みわ議員:おはようございます。日本共産党のみわ智恵美です。日本共産党を代表して質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
みどりアップ計画をいうなら上郷の緑を守れ
スライド(スライド1)をご覧ください。
横浜市も公表している横浜市における緑地の状況を紹介している図です。ご承知のように これは1960年の横浜市。
こちらのスライド(スライド2)が2000年の横浜市です。
この緑の減少は、国土交通省の資料でも紹介されています。いかに都市化によって緑が減少したのかという資料としてです。40年程の間に、約7,600ヘクタール、山手線の内側の面積の約1.2倍の緑が減少しました。この9年後、2009年に横浜みどり税を創設した理由を伺います。
大熊環境創造局長:よろしくお願いします。横浜みどりアップ計画では、安定的な財源として、横浜みどり税を市民のみなさまにご負担いただきながら、計画の理念でございます、みんなで育む緑豊かな美しい街横浜を実現するため、緑の保全、創造を進めております。
みわ議員:横浜みどりアップ計画で進めている事業を伺います。
毛涯みどりアップ推進担当理事:横浜みどりアップ計画では、主に三つの柱で事業を取り組んでおります。取り組みの柱の一つといたしまして、次世代につなぐ森を育む、樹林地を保全しながら活用していく。それから二本目の柱といたしまして、市民が身近に農地を感ずる場をつくるということで、田園景観の保全とか、地産地消の推進等を行ってございます。それから、柱の三つ目といたしまして、市民が実感できる緑をつくるということで、地域での緑化の取り組みとか、あるいは市民の方が実感できる都心臨海部の緑をつくっていく。そういう取り組みを行ってございます。
みわ議員:大事な緑を守る取り組みだと思いますが、今のみどりアップ計画の財源、先ほどご紹介いただきました横浜みどり税だけで進められているのか、他の財源があれば、ご紹介ください。
森政策調整部長:横浜みどりアップ計画を進めるための財源としましては、横浜みどり税のほかに、国費、市費、一般財源等を充当しております。
みわ議員:横浜みどりアップ計画における地球温暖化対策の視点はあるのか、ご紹介ください。
大熊環境創造局長:横浜みどりアップ計画では、緑が持つ多様な機能の一つとして、ヒートアイランド現象の抑制など掲げておりまして、地球温暖化対策の視点も持ちながら、計画を進めております。
みわ議員:今ご説明いただきましたし、実際そうだと思うんですが、どうもパンフレットに書かれていなくて不安でしたが、わかりました。ここで緑地としている対象はどういうものを緑地と見ているのか、教えてください。
毛涯緑アップ推進担当理事:樹林地、農地、主にそういったところでございます。それから、緑の中にある草地等も入ってこようかと思っております。
みわ議員:そういうものがある場所を緑被率で示されていますけれども、緑被率について教えてください。
森政策調整部長:緑被率につきましては、市域の緑がある割合を示しておりまして、おおむね5年に1度ですけれど、航空写真で撮影した資料から、目視で300平米以上のものについて洗い出したかたちで数字を出しております。
みわ議員:まとまった緑をどれだけ残せるのかが現在の都市の課題だと思います。
次のスライド(スライド3)をご覧ください。
横浜市全体の緑被率、先ほどご紹介いただきましたものの変化を示すグラフです。みどり税を創設し、みどりアップに取り組んだにもかかわらず、この5年間で1%減少となっていますが、この1%、面積にするとどのくらいになるんでしょうか。
森政策調整部長:市域面積の1%にあたりますので、約435ヘクタールでございます。
みわ議員:5年なので、割りますとだいたい約90ヘクタール近い面積の緑、横浜スタジアムのグランド面積の70個分の広さが毎年失われていると。地球温暖化対策としては、二酸化炭素の排出抑制と同時に、緑地保全、緑化の推進などで、二酸化炭素を吸収する源を守り創る対策が求められています。生物多様性の確保に資する良好な樹林地等の自然環境を保全し、創出して、緑の面積の確保を推進することが求められている中で、横浜みどり税を創設し、市民への協力を求めたにもかかわらず、この緑の喪失を止められなかったのは問題ではないでしょうか。見解を伺います。
森政策調整部長:みどりアップ計画によりまして、緑被率は残念ながら1%減少しておりますけれど、そのスピードに歯止めがかかってきたと。例えば樹林地などでは、以前よりもその減少の割合が減ってきたというふうに考えておりますし、今後とも増やす努力を、みどりアップ計画を推進することで進めてまいりたいと考えております。
みわ議員:スライド(スライド4)をご覧ください。
赤い斜線で囲まれた地域は、栄区上郷猿田地区で、住宅の建設や開発はできない市街化調整区域に指定されています。横浜最大のホタルの生息地であり、オオタカやカワセミなどの野鳥の生息を支え、多くの水生植物が繁茂する里山樹林地です。これまで見てきたように、都市化と住宅開発が進められてきた横浜に残された最も貴重な緑地地域の一つと言えます。今回、こちらのスライド(スライド5)
で示されている赤い線、先ほどここ全体だったんですが、ここの部分が、横浜舞岡上郷線道路の西側を東急建設の都市計画提案による線引きの変更で、「積極的に整備開発を行っていく」という市街化区域への変更が行われようとしています。
このスライド(スライド6)は、近隣のマンションから当該地区を見たところです。
これは道路から、その開発されようとしている樹林地を写しております(スライド7)。
ここで伺いますけれども、10ヘクタールになります、この地域が。横浜スタジアムグランドの8個分の面積の緑を一気に喪失する事態となる、この都市計画提案に対して、環境創造局として横浜市都市計画提案評価委員会で、これまでにどのように意見表明をされてきたのでしょうか。
