関係局が所管業務との関係でチェックする役割を果たしていない
岩崎議員:よろしくお願いします。委員長、スライドの使用許可をお願いします。
20街区MICE施設整備事業から伺っていきます。最初にスライドをご覧ください。
MICE施設を整備しようとしている予定地の状況です(スライド1)。
いずれも問題になっている港湾2号線から撮った写真で、写真の空が写っているの(スライド2)に耐震バースがあります。
これは(スライド3)耐震バースを案内した看板です。
それでは伺っていきます。文化観光局は、この間、新MICE施設整備先にありきで、そうとう強引に事業化を図ってきたと私は見ています。
問題点の1つは、文化観光局の独走状態に対して、市役所内の関係局が所管業務との関係でチェックする役割を果たしていないということではないかと思っています。
まず、道路局です。渡辺副市長に伺います。「市道の維持管理」や「市道路線の認定・廃止」等の所管は、道路局だと思いますが、確認ください。
渡辺副市長:はい。その通りでございます。
岩崎議員:次に、市道廃止に関する経緯を伺っていきます。ややこしいので一つひとつ聞いていきます。同じことを聞きますので、1つひとつ答えてください。
文化観光局が港湾2号線廃止の検討を始めた時期はいつですか。年月で答えて下さい。
雨宮部長:検討を始めたのは、平成24年頃です。
岩崎議員:道路局が廃止方針を決裁した時期はいつですか。
雨宮部長:平成28年8月でございます。
岩崎議員:道路局に道路変更申請を提出したのはいつですか。
雨宮部長:平成28年10月になります。
岩崎議員:市道の廃止を議決したのはいつですか。
雨宮部長:平成29年2月になります。
岩崎議員:道路局は、今の話しだと、平成24年頃から多分相談があったのだと思いますけれど、そこから現時点まで、相談を受けていたわけですが、道路の維持管理の立場から、当該路線を維持することの重要性についてしっかり発言すべきだったと私は思います。ところが、記録上は、道路局がそういう発言をしたと、あるいは意見を言ったということはありません。こういうことをそれぞれの所管の局が、その施策や、あるいは事業に対して、ちゃんと意見を言う。これが庁内局間のチェック機能ということになるんだと思います。これが全然やられてないということがこの経過から読取れます。この点は議論してもしょうがないので、厳しく指摘しておきたいと思います。
次に、危機管理室です。港湾2号線は、第一次緊急輸送路に指定された重要な道路です。緊急輸送路の指定及び指定の解除に関する手続きの所管はどこか、これも渡辺副市長に聞きます。
渡辺副市長:これも道路局でございます。
緊急輸送路の指定解除の決定に危機管理室が入っていないのは問題
岩崎議員:その通りだと思います。道路局は、緊急輸送道路の指定や解除の手続きの窓口です。そういう所管をしています。重要なことは、緊急輸送路というのは、本市の防災計画で位置付けている非常に大事な、最優先の道路である。
そこで、防災計画を監理、監督する部署はどこか、これも渡辺副市長、答えてください。
渡辺副市長:総務局危機管理室でございます。
岩崎議員:それでは、緊急輸送道路の指定解除については、これは今、ネットワーク協議会で審査中と聞いていますけど、これでいいですか。
雨宮部長:神奈川県緊急輸送道路ネットワーク計画、協議会の事務局である神奈川県より聞いたところによりますと、2月15日までに緊急輸送道路の改定案が審議されました。合わせて神奈川県に確認しましたところ、改定案に対する反対意見はなかったと回答を受けておりますが、今後、改定内容がまとめられ、ネットワーク協議会会長から正式に通知されることとなっていると聞いております。
岩崎議員:途中ということでいいですよね。本市が、指定解除の方針を決裁した起案用紙があります。これは平成28年の8月3日付けの起案用紙です。この回議(かいぎ)ルートに危機管理室は入っているか、いないか答えてください。
雨宮部長:危機管理室は入っておりません。
岩崎議員:はい。それが問題です。入ってない。
緊急輸送路の指定や指定解除は、防災計画の記述を修正しなければならない重要事項です。
この重要事項の決裁に、危機管理室が記録上は関与していません。どっかで相談しているかもしれませんが、記録上は通過していないのです。これでいいか。これおかしいと思いますよ。渡辺副市長どうですか。
渡辺副市長:本件のような重要な事項につきましては、庁内の協議機関であります調整会議、あるいはものによっては経営会議で議論・決定をいたしますが、調整会議でこれは議論されております。調整会議のメンバーには、総務局長も入っておりまして、総務局としてこの議論には加わっていると、実質的に加わっております。したがいまして、これは意志形成過程において、総務局危機管理室も入って、庁内では協議をしております。なお、決裁につきましては、事業によってはまさに全庁的、庁内横断的に関るものは多々ございまして、そうしたものを全ていわいる合議という形で、いわゆる判子を付くという体制にいたしますと、非常に時間がかかる とか、非効率という面もありますので、極力しぼると、いわゆる合議をする箇所は。そういう方針も出ておりますので、そういう案件であると、そういうプロセスを経ているんだということについては、ぜひご理解いただきたいと思います。
