた対応が、結局こういう結果に立っていると思いますので、これも抜本的な対応を図っていただきたいと思います。先ほどの長時間労働の勤務の問題では総量やはり削減するのが重要だということ言われましたが、本市が国基準以上に物理的に授業時間を増やして、さらに長時間労働を強いているということは総合審査の中で私たちは明らかにしました。教育長、抜本的な教員の多忙化の解消のためには、一人の教員が負担を解消するには、対応するクラスの子どもの人数、これ少なくして軽減することも一つの方法だと思いますがどうか、見解伺います。
岡田教育長:学級編成を少人数化することは、教職員が子どもと向き合う環境の改善に向け多忙化解消の効果を期待できる手法の一つと考えられますが、本市では一律に学級編成を少人数化するのではなく、個々の学校の児童生徒の実情に対応できる教職員配置を推進しています。少人数学級を実現するための財源確保や教職員の待遇の改善つきましては、義務教育における国の責務として実施すべきと考えていますので引き続き国に強く要望していきます。
古谷議員:必要性は認識されてると思いますので踏み切れない要因は財源だけですか。
岡田教育長:財源だけではなく人材の確保も大きな課題です。一度に大量の教員を雇用すると言うのは現実的にはできませんので、そこは計画的にと言うことになると思います。
古谷議員:ぜひ、計画的に進めて頂きたいのですが、本市の教育予算が他都市に比べても低いということは、認識されていると思います。副市長、伺いたいのですが教育委員会だけのやりくりではどうにもならないところまで来ていると思います。抜本的な手立てを打つためには、もちろん国に要請されているのは承知していますが、予算の増額が必要だと思っています。このままの先ほど指摘した様な違法状態、続けさせて良いわけがありません。早急なる手立てを打てる様な予算の増額するべきだと思いますが副市長の見解を伺います。
柏崎副市長:これまでも、決して教育委員会だけに任せているつもりはございません。しっかり市長以下、それから教育委員会と様々な課題について議論をしながら予算編成や計画策定なども進めておりますので、必要な措置に必要な予算がきちんと取れるように、これからもしっかり議論して参りたいと思います。
古谷議員:ぜひ結果を出していただきたいと思うのです。この結果が来年には解消できるように、ぜひしていただきたいと思います。
教科書採択にあたっては、傍聴者全員が入れる会場確保を
古谷議員:次に教科書採択の改善について伺います。
先日の一般質問で、この教科書採択の方法の改善について質問しましたが、まともな回答が私はなかったと思っています。そこで再度質問させて頂きます。
先日なぜ直接、傍聴者数を増やさないのかと質問したところ、教育長は「静謐な環境確保するために努めている」と答弁されました。静謐な環境というのは具体的にどういうことをさしているのでしょうか。
岡田教育長:静謐な環境とは文部科学省の通知にもあります通り、教科書発行会社に限らず外部からのあらゆる働きかけに左右されることなく採択権者の判断と責任において公正かつ適正に採択を行うことができる環境と考えております。また同通知において教科書採択に係る教育委員会の会議を行うに際しては、静謐な審議環境の確保等の観点から検討を行い、会議の公開非公開を適切に判断するとともに傍聴に関するルールを明確に定めることとされております。本市では通常使用する教育委員会の会議室を使用し傍聴人規則に則り傍聴していただくようお願いをして静謐な環境確保しています。
古谷議員:直接傍聴者が増えると静謐な環境が確保できないという認識なのでしょうか。
岡田教育長:本市では通常使用する教育委員会の会議室を使用しておりますけれども会議室のスペースに都合がつく限り傍聴席を用意するように努めております。
古谷議員:答えが違います。
岡田教育長:傍聴席を用意するように努めておりますので傍聴者の数が静謐な環境ということではないと考えています。
古谷議員:直接傍聴者数が(入れるよう)、会場を変えれば良いと思うのですけどいかがですか。
