今夏、中学校教科書採択
侵略戦争肯定の教科書、継続使用NOの声を
今年の夏、4年毎に実施の中学校教科書採択が行われます。横浜市教育委員会は教科書採択の基本方針を策定し、教科書の調査・審議を教科書取扱審議会に諮問しました。
侵略戦争肯定・改憲誘導の教科書使用中
横浜市では、2009年に戦争を肯定する内容の上に客観的事実に多くの間違いがある自由社の中学校歴史教科書が採択されました。2011年には、侵略戦争を肯定し国への忠誠を強調するなどの内容の育鵬社の中学校歴史・公民教科書が採択されました。
一方、2006年の第一次安倍内閣発足以降、教育の目標に「我が国を愛する態度を養う」ことなどが盛り込まれました。さらに、尖閣諸島と竹島についての領土問題の記述が増え、今年の教科書検定では日本軍「慰安婦」の記述が大幅に削られました。「村山談話」「河野談話」で政府が表明してきた過去の誤りへの反省の立場が反映されていません。
ブラックボックスの中での教科書採択
横浜市教区委員会は、昨年の小学校などの教科書採択では、一部の教科で審議会答申の評価とは異なる教科書を採択。また、2011年に記名投票に戻していた採択方法を、無記名投票に変更しました。これではどうしてその教科書を採択したかの説明責任が果たされず、まさにブラックボックスの中で教科書採択が行われたに等しいものといえます。
公正で民主的な採択を申し入れ
日本共産党横浜市議団は5月19日、教科書採択にあたっては公正で民主的な採決を行うよう、横浜市教育委員会に申し入れを行いました。
申し入れでは、教科書採択の基本方針に「日本国憲法」を加えること、審議会の教科書調査員に現場をよく知っている教員を増員すること、教科書採択の基本方針に「審議会の答申を尊重すること」を明記すること、市民に開かれた採択とするために会議においては各委員の採択理由を明らかにさせ、投票となる場合には記名投票とすること、希望者全員が傍聴できるようにすることなどを求めました。
対応した齋藤教育次長は、「話は承りました。教育長に伝えます」と答えるにとどまりました。
教科書展示会に足を運びましょう
2016年度に市立小・中・高・特別支援学校等で使用する教科書が、中央図書館と各区の市立図書館で、7月3日まで展示されています。
問題になっている育鵬社や自由社の中学歴史・公民教科書も展示されます。子どもたちにふさわしいものかどうか、手にとってみましょう。そして、感想や教科書への思いをメモ用紙に書いて、会場の担当者にわたしましょう。
展示日程や時間などの問い合せは、教育委員会事務局指導部指導主事室(☎045-671-3732)へ
◇週刊ニュース「こんにちは横浜市議団です」は、原則として毎週水曜日発行です。PDF版は下記からダウンロードして、ご自由にお使いいただけます。なお、ご使用の場合には市議団までご一報いただけると幸いです。
「こんにちは横浜市議団です」2015年6月10日(PDF版)