議会での質問・討論(詳細)
2016年3月10日

■国際局(北谷まり)

北谷議員:日本共産党の北谷まりです。

実質的な国際平和推進事業費はわずか27万1,000円

 まず、国際平和推進費について、伺います。
 国際局の予算規模は約11億ですが、そのうち国際平和推進費は全体のうち、わずか0.3%弱の317万5,000円しかありません。しかも、そのうちの290万4,000円が職員の出張旅費や消耗品費で、国際平和推進事業費はわずか27万1,000円です。この27万1,000円でどんな事業を行っているのか、伺います。

関山国際局長:よろしくお願いいたします。
 内訳でございますけれども、12万6,000円はNGOのみなさまやJICA横浜、横浜市国際交流協会とともに毎年10月に開催をしております、来場者5万人規模のイベント、横浜国際フェスタにおいて、本市の国際交流や国際協力の取り組みのピーアールを通じた平和啓発の経費などでございます。14万5,000円につきましては、ピースメッセージ都市国際協会の会費でございます。

北谷議員:啓発活動とピースメッセンジャー都市国際協会負担金の支出だけだということですが、あまりにも不十分だと思います。
 先日の本会議で、わが党の古谷議員の質問に対し、市長は「恒久平和の実現は長年にわたる人類共通の願い」であることや、「ピースメッセンジャー都市として、平和市長会議の一員として、国際平和の実現に向けた取り組みを行い、世界にアピールしていく」と答弁されました。しかし、実際は何もしてないと言わざるを得ません。市長の言われたことを現実のものとするためにも、国際局の発足を契機として、予算と事業を拡充すべきだと思いますが、見解を伺います。

関山国際局長:本市は、多彩な姉妹都市交流や、後にシティーネットの設立につながりましたアジア太平洋都市づくり横浜会議の開催、国際熱帯木材機関の支援など、市民のみなさまとともに進めた幅広い国際交流活動の実績が認められまして、昭和62年に国際連合からピースメッセンジャーの認定を受けました。以来、本市は、幅広い国際交流協力の取り組みを平和への貢献と位置付けております。世界とともに成長する横浜の実現を目指し、海外都市との連携や国際協力を今後も積極的に推進し、世界の平和と繁栄に貢献をしていきたいと考えております。

北谷議員:本市は、国連から平和活動や海外諸都市との交流が評価され、ピースメッセンジャー都市の称号が与えられ、さらに世界恒久平和の実現に寄与することを目的としている平和市長会議に加盟しています。2001年には、ピースメッセンジャー都市会議を横浜で開催し、「横浜アピール」や「よこはま子どもピースアピール」が採択されたこと、2004年から8年まで緒方貞子さんなどによる国際平和講演会など、さまざまな取り組みを行ってきました。これらの取り組みをやめてしまった理由は何なのか、伺います。

赤岡副局長兼国際政策部長:先ほど局長からご答弁申し上げましたように、本市では国際交流、国際協力などの国際事業を取り組むことこそが国際平和につながるというふうに考えておりまして、先ほど局長からもご答弁しましたような国際平和に向けた催しを引き続き実施するほか、昨今では民間団体による平和に関する催し物を支援するなどしております。たとえば、市長メッセージの起稿ですとか、国際局局長賞の授与ですとか、あるいは事業の後援などでございます。

北谷議員:今おっしゃっていただいたことは引き続き続けていきたいと思います。
これまで行ってきた国際平和講演会の復活や、今であれば、たとえば、国連難民高等弁務官事務所と共同でアクションを起こすことなど、やれることはたくさんあると思います。2001年に採択された「横浜アピール」や「よこはま子どもピースアピール」をホームページにしまっているだけでは本当にもったいないし、これらを活用した交流など、これまでの実績をぜひ活かしていただきたいと思います。
 国際局がイニシアチブをとって、国際平和に対する取り組みを積極的に行い、市民はもとより、世界の人々に向けて発信すべきではないかと考えますが、見解を伺います。