岡田教育長:会場変えて環境を用意するよりも通常の審議で使っている会議室でしっかり議論する方が教育委員の皆様はしっかりと議論ができるという環境を整えておりますので、それを選択しております。
古谷議員:この問題は本当に矛盾していると思いますよ。教育委員会の傍聴人規則に従えば、仮に人数が増えても、そこで大声を出す人がいれば外に出るだけですから、静謐な環境は人数では左右されないと思います。ですからぜひ改善いただきたいと思います。教育長も先の一般質問答弁の中で「教科書採択は市民の皆さんの関心が高い、なるべく多くの市民の皆さんに審議の様子をお聞きいただけるようにしている」と答えられておりますが、私も参加をし並びましたが8月の教科書採択の際には200名を超える方が集まりました。その方々は別会場での音声傍聴を今回されたわけですが、それを望んだと思いますか。
岡田教育長:傍聴希望されました方々は、先生も含めてですけれども皆様、会議室での傍聴を希望されたと思います。しかしながら会議室のスペースには限りがありますので多くの方に会議の様子をお伝えするために音声での中継による方法を取らせていただきました。
古谷議員:そこを改善すべきだと指摘しておきます。
教育長、少し角度を変えて質問させていただきますが、教科書採択について様々な市民団体が採択方法の改善を求めて要望していると聞いています。私は開かれた教育委員会として運営していくにあたって、多くの方が教育行政に関心を持ってくださることありがたいことだと思っていますが、教育長は教育行政に強く関心を持って、改善して欲しいと要望出されている市民の皆さん、どういう存在だと思っていますか。
岡田教育長:教科書採択につきましては様々な要望が寄せられます。どのような場合におきましても緊張感を持って採択に望んでおります。
古谷議員:質問に答えていません。どういう存在だと思っていますかと聞いたのです。
岡田教育長:それはもちろん教育委員会にもあるいは教育にも非常に高い関心をお持ちの方だと考えております。
古谷議員:ぜひ高い関心を持っている市民を蔑ろにするようなやり方は止めていただきたいと思いますし、改善を求めて引き続きこの質問は取り上げ続けていきたいと思います。
ハマ弁が1年余経っても喫食率2割も満たないことを直視し「給食」への判断を
古谷議員:次にハマ弁について伺います。ハマ弁を提供して1年余りになりました。教育長は、お昼ご飯を食べない食べられない中学生の状況がどう変わったのか伺います。
岡田教育長:生活環境により、昼食の用意が困難な生徒への支援は(H)29年9月末までに16名となっております。この数値は私としては予想外に少ない数字だと考えています。
古谷議員:予想以上に少なかったと。私はハマ弁の無償提供の基準について新たなルールを作るのではなくて、すでに就学援助を受けている様な生徒については無償で提供することにしたらどうかと提案もしました。しかし新たな線引きを持ち込んで、ものの見事に無償提供はほとんど実効性がなかったと思います。失敗したわけですけどどう改善されるのか伺います。
伊東健康教育部長:現在支援の基準としております昼食の用意が困難な生徒への支援ガイドラインにつきましては、関係部局とも検討を重ねて作成したものですので、このガイドラインをしっかり運用していくと考えております。一方で支援を受けている生徒が少ないという状況はありますので、このガイドラインについて学校現場で使いやすいものを作成し全教職員に配布して学校生活の様々な場面で教職員が気づいたら管理職に相談できるように工夫して参りたいと思っております。
古谷議員:ぜひ実効性のあるものにしていただきたいと思います。
ハマ弁の栄養バランスについて次に伺います。ハマ弁は牛乳や汁物を選択する仕組みになっていますが一食あたりの栄養素は牛乳を選択することによって満たされていると聞いています。そうであれば給食並みに金額を下げると市長がおっしゃったことは、まさか栄養バランスが確保されないハマ弁を提供するべきではないと思いますが考え方伺います。
