みわ議員:日本共産党のみわ智恵美です。日本共産党を代表して質問いたしますので、よろしくお願いいたします。委員長、スライドの使用許可をよろしくお願いいたします。
区民文化センターの修繕を手遅れにならないように進めよ
みわ議員:旭区民文化センター・サンハートは建設から25年、港南区民文化センター・ひまわりの郷は18年経過しています。近年、音響や照明器具などデジタル化が進んでいますが、区民文化センターでの更新はどうなるのか。管理者からは、排管設備腐食のために工事をしたと聞いています。これらの事態に対して、市は、施設の改修・修繕についてどのように取り組んでいるのか、また今後の大規模改修などについての考えを伺います。
中山文化観光局長:区民文化センターなどの市民利用施設については、公共施設の長寿命化の推進に関する予算の枠組みの中で修繕を実施しております。建築局と協議いたしまして、全市的な視点で安全性や緊急度に配慮して計画的に進めております。修繕する際の目安としては、100万円以上は建築局、100万円未満は当局が対応することとなっておりまして、60万円未満の小規模な修繕については指定管理者が対応することになっております。
みわ議員:デジタル化の問題や排管の老朽化の問題については、いかがでしょうか。
冨士田文化芸術創造都市推進部長:27年度は、旭区民文化センターのホールの音響調整卓を更新いたしました。また、泉区民文化センターでは、排水管の劣化診断を行っております。来年度は、港南区民文化センターのホールの音響調整卓を更新する予定です。
みわ議員:市の施設なので、手遅れにならないよう安全のため、また文化の香りが消えないように取り組んでください。
区民文化センターへの行き先案内をわかりやすく
みわ議員:区民文化センターは場所がわかりにくいとの声が多くあります。
スライド(スライド1)をご覧ください。こちらは、神奈川区のかなっくホールです。JRからも(スライド2)、京急からも(スライド3)案内サインがありません。今後建設される瀬谷区、港北区の区民文化センターなどについては、あらゆる利用者にとって分かりやすい案内サイン計画をつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
中山文化観光局長:わかりやすいサイン計画というのは大切なことだと考えております。それは、あらゆる人に、それは障害の有無とかそういうことも含めて、やはりきちっと考えていかなければいけないというふうに考えております。瀬谷区および港北区における区民文化センターについても、さまざまな方がスムーズに来館できるよう、再開発事業者等と調整を進めてまいります。
みわ議員:これまでに問題が起きているところもありますので、サイン計画は、今、局長お答えになったように、福祉のまちづくり条例や障害者差別解消法に則って、しっかりと取り組んでください。
新たなMICE施設計画は見直しを
みわ議員:次のスライド(スライド4)をご覧ください。パシフィコ横浜のアニュアルレポートに載せてある海側からの全景です。次(スライド5)は、このたび新たにMICE施設整備を進めようとしている20街区のアップです。
ここで伺いますが、新たにMICE施設を整備することになった経緯とその理由を伺います。
中山文化観光局長:23年7月に設置いたしました横浜市MICE機能強化検討委員会から、施設不足に対応するために早急にパシフィコ横浜の隣接地等において施設拡充の事業化について検討を進めるべきとの提案をいただきました。これを受けまして、20街区での施設整備の検討に着手し、現在に至っております。
みわ議員:この20街区MICE施設整備事業について、局長は、厳しい財政状況を踏まえて、民間事業者のノウハウによる採算性の確保とともに、本市の財政負担の平準化を図ることができるPFI事業が最もふさわしい方法であると答弁されていますが、単独事業で市債発行による施設整備でも分割返済するのですから、平準化といえるのではないでしょうか。
ところで、新たなMICE施設の土地と建物の建設・維持・管理を含めた総事業費を伺います。
猪俣観光MICE振興部長:総事業費でございますが、MICE施設とホテルを含めました20街区全体の土地代といたしまして146億円、施設の建設および20年間の維持・管理費は12月の契約議案でお示ししたとおり378億円でございまして、あわせて524億円でございます。
みわ議員:この新たな20街区のMICE施設整備への投資効果をどのように考えているのでしょうか。
猪俣観光MICE振興部長:横浜の強みを活かしまして、MICE機能を強化することで経済的波及効果と、文化、産業、人材育成等の社会的波及効果を生み、都市の競争力、ブランド力を向上するなどの効果があると考えております。さらに、国際会議などに参加する一流の研究者との交流や、最先端の技術や情報に触れる機会を市内の中高生に提供することで、次世代育成にもつながります。
なお、20街区MICE施設でのMICE開催による市内への経済波及効果につきましては、年間約440億円と試算しております。
みわ議員:それが、投資したものが返ってくるというものになっているわけではないと考えるのですが。
500億を超えるこの巨額の事業の入札、1グループしか応じていないので、まさに民間活用といいながら競争性が働いていない。この点についての見解を伺います。
猪俣観光MICE振興部長:民間から幅広くよりよい提案を受けるために、総合評価一般競争入札方式で提案を募ったところでございます。もっと多くの提案が出ることを期待しておりましたけれども、1グループのみの応札となって点につきましては、残念だと思っております。
みわ議員:1社でも手をあげていただいてありがたいというのが本音ではないかと感じます。
落札報告書によりますと、落札事業者の全体の評価点は、加点方式とはいえ100点満点で52.93点。PFI事業審査会の意見にはその問題意識が表れていると思います。そこには、委員会から「市と落札者は、良好な景観の形成と当該地区全体の魅力向上に資する施設となるよう、できる限りの努力を払うこと」と注文がついています。市の直接整備では東京五輪に間にあわない。入札者が1社しかなくても、東京五輪に間に合うこの時期、PFI事業者を決めなければならない苦しい選択だったのではないでしょうか。そして、決めたけれども、大丈夫かとの思いが現れている。評価では、PFI事業、そもそものPFI事業の安定性・確実性はABC評価でD評価、周辺環境への配慮もD評価です。こんな低評価で問題ないのでしょうか。伺います。
猪俣観光MICE振興部長:PFI審査委員会での点数でございますが、まず要求基準を全て満たした上での加算された評価の点数の合計でございます。必要な水準は満たした上での加点された点数ですので、低い評価であったとは考えておりません。
みわ議員:加点方式とはいえ、それをはやり水準を保ち、もっと良くするという点から考えると、大問題だというふうに思います。
スライド(スライド6)をご覧ください。これ、すずかけ通りからのMICE施設方向を見たものです。これ(スライド7)、さらに接近したスライドです。横浜らしさを実感する開放的な空の広がりと海への連続性を感じます。
審査会のPFI事業提案への性能審査で、景観およびデザイン計画が0点です。すずかけ通りからの海への開放的なつながり空間を遮断する施設整備への、それを何かよくするという評価はない。これにつながる港湾2号線緊急輸送路を廃道にしてしまうこと。これも安全性への懸念ではないでしょうか。見解を伺います。
猪俣観光MICE振興部長:まず、必要な数字は満たした上での加点された点数というふうに考えておりますので、低い評価だったとは考えておりません。また、本事業は、みなとみらい21地区という景観の制限や、まちづくりのルールなど市内の他の地区と比べまして、非常に条件が厳しい地区であったことに加えまして、要求水準による施設に求めるレベルが高かったため、加点の点数が比較的低めの結果となりました。今後、都市景観協議等、関係機関との調整を行う中で、さらによい計画となるようにしていきたいと考えております。
みわ議員:こちらのスライド(スライド8)をご覧ください。左の上方にあるのが耐震バースです。こちらが廃道にされようとしています港湾2号線道路です。1995年から使用されていますが、この道路は、震災など発災後の市民生活に必要な緊急物資、復旧資材の受け入れ、避難者や復旧支援者などの輸送の拠点となる緊急物資輸送用の耐震強化岸壁として整備された耐震バースからの輸送を担う第一次緊急輸送道路です。この道路を廃道にすることへの不安は、市当局はないのでしょうか。見解を伺います。
猪俣観光MICE振興部長:緊急輸送道路につきましては、ご指摘のとおり、防災のふ頭から出ていることになりますが、現在では輸送道路が2方向から通行できるようになってございますが、今後この20街区MICE施設整備を行いましても1方向は確実に接道できることになっておりますので、それで機能は耐えられるというふうに考えております。
みわ議員:多くの物資が動くのにひとつでいいというのは、本当に強弁ではないかと思うんですね。臨港パークにたくさんの人達、市民が集まっているところに地震があり、津波という時に、キング軸とそれからパシフィコ横浜の展示場のところに多くの人が集中する。本当に多くの人がさっと逃げられるような事態にもない。遮断されているということも大問題だというふうに思います。
港湾2号線の廃道は、危機管理上の問題だけでなく、すずかけ通りからの景観という問題でも、明らかにみなとみらい21中央地区都市景観形成ガイドラインに違反しているのではないでしょうか。
猪俣観光MICE振興部長:法令等に違反していないと考えております。
みわ議員:違反しているので、そういうちゃんとした、もっと良くなるというような評価が全くないということではないでしょうか。
20街区MICE施設整備事業にあたり、地域住民から景観、防災および災害時対応に課題があると言われているのをご存知だと思いますが、この不安と懸念に対しての見解を伺います。
中山文化観光局長:先生のおっしゃること、十分良くわかります。それから、あと南海トラフ等々のいろいろな今、数値が出て来ているということも、よく存じております。そういったことも踏まえまして、これから実施設計に入ってまいります。そして、今、先生からお伺いしたことも踏まえまして、横浜らしい景観を残しながら、かつその緊急輸送路を何らかのかたちで確保できるような不安のないようなかたちにしていきたいというふうに思っております。
みわ議員:緊急輸送路1本では絶対にだめだというふうに思いますし、市民が本当に緊急時に逃げていくような場所の確保として、今の道は本当に必要だと思います。今あるパシフィコ横浜に対して横浜市が行っているこれまでの支援内容と金額を伺います。
猪俣観光MICE振興部長:これまでの支援でございます。160億円の直接貸付、損失保障の設定、土地貸付料の減額などを行っております。
みわ議員:総額で言って下さい。
猪俣観光MICE振興部長:出資が41億円、施設整備の補助が5億円でございます。それと、土地の減額貸付が約175億円。その他に損失保障の設定総額が約382億円でございます。
みわ議員:なかなか総額できちんと言っていただけないんですが。
本当に、これまでの投資に対して、今回初めて利子と元金がやっとほんの少し返ってきたというところだと思います。新たなMICE施設整備は、市民の声に本当に耳を貸さないで、市民への安全配慮や未来に残すまちづくりへの大切な規制も外して、東京五輪に間に合わせるための無理な投資であるという疑念を払拭することはできないのですが、見解を伺います。
中山文化観光局長:みなとみらい21まちづくり基本協定やみなとみらい21中央地区都市景観形成ガイドラインなど、法令規制等に則り、適切に事業を進めてまいります。また、近隣への影響については、関係機関との協議・調整段階において、可能な限り配慮してまいります。
みわ議員:東京五輪に間に合わせることについてはなかったんですが、まちの主人公である住民の声にしっかりと耳を傾けることとあわせて、巨額の税金を投資することになる新たなMICE施設整備については見直しを厳しく求めます。
海外観光客のために多言語案内サインの工夫を
みわ議員:新たな施設をつくることより、横浜の街の魅力をどう伝えていくのかにより力を注ぐことが、お客様満足度をアップさせ、リピーターを増やし、観光文化都市横浜の発展に寄与するのではないかと思います。そこで、集客実人員数や観光消費額が過去最高となった要因についてどのように分析されているのか、伺います。
中山文化観光局長:まず、観光事業者様のご努力はもとより、国内外に対するセールスやプロモーションなどが結果として現れつつあると認識しております。また、みなとみらい線の相互直通運転や羽田空港からのアクセス向上で、多くの方が気軽に来訪できるようになったことも集客増の要因のひとつと思われます。さらに、市内ホテルも高い稼働率を維持しておりまして、価格も安定し、良好な販売状況だったため、観光消費額の伸びにつながったのではないかと考えております。
みわ議員:中国からの来訪者や8か国アジア方面取り組みが功を奏しているというふうに思うんですけれども、新年度の海外誘客における具体的な施策を伺います。
中山文化観光局長:これまで誘客対象のアジアにおいて、横浜の認知度や情報入手経路、来訪意向などを調査してまいりました。この結果を踏まえ、たとえばタイでは旅行先を検討する時にテレビ番組を参考にするという人が多いため、現地テレビに横浜特集を放映するなど効果的なプロモーションを実施しております。また、対象地域ごとのニーズにあわせて、インドネシアでは魅力的な横浜の特徴として認知度の高い夜景の美しさを、台湾では来訪意向の高い三渓園をピーアールしてまいります。
みわ議員:ICTを活用した訪日外国人旅行者への受入環境整備の取り組みについて伺いましたので、三渓園に行ってみたんです。
こういうWi-Fiの設備(スライド9,10)があったんですけれども、何かの声で展開されるというよりはWi-Fiが使えるという状況で。、それからこれは手洗いのところなんです(スライド11)。日本語で「手を出すと水が出ます」というものなんですけれども、こういうものも日本語でしか書いてないと。もう少し、やっぱり案内サインというのは工夫が必要だなと改めて思いました。
これは(スライド12)は日本共産党の市政新聞にありまして、この写真のところにスマホをかざしますと動画が出てきて、声も聞こえるというもので、こういう本当にいらっしゃった外国人の方々にも多言語で横浜の案内が容易にみれるようなものという取り組みが必要だと思います。