関山国際局長:都市間連携や国際協力など世界の平和と繁栄に向けた取り組みを通じまして、本市がピースメッセンジャー都市であること、また平和市長会議の一員であること、こういったことをアピールしてまいります。

北谷議員:ピースメッセンジャー都市として、目に見える活動を行っていただきまして、国内外に平和をアピールしていくことが、横浜の都市ブランドを形成し、世界からの信頼と繁栄につながっていくのだと思います。

横浜市の海外事務所もテロの標的になる危険も

北谷議員:次は、海外事務所についてです。
 本市は、上海、フランクフルト、ムンバイに事務所がありますが、事務所の立地、職員の体制はどのようになっていますでしょうか。

小菅国際政策部担当部長:フランクフルト事務所は、日本国総領事館、日本市会場などの近くに立地し、職員体制は本市駐在員1名および現地職員1名の計2名です。上海事務所は、金融機関等が集積する地区に立地し、本市と公益財団法人横浜企業経営支援財団アイベックからの駐在員各1名および現地職員2名の計4名です。ムンバイ事務所は、ビジネス地区として再開発が進み、日本国総領事館にも近いエリアに立地し、本市駐在員1名および現地職員1名の計2名となっております。

北谷議員:私はツアーコンダクター時代に、パリの街中で何度も爆発音を聞いておりますし、空港で不審物が発見されたからと避難したこともあります。また、エジプトで暴動に巻き込まれたこともあります。海外におけるさまざまな経験から、本市海外事務所と職員のセキュリティはたいへん気になるところです。海外事務所における具体的な危機管理策を伺います。

小菅国際政策部担当部長:いずれの事務所におきましても、外資系の企業や在外公館などが立地する比較的治安のよりエリアを選定しており、入居する建物では警備員やセキュリティシステムの設置など高い水準の保安体制を確保しております。また、日頃より日本国総領事館や日系企業等との間で現地の治安情報に関する情報交換を行うなど注意を払っています。

北谷議員:では、本市の職員が海外出張する際、どのような安全対策がとられているのでしょうか。

赤岡副局長兼国際政策部長:職員の外国出張に伴う不測の事態等につきましては、迅速的確な対応を目的といたしまして、国際局長を座長とする職員の外国出張に係る安全対策会議というのを設置してございます。出張の可否について異議がある場合は、外務省ですとか本市の海外事務所からの情報あるいは横浜市保健所の専門的知見等、これは感染症などの場合でございますけども、総合的な判断を行うことになっております。

北谷議員:これまで、日本人は経済格差による理由から、海外で金品が狙われやすい存在でした。それに加え、昨年9月、政府が安保法制を強行採決しました。安倍首相は、IS掃討作戦への自衛隊の参加は検討していない、政策判断でやらないと言っています。しかし、アメリカ側からの参加要請を断ることは大変困難です。米軍と一体化しているとみなされれば、欧米人と同じようにテロの対象となることを認識すべきです。このような国際情勢のもとで、国際局の果たすべき役割は何なのか、伺います。

関山国際局長:国際戦略におきましては、国際事業を展開する地域の治安状況をはじめ、危機管理に関する情報を把握し、周知するなど、必要な処置をとっていくこととしております。これに基づきまして、テロ等についても、国際局が中心となって万全の取り組みを行ってまいります。

北谷議員:危機管理という点からも、国際平和への取り組みとアピールは、これまで以上に重要です。これが市民の命と安全を守るのだ。ぜひ、こういう見地で予算と事業を拡充していただきたい。そして、世界から、「横浜市は、国際平和に対する脅威が増大しているにも関わらず、考えを後退させた」とみなされないように、今こそ、国際局が主体となって、積極的に国際平和の構築に向けた不断の努力をしていくことを、国内外にアピールすべきです。たとえば、平和都市宣言や非核都市宣言など目に見えるかたちで、ぜひ世界に向けて発信していただきたいとの切なる願いを述べて、終わります。


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