伊東健康教育部長:ハマ弁は牛乳汁物を付けたセットで、日本人の食事摂取基準2015年版に定める1日に必要な栄養素のおよそ3分の1が摂取できるように整えています。献立に関する詳細な情報を提示し1日の食事の中で必要な栄養が取れるよう、それぞれに適した昼食を選択していただけるようにしています 。
古谷議員:全然答弁になっていませんが、時間がないので次に行きます。
古谷議員:異物混入について伺います。スライドをご覧ください。(スライド2)
今回エンゼルフーズが外れた訳ですが、異物混入だけで言えば他の会社も匹敵するぐらいありますが、エンゼルフーズだけを外した考え方を伺います。また他の二社は大丈夫だと考えた基準について伺います。
伊東健康教育部長:業者変更については異物混入の指導の最中に同じ異物が同じように混入したと言う事例が発生したことなど、これまでのエンゼルフーズに対する指導に対する取り組みや大磯町の一連の対応から管理体制に不安を感じハマ弁の信頼を確保するために事業者の変更を決定いたしました。他の事業者につきましては改善指導に対してこれまで真摯に取り組んでおり具体的な改善も図られていると判断しています。
古谷議員:大磯でエンゼルフーズが問題になったのは異物混入と残食率であります。ハマ弁の残食率はどう把握されているか伺います。
伊東健康教育部長:ハマ弁については重量の計測による残食の把握はしておりませんが、献立の改善のために実施している弁当製造会社スタッフの目視確認をしております。それによれば主食主菜の残食についてはほとんどないと聞いております。また副菜については残量の多いものなどもある場合はそれについて味付けの工夫やメニューの変更の検討対象として残食を少なくするという工夫をしているところです。
古谷議員:ここにもハマ弁が選ばれてない原因がつかめるきっかけになると思うのです。ここもぜひ業者に対してしっかり指導していただきたいと思います。教育長は2割の喫食率を目指して導入された、このハマ弁ですが散々たる結果となっています。一般の業者弁当の方がよほど今、喫食率が良いとなっています。教育長はハマ弁の充実を図ると答弁されておりますが、今年度で2割の喫食率を実現する見込みは極めて薄いと思います。ハマ弁そのものを給食として位置づけて自校方式の給食の提供ができるまでの間、学校給食法に基づいた中学校給食として提供することなどの抜本的な見直し、これを要求して次の質問に移ります。
保護者から無くさないで欲しいとの北綱島特別支援学校は閉校方針の撤回を
古谷議員:最後に北綱島特別支援学校について伺います。
保護者から無くさないでほしいと大きな運動にまで発展した北綱島特別支援学校について2018年度末に閉校して時限付で分教室にという方針が、先日の保護者会の説明会の中で時限措置を撤廃するという方針を説明したということでありますが、保護者会ではその提案に対してどういう意見が出たのか伺います。
直井指導部長:保護者の皆様からは、分教室の管理職や教職員体制に対する不安の声や分教室閉校の期限を設けないこと、エリアを区切って新入生を受け入れるならば学校として残して欲しいといったご意見をいただきました。また有識者会議を開催して欲しいとの発言もございました。
古谷議員:次のスライドご覧ください。(スライド3)
これは結果的に期限を決めないということは、多少評価しますが、そうであれば今の現行の学校と分教室、比べてみると法的根拠がないというのが一番大きな問題だと思います。法的根拠づけのない分教室にする意味が私、分かりません。閉校方針そのものを撤回するべきだと思いますがどうか伺います。
岡田教育長:肢体不自由特別支援学校の再編整備につきましては、保護者の皆様の思いを受け止め方針の一部を変更することといたしましたけれども、旭区の左近山に新しく設置を予定している特別支援学校の開校に伴う分教室への移行につきましてはご理解を頂きたいと考えています。
古谷議員:保護者の気持ちを受け止めたのであれば、撤回するべきだと思って質問を終わります。