個々の事情の寄り添い、商売を応援する滞納相談を
日本共産党横浜市会議員団は29日、民主商工会(民商)横浜協議会と、来年度予算要望について懇談しました。民商からは河辺横浜協議会事務局長ら10人が、党市議団からは岩崎ひろし副団長ら6人の市議と事務局2人が出席しました。
民商からの横浜市への要望は、小規模企業振興基本法を活かした小企業者への支援強化、借りやすい金融制度への改善、親身な納税相談や納税方法の改善等です。
あらき由美子副団長が、横浜市の「商店街個店の活力向上事業」を紹介。これは、商店街個店がリフォームや販路拡大のための広告をする場合などに、100万円を限度に2分の1を補助する制度です。あらき議員は、高崎市の商店リニューアル事業などに比べると不十分な点が多いが、積極的に利用してほしいと述べました。河辺協議会事務局長は、一歩前進であり、使いやすい制度になるよう求めていきたいと述べました。
横浜市の有無を言わさぬ納税対応について、民商の役員さんから話が出されました。商売がうまくいかずに市民税や国民健康保険料を滞納してしまい、区役所に納税相談に行っても、相談者の事情など聞かずに、払わないのが悪い、滞納がある人は業者とは言えないなど一方的に攻められ、どうしたら納税できるかなどの相談にはいっさい耳を傾けない例が多いと言います。払えないなら廃業して生活保護の相談に行くように言われた例も。税務署は換価の猶予(注)を勧め、納税を待ってくれますが、市は待ってくれないので、業者の間では「市が一番こわい」と言われており、借金して払ったという例もあるそうです。
緑民商の恩田事務局長は、だらしなくて滞納している人ばかりではなく、まじめに働いても消費税などの国税や国民健康保険料、市税などが高すぎて払えない人も多いのに、滞納している人は全部「悪い人」とみられてしまい、人権問題にまで発展していると話されました。横浜市の強権的な取り立てについては、サンデー毎日や朝日新聞などのマスコミでも取り上げられています。
岩崎副団長は、市は業者が税金などを払える状態になるよう手助けするのが本来の姿であり、今の市の納税対応が市内経済の活力をおとしめている一因にもなっていると指摘。市議団としても、市の対応を改善させるために一層努力したいと述べました。
注:換価の猶予とは、すでに差し押さえされている財産、あるいは今後差し押さえの対象となりうる財産の換価処分(公売)を、一定の要件に該当した場合に猶予し、分納を認めるという制度。滞納整理のなかでの納税緩和制度。(全国商工団体連合会ホームページより)