岩崎議員:今の答弁は全然、理解できません。受け入れません。防災計画を所管するのは危機管理室だと言われたでしょう。危機管理室がなんで入っていないのか。あの回議ルートの所管名、判子はなかったけど、書いてあるから見ましたけどね、およそこの事業とあまり関係がないと思われる課の判子まで入っていますよ。なんで危機管理が入らないんですか。これは大問題ですよ。これはまたやりましょう。
最重要な緊急輸送道路の指定が解除されようとしているときに、危機管理室が、関与していないと。書類上はそうなります。これが問題なんです。防災計画の立場から、あらゆる施策をチェックするのが仕事じゃないですか。これがなぜできないのですか。危機管理室が防災計画の観点からちゃんと各施策をチェックできるように体制をとってくださいよ。これどうですか。渡辺副市長。
渡辺副市長:記録の件に関しましては、先ほどもお答えで触れましたが、調整会議についてはですね、記録を残しておりますし、また市のホームページでもその議事録の概要については公表しておりまして、そこに総務局長も出席をしているということが明示されていますので、そういう形では記録が残っていると、まずご理解を頂きたいと思います。それから、防災計画本体の改定ということになれば、それはもちろん危機管理室でございますけど、本件については先ほど岩崎先生が冒頭に私にご確認いただきました通り、案件といたしましては、これは市道の廃止認定にかかることでございますので、そういう形の決裁ルートになっているということについてはご理解を頂きたいと思います。
「無理が通れば道理引っ込む」というのが今回のMICE施設整備計画
岩崎議員:道路局も危機管理室も所管業務の立場から、施策をチェックするという責任が果たせていません。この状態がですね、「無理が通れば道理引っ込む」という今度のMICE施設の整備計画に現れているというふうに考えます。
ここまでの議論を整理しますとこういうことになります。「市道廃止」の議決は本年2月です。緊急輸送道路の指定解除の申請は現在、途中です。やっと手続きは最終段階にきたところです。ところが文化観光局は、落札者決定の記者発表した平成27年8月31日頃から道路の廃止や緊急輸送道路の指定解除が、既定方針の如くに市民や報道機関に説明してきました。これは問題です。
(平成28年8月の記者発表の)3か月前の市会常任委員会への説明資料では、港湾2号線は廃道ではなく、存置、残すことですね。存置を前提に、基盤施設として「接続デッキ等」と記述している。
確認のために平成27年5月26日の市民文化観光消防常任委員会への該当箇所を読み上げてください。
雨宮部長:申し訳ございません。現在その資料は持ち合わせてございません。
岩崎議員:事前の調査の時にもそのことで話題になっているんですよ。ここにあるんですけど。だって周辺基盤施設として20街区とパシフィコ横浜の接続デッキをつくるって書いてあるじゃないですか。
雨宮部長:資料を確認したしますと、周辺基盤施設は、20街区とパシフィコ横浜の接続デッキ等と示されていると思いますが。
岩崎議員:はいそうです。それでいいです。そのことを確認しておきます。
続いて平成27年の8月31日付け落札者決定の記者発表資料の該当部分、施設完成イメージの図があります。この図で港湾2号線がどういうふうに描かれていますか。
雨宮部長:記者発表資料の2面の絵のことだと思いますが、どのような絵かといわれますと、
MICE施設が描いてあって、ペデストリアンデッキが正面に描いてある。その絵だと思いますが。
岩崎議員:時間がなくて議論できなくて残念なんですが、港湾2号線が消えているんです。ここで。ですから5月26日から8月31日までの3か月の間に何があったのか。究明が必要です。これは我が党としても引き続きやります。
これは本来の手続きやルールをないがしろにして、事業ひたすら推進しようというやり方は極めて不適切だと私は思います。局長の認識を伺います。
中山文化観光局長:私どもは、きちっとした手続きを踏んでやっておると認識しております。
岩崎議員:最後です。説明責任が果たせてないと、地元住民は説明会の引き続きの開催と、説明会への局長の出席を求めています。局長は出席して説明する意志があるのかどうか伺います。
中山文化観光局長:まず、本事業については3年前に計19回の説明、住民説明会と意見交換会を行いました。いただいたご意見のうち計画に反映できるものは反映し、できないものについてはその理由をご説明させていただきました。また、事業の節目節目で常任委員会でも進捗状況等をご報告いたしました。今後は事業者が主催する条例に基づく説明会や工事説明会等を行いますので、そちらで住民の皆様のご意見を伺う場が確保されているものと考えております。という意味において、私どもは説明責任を果たしていると考えております。
そして、私が今の様子を見ていても分かるように、私が説明をするよりも担当課長なり担当係長がきちんと説明した方が、より詳細な回答ができるというふうに思っております。
岩崎議員:「新たなMICE施設の整備 先にありき」のすすめ方は、根本的に改めるべきだということを主張して質問を終わります。