2015年6月1日
日本共産党横浜市会議員団
団 長 大 貫 憲 夫
1、はじめに
いっせい地方選挙後の最初の議会である第2回定例会は、5月29日、高速横浜環状北西線工事の本格着工に関する議案など市長提出の一般議案42件と2件の会計予算補正、監査委員の人事案件、議員提出の3議案を自公民などの賛成多数で可決し、閉会。日本共産党は議案関連質問をかわじ民夫、討論をみわ智恵美の各議員が行いました。市長に市政全般について質問する一般質問は、選挙後最初の議会では行わないのが、横浜市会の慣例となっています。
2、本会議では、新市庁舎建設と南本牧ふ頭の大水深岸壁延長、カジノ誘致を厳しく批判
かわじ議員は、新市庁舎整備、IR(統合リゾート)型カジノ立地を盛り込んだ市都心臨海部再生マスタープラン、南本牧ふ頭MC-4の岸壁延長などに関わる議案について林文子市長に質問。
新市庁舎整備総事業費は749億円に、2013年秋の基本計画時の616億円に比べ21.6%の増。かわじ議員は、「日本共産党は、2020年東京5輪に間に合わせる計画は事業費を膨張させるだけと指摘してきたが、その通りとなった」と述べ、事業費が膨らみ市民負担が増えることについての市長の責任を問いました。さらに、事業費の大幅増は計画の大幅な修正に当たり、改めて新市庁舎建設事業の是非について市民の意見を求めるべきだと主張。
市長は「増額の主な要因は、市民の利便性向上、危機管理機能の強化、建設労働者の待遇改善など、いずれも適切に対応することが必要な事柄、今回の市庁舎建設は、しっかりとさまざまな課題を克服しながら取り組んでいくことが私の責任」と答え、事業費の膨張が市民負担の増加になることについては言及しませんでした。また、市民意見募集はいままで2回実施しているとして、これ以上は行う意志がないことを明らかにしました。自民、公明、民主の3党は、最終日の討論に立ち、この計画の推進を、市長に迫りました。
臨海部マスタープランは、IRの構成施設である大規模集客施設を2025年度までにっMM21地区と山下ふ頭に立地させるとしています。市長が策定した中期4か年計画では、IRは国の動向を見て検討するとしていただけです。審議会の答申は、市の方針をも逸脱したものとして、メンバーを変えて審議のやり直しを求めました。市長は、やり直しを拒否です。
南本牧ふ頭大水深岸壁MC-4の100m延長理由は、隣接のMC-3と合わせて、大型コンテナ船二隻を着岸させるためです。かわじ議員は、横浜港の取扱コンテナ量の低迷ぶり、喫水18mの超大型コンテナ船は横浜港には寄港していないこと、横浜港に寄港する大型コンテナ船は既存の岸壁で十分対応できていること、コンテナ船の大型化の将来予測を示して、事業の見直しを市長に求めました。市長は、大型船化に対応するために不可欠な事業と答えました。
3、労働法制改悪反対請願を自・公・維新が否決に、横浜労連提出請願では、民主が自公維と同じ態度
みわ議員は、討論で、自公政権は、生涯派遣労働と残業代ゼロ労働を目指していると批判し、請願を採択をして、横浜市会の良識を示そう訴えました。
4、議会の新構成について
常任委員会には、大貫議員は温暖化対策・環境創造・資源循環委員、岩崎ひろし議員は建築・都市整備・道路委員、あらき由美子議員は政策・総務・財政委員と議会運営、白井まさ子議員はこども青少年・教育委員会副委員長、古谷やすひこ議員は健康福祉・医療委員と議会運営、河治議員は国際・経済・港湾委員、みわ議員はこども青少年・教育委員、北谷まり議員は市民・文化観光・消防委員、宇佐美さやか議員は水道・交通委員に、県後期高齢者医療広域連合議会議員には、みわ議員が選出されました。特別委員会では、基地対策に古谷(副委員長)、かわじの二名が所属し、米軍基地問題での追及力が増えました。
5、主な市政動向:生活保護住宅扶助切り下げ、市営プール統廃合計画が発表
常任委員会に、市民生活に重大な影響を及ぼす計画が担当局から示されました。
その一つは、生活保護における住宅扶助基準の大幅切り下げです。一人世帯は現行53,700円が52,000円に、二人世帯では現行69,800円が62,000円に7,800円もの切り下げです。これは、国の指示にそった措置です。7月1日から実施ですが、国は、切り下げ適用は、家賃の契約更新時までは猶予するとしています。市は、切り下げとなる約2万2000世帯に対して「転居支援や経過措置の適用など必要な支援をていねいに行う」とするだけで、独自の救済策は予定していません。寿町地区の簡易宿泊所の特例も廃止の方向です。
二つ目は、横浜市のプール等の統廃合計画の方向性が出されたことです。鶴見区、磯子区の公園プール、栄区の栄プールが廃止・統合の対象とされています。中学校プールの拠点化は、断念しました。
6、市議団として、教科書採択問題で教育長に、山下ふ頭開発基本計画の白紙撤回を市長に申し入れ
8月に、中学校等の教科書が教育委員会議(5人の教育委員、教育長)で採択されます。採択にあたっては、現場教員が参加する教科書取扱審議会の答申を尊重することなどを申し入れました。
山下ふ頭開発基本計画では、IR型カジノの立地を前提とする計画は、市民の願いに反しているとして、白紙撤回を求めました。
以上