お知らせ ・ 見解/声明
2023年6月1日

2023年第2回定例会の閉会にあたって

2023年6月1日

日本共産党横浜市会議員団 団長 古谷やすひこ 

1、はじめに

4月の統一地方選挙後初の定例会が、5月17日から開催され、初日に議会の新構成を決め、5月24日の本会議を経て、本日、市長提出の議案30件が賛成多数で可決。横浜ノース・ドックへの米軍新部隊配備撤回を求める請願など8件はいずれも不採択となり閉会しました。日本共産党は、宇佐美さやか議員が議案関連質問、大和田あきお議員が討論に立ちました。

2、初市会協議会 少数会派や一人会派の権利が制限されない議会運営求める

5月1日(月)、横浜市会では全議員参加対象の「初市会協議会」が開かれました。その開催に向けて初市会協議会準備会が行われました。そこでは交渉会派ではない少数会派(4人以下)や会派に属さない議員も出席して市会運営についての協議を行うもので、戦後初の取り組みでした。

今後の市会運営について、日本共産党を代表して古谷やすひこ団長が、少数会派や会派に属さない議員の権利が制限されることがないよう、従来の方法に固執せずに、初市会協議会準備会の枠組みを生かしたものとしることや、議会運営については、全会一致を目指すべきと意見表明しました。

採決の結果、自民(35人)、公明(15人)、立憲(15人)、維新(8人)、民主(国民4人)等の賛成多数で、従来の市会運営委員会の枠組みでスタートすることが決まりました。引き続き開かれた議会に向けて提案を続けます。

3.常任委員会の担当等決まる 議員からの監査委員選任の見直し求める

初日17日の本会議では、議長・副議長の選挙や常任委員会委員選任、県後期高齢者医療広域連合議員の選挙、市監査委員の選任などが行われました。日本共産党の常任委員会体制は、政策・総務・財政委員会に古谷やすひこ団長(鶴見区)、建築・都市整備・道路委員会に白井まさ子副団長(港北区)、こども青少年・教育委員会にみわ智恵美議員(港南区)、健康福祉・医療委員会に大和田あきお議員(戸塚区)、温暖化・環境創造・資源循環委員会(副委員長)に、宇佐美さやか議員(神奈川区)となりました。

議会議長は所属議員数で最大会派の自民党の清水富雄氏、副議長は2つの第二会派のうち公明党の高橋正治氏が、全会一致で選出されました。

日本共産党横浜市議団は、市会の第一会派と第二会派から議長・副議長が選出されることは、民意の反映の一つと受け止めており、今回は対立候補を立てませんでした。

議員の監査委員の選出(2名)については反対しました。5人しかいない監査委員のうち、2人も市議が入ることは問題であり、他都市では「監査委員の独立性及び専門性をより良く担保する観点から議員のうちから監査委員を選任しないこと」と決めている議会もあります。そもそも議員は行政のチェック・監視役としての使命があり、議員歳費とは別に月額92,000円の報酬を受領して引き受けるものとして適切ではないと考えます。採決の結果、自民、公明、立憲、維新などの賛成多数で監査委員の選出が行われました。引き続き監査委員の選任について根本から見直しを求めていきます。 

4.議案関連質問 マイナンバー関連の条例提案への問題提起と全世帯向けの物価高対策求める

5月24日の議案関連質問には宇佐美さやか議員(神奈川区選出)が登壇。マイナンバーカード機能を使ったスマホでのコンビニ交付サービスに印鑑証明書の追加と、物価高騰対策(補正予算)の議案について質問。

マイナンバーカードをめぐる混乱、個人情報の漏えい事故が続いており、検証も再発防止も事業者任せになっている中で、新たな機能付加は拙速だと指摘。事業者任せにならない市の再発防止策がとれるのか市長の認識を問いました。山中市長は、「引き続きシステム運用に係るサーベイランス(監視)の強化など再発防止に取り組み、市民の皆様の信頼回復に取り組んでいく」と述べました。

物価高騰対策補正予算については、補正予算の中で、学校給食物資購入のための予算や保育施設、高齢者施設、障害者施設への光熱費や食材費に対する補助については市民が求めているもので歓迎するが、「商店街プレミアム付商品券」や省エネ家電の購入費20%還元などの施策は、支援の効果が限定的だと指摘。市民の厳しい生活実態を市として掴み、非課税世帯だけではなく全世帯へ給付型支援が必要だと主張しました。また、固定費の支払いが重くなっている市内小規模事業者等へ家賃補助などの支援を行い、賃上げできる環境を後押しする施策を進めるよう求めました。

市長は、「これまでのコロナ禍の影響に加え長引く物価の高騰が生活を直撃して、様々な不安を抱える方々が多くいると認識している。今後も引き続き市民の皆様の声に耳を傾け状況を把握していく必要があると認識している」と述べ、賃上げ支援については「物価高騰で生活に大きな影響を受けている働く方々にとって賃金が上がることは、大変重要であると考えている」と認識を示しました。

5.討論 ノース・ドック新部隊配備反対、早期全面返還求める請願 共産、立憲が賛成

最終日の討論には、4月に初当選した戸塚区選出の大和田あきお議員が初登壇。議案関連質問で問題点が浮き彫りになったマイナンバーカード関連の議案に反対。また、足りていない物価高騰対策の具体案を提案し、「横浜ノース・ドックの米軍新部隊の配備撤回」請願の採択を訴えました。請願について大和田議員は「ノース・ドックへの新部隊配備は、基地機能の強化であり、米軍基地の恒久化につながるもので、横浜市の市是である早期全面返還とは相いれない」と指摘。改めて、政党・会派の枠を超えて請願への賛同を呼びかけました。採決の結果、立憲、共産、一人会派2人が賛成しましたが、自民・公明・維新、民主の反対で請願は不採択となりました。引き続きノース・ドックの基地機能強化に反対し、あらゆる機会をとらえて早期全面返還を求めていきます。

また、他の請願の賛否を通じて、各会派の姿勢があらわになりました。議員報酬の削減を求める請願や、「ぼったくり条例」の制定を求める請願については、賛成は共産と一人会派の2人のみでした。新しく交渉会派になった日本維新の会は、議員報酬の削減請願について「拙速に議員報酬のみを議論するのではなく、他都市事例を含めた形で更に議論を深める必要があって、今回は趣旨に沿い難い」と反対しました。日本共産党は、請願の内容文については沿い難い箇所もあるが、結論については検討する場が必要と主張し、賛成しました。

6.中学校給食、敬老パスの新しい展開

常任委員会で、中学校給食、敬老パスなどで新たな情報が示されました。
中学校給食については、2026年度からの全員給食の実現に向け、全生徒・教職員の必要食数8万3000食の製造割り当て案が示されました。3万食を市有地を活用した新工場で製造し、残り5万3000食を現行の弁当スタイルで製造するというもの。新工場は「横浜市の中学校給食事業推進拠点(仮称)」としました。新しい中学校給食の取り組みでは「おかわり用給食の提供」という項目で、食缶でのごはん提供に向けた検証が示されており、新工場がどういう性格のものになるのか、注視が必要です。日本共産党としては、横浜の中学校給食は、あらゆる点で学校調理方式がもっとも望ましいものであり、目指すべきものと主張。学校調理方式を軸にした計画に見直しするよう求めました。

敬老パスについては、ICカードになってはじめて利用実態が示されました。引き続き分析を進めるとともに、横浜の優れた施策である敬老パス制度を維持し、さらなる発展が進むよう注力していきます。

新団長談話サムネ


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