100年に一度の不況時こそくらし・福祉・仕事を守る予算を
私は日本共産党を代表し、市第88号議案 2009年度 横浜市一般会計予算の組替えを求める動議について説明いたします。
まず、組み替えを求める理由についてです。
100年に一度といわれる世界同時不況のなか、日本経済の深刻さは、第3四半期の実質GDP成長率は年率換算でマイナス12.1%が示すように世界のなかで際立っています。その影響は甚大で、本市においても中小業者や市民生活を直撃しています。派遣切りや雇い止めにとどまらず、正社員の解雇計画が電機や自動車などの基幹産業で次々と発表されています。こうしたときに求められる予算は、不況に苦しみ不安に包まれている市民に、視点をあてたものでなくてはなりません。いまこそ、横浜市政が、住民のくらしと福祉・仕事・雇用を守る役割をしっかりと果たすときです。
市長は2009年度、2010年度を通常の年度とは異なる市政運営が求められる期間とし、施策の優先順位の第一に市民生活や市内経済を守ることをあげています。しかし、その大半は、国の対策の域を超えておらず、その実効性となるときわめて疑問です。
しかも、「財政状況は危機的」として、幼稚園就園奨励金のカットに加え、定時制高校の給食費値上げ、区役所駐車場有料化など、市民負担増が押し付けられています。介護保険や国民健康保険の保険料の引き上げが家計を圧迫することは必至です。市民要望の強い市営住宅の新規建設はゼロであり、小児医療費無料化の年齢引き上げと少人数学級実施は見送ったままです。
その一方で、横浜駅周辺大改造や高速横浜環状道路整備、スーパー中枢港湾の整備は推進し、この3つの大型開発事業だけで、投入額が総額173億円にもなり、競争力のある国際都市づくりへの執心ぶりは従前どおりです。
こうした考えを改め、市民の切実な要求を実現するために、2009年度の予算の組み替えと再提出を要求するものです。
つぎは、組み替えの基本方針についてです。
基本方針は、現行の市民サービス水準を維持し、失業・雇用対策など、市民の暮らしと福祉を最優先とする予算に転換するものです。
そして、保育所待機児の解消、小児医療、中学校給食、30人学級など、こども施策の拡充をはじめ、国民健康保険料の引き下げ、市営住宅建設などの予算を確保することです。さらには、不要不急の大型公共事業を中止し、市債発行を抑制することで、市財政の健全化を図るものです。
最後に、予算に組み替え案の具体的内容について、説明いたします。
不要不急の大型公共事業であるみなとみらい21関連事業や、高速横浜環状道路事業等の凍結・中止、地下鉄など他会計への繰出金の半減化等、総額274億円の事業の見直しをすることで捻出できる、一般財源等149億円を、次のように振り向けます。
まずは、2009年度に予定している区役所・市庁舎駐車場の有料化や、定時制高校給食費の引き上げ、私立幼稚園就園奨励金の引き下げを中止することです。そして、市民の暮らしを支援するために、新たな事業展開と施策の拡充を実施することです。
その内容の1つは、雇用対策として、雇用・就業支援、職能開発事業の拡充と失業対策を充実させること。2つは、小児医療や無認可保育所の増設、小児医療費無料化の所得制限の撤廃と年齢引き上げ、学童保育など、子育て支援策を拡充すること。3つは、30人以下学級や中学校給食の実現など教育条件の拡充・整備をすること。4つは、国民健康保険料や介護保険料の引き下げること。5つは、市営住宅の新規建設を再開することです。
これまで述べてまいりましたが、組み換え案は不要不急の大型公共事業の凍結・中止等することにより、子育て支援や教育条件の拡充・整備をはかり、さらには市営住宅の新規建設を進める新たな市債を発行したとしても、7億7600万円の市債発行の抑制を図ることができるものです。
以上、日本共産党としての予算組替え動議について説明させていただきました。市長におかれましては市第88号議案2009年度横浜市一般会計予算案の速やかな組み換えと再提出されることを求めるものです。
議員各位のご賛同をお願いいたしまして、説明を終わります。
日本共産党横浜市議団が提出した予算組替え動議はこちらをごらんください。