森政策調整部長:評価委員会につきましては、平成26年から4回行っておりますが、その会議の中で、たとえば都市計画公園や特別緑地保全地区の区域設定の考え方について追加資料の提出を求めたり、また地区施設の緑地帯についてどのような緑地を計画しているのかといった、また維持管理をどうしていくかといったようなことを発言しております。
みわ議員:もう一度スライド(スライド6)をご覧いただきたかったのですけれども、積極的に整備・開発を行っていく区域にこの緑地がされようとしています。このように樹林地や農地ですが、商業施設や住宅の建設で、多くの緑地は姿を消します。削られてしまいます。ここで改めて横浜みどりアップ計画について伺いますが、10ヘクタールもの上郷猿田地区における市街化への変更は問題です。みどりアップ計画をしっかりと推進して地球温暖化防止対策に取り組むためにも、開発されようとしている地域は横浜市が国の制度も活用して買い取り、開発をストップし、緑を守るべきと考えますが、見解を伺います。
森政策調整部長:私どもとしましては、できるだけ多くの緑地が保全されることは望ましいと考え、地権者のみなさんに働きかけを行ってきました。そうした結果、地権者のみなさんのご意向やご事情を踏まえて、最大限緑を保全した計画というふうになっていると認識しております。
みわ議員:決断を本当に今、するべき時だと思います。
魅力ある農業となるよう支援強化を
みわ議員:次に、都市農業の推進について伺います。
農地も地球温暖化防止に寄与すると考えます。先ほども紹介いただきましたけれども、いかがでしょうか。見解を伺います。
緒賀みどりアップ推進部農政担当部長:農地の減少についてでございますけれども、従前、先ほどスライドにもございましたように、暫減ということで、農地減少しておりまして、直近でございますと、平成27年の数値でございますが、3,012ヘクタールとなっております。
みわ議員:推進について伺ったのですけれども。そこで、景観や農地については、里山景観、生物多様性の保全など農地が持つ役割、自然環境の保全で地球温暖化防止にも寄与するのではないのですかと伺ったところなんですが、この都市農業を推進するという立場から伺ってまいりますが。近年、農家の方々の高齢化が深刻で、後継者不足がいわれますが、横浜の状況を伺います。
緒賀みどりアップ推進部農政担当部長:横浜の農家の状況でございますけれど、法人等の農家以外からの農業の参入の状況にございますけれども、毎年個人、法人あわせて10件程度の参入がございます。26年度は、個人10人、法人3法人が新規参入している、そういった状況でございます。
みわ議員:こちらが環境創造局さんの方で出されているパンフレットで、横浜の飲食店の方に、横浜のこういうすばらしい野菜が作られていますということで、中を開きますと、若い方がこういうふうにされているのと、レストランの方も登場されて、これを見ると自分もやってみたいなというふうに思われる若い方も出てくるんじゃないかと思うんですが。今の法人などの新規参入のお話がありました。若い方などがやってみたいと思う時に、支援の方策があるのでしょうか。
緒賀みどりアップ推進部農政担当部長:新規参入希望者に対する支援といたしまして、国の制度を活用した資金の融資や就農後の不安定な所得を確保するための給付金の支給を行っております。また、本市では農業経営を行うための営農計画の作成支援、市内で耕作する農地の斡旋、就農後の技術向上を支援するための一定期間の栽培指導等を行っています。
みわ議員:大いに若いみなさんにとっても魅了ある仕事となるような取り組みを積極的に広げていっていただきたいと思います。
しかし、これは本当に急がれる課題だと思うんですよね。昨年4月の緑被率調査の結果を見ますと、樹林地が0.4%減少していることも問題なんですけど、農地の0.5%減少は農地全体の面積から考えますと、非常に大きい値だというふうに思います。このままでは、都市農業が消滅しかねない危機感を持ちました。国のTPPへの参入など大規模化が図れない都市農業にとっては、誠に厳しい状況だと考えます。しかし、消費地が近い、大量消費地域であるという点は大きな利点です。緑を守り地球温暖化防止に寄与し、麗しい環境を提供し新鮮で安全安心豊かな食を消費者に提供するなど、横浜の農業の役割を今一度改めて見直して、農業の担い手に対する支援を強化するべきと考えますが、見解を伺います。
大熊環境創造局長:就農ののち、農業経営を強化していく担い手に対しましては、国や県でもさまざまな支援を行っておりますけれども、本市ではさらに、農地の規模拡大のための貸し借りの調整、農業経営の安定化を図るために必要な資金の融資に伴う利子補給、経営改善に必要な農業機械等の購入補助など、さまざまなニーズに対応した支援を行っております。今後も引き続きしっかりと支援をしてまいりたいと思います。
みわ議員:農家の方と、そういう初めてやりたいという方をつなぐこともしていただくということで。
全体として今後の横浜の都市農業をどのように展開していくのか、最後に局長に伺いまして、私の質問を終わります。
大熊環境創造局長:本市では、活力ある都市農業を推進するため、昨年、横浜都市農業推進プランを策定をいたしました。今後、プランに基づきまして、生産基盤である農地の整備や、担い手への支援を行うことにより、将来にわたり都市農業が持続可能となるよう、農業政策を進めてまいります。また、本市の農の魅力を発信するために、付加価値の高い農畜産物の生産振興や地産地消の推進も行ってまいります。これらの施策を実施をいたしまして、横浜の都市農業が農家にとって魅力的で誇れるものになるよう展開してまいりたいと思っております。
みわ議員:ありがとうございました。